バドミントンがなかなか上達せずに伸び悩んでいませんか?
『チャリチャリ』という練習方法があることをご存知でしょうか?
プロのバドミントン選手なら必ずと言っていいほど取り入れている練習の一つです。
今回は、この一回名前を聞いただけでは、どんな練習なのか想像もつかないチャリチャリについて解説したいと思います。
なぜチャリチャリと呼ぶのか
まず語源から解説すると、チャリチャリは、バドミントンを国技とするインドネシアから由来しています。
チャリチャリ(caricari)はインドネシア語で、日本語にすると「探す」という意味になります。
バドミントンでいうと、“相手コートの急所を探して狙い打つ”といったところでしょうか。
『ボックス』という別の言い方をすることもあります。
これは相手コート内の決められたボックス内に打ち返す練習方だからです。
チャリチャリよりもボックスの方がイメージしやすいかも知れませんね。
どんな練習なのか
コートの範囲が決まっている
チャリチャリの練習では打ち返すコートの範囲が通常より狭く限定されています。
下の図でいうと赤枠で囲まれた箇所を使います。
縦軸はショートサービスラインからダブルスのロングサービスラインまで、横軸はセンターラインからダブルスのサイドラインまでです。
このコートの狭い範囲を使った1対1の練習が、チャリチャリが他の練習方と大きく異なるポイントです。
練習による効果は?
・フットワークが向上し、シャトルへ素早く反応できるようになる
バドミントンは、相手の上体を崩すために、右に左に前に後ろにとシャトルを打ち分けていきます。
逆も然りで、相手もこちらの動きや態勢を見てシャトルを打ち返してきます。
そこで重要なのがフットワークなのです。
「チャリチャリはコートが狭い分、そんなに動かなくてもいいから楽だ♪」なんて考えていけません。
逆の発想で、コートが狭いからこそ前後左右に動くことが必要なのです。
フットワークを巧みに使って、打ち返されたシャトルをより前衛でより高い打点でショットできるようになります。
・攻めの意識が強くなる
チャリチャリはとにかく攻め続けないといけません。
態勢を崩されて、思わず高いショットで打ち返すと、待ってましたと言わんばかりに相手から豪快なスマッシュをくらいます。
スポーツ界でよく耳にする『攻めは最大の防御』という言葉のとおり、相手に余裕を与えないように瞬時に攻撃に転じる姿勢が必要とされるのです。
・低い姿勢で効果的なショットを打てるようになる
ロビングとは、自コートの手前に落ちるシャトルをすくい上げて相手コートの奥に打ち返すショットのことです。
チャリチャリでは、ロビングのような高いショットは、相手のチャンスボールになってしまうのであまり効果的とは言えません。
一方で、ネットスレスレに飛ぶ直線的な速いショットをドライブ、相手コートの中間を狙ったショットをハーフと言います。
チャリチャリでは、ドライブやハーフを多用して、相手を苦しい態勢に持ち込むことが狙いです。
さらには、ドライブやハーフは、低く保った態勢から打ちましょう!
なぜなら態勢が低ければ、自ずとシャトルの弾道が低くなるからです。
・ダブルスにも生きてくる
攻めぎあいの展開になりやすいチャリチャリでは、いかにシャトルを浮かせないか、相手に浮いたシャトルを打たせるかがポイントになります。
この考えはダブルスにも共通します。
ダブルスでは、ショットに緩急をつけてできるだけラリーに持ち込もうとする傾向が強いです。
ラリーでシビレを切らしてロビングショットしてしまうと、後衛が狭いチャリチャリではアウトになりやすいです。
また、相手にすかさずスマッシュを打たれてしまうのがオチです。
1対1で行うチャリチャリは、一見シングルの練習に思えますが、実はダブルスの練習にもなるのです。
・瞬間的な判断力が養われる
中級レベルでれば、ラリー中に相手の動きを見る余裕がありますが、上級レベルになってくるとスピードが格段に上がってきます。
そうなると相手のショットや動きを見て、次の展開を瞬時に先読みして判断する力が必要となります。
チャリチャリは、比較的スピード感ある展開で行うので、今どういったショットをどこに打てば相手が苦しい展開になるのか、
スマッシュを打つためにはどこにショットしたらいいのか、瞬間的に判断する能力を鍛えることができるのです。
・スタミナがつく
サッカーやテニスなどの他の競技と比べてバドミントンのコートは狭いので、走り回る必要がなくて体力的には楽だと思う人がいるかも知れません。
遊びでする分には体力的には楽かも知れませんが、
競技としてバドミントンをすれば一発で激しいフットワークが求められるハードなスポーツだと気づくでしょう。
チャリチャリは、フットワークを磨く練習でもあるので、高い持久力が身につきます。
チャリチャリを通して、スタミナアップを図りましょう!
・相手の急所が分かるようになる
最初にも述べましたが、チャリチャリの極意は、相手の急所を探して狙うことです。
チャリチャリをやっていると、相手の肩口や相手ペアの真ん中が急所であると分かるようになります。
チャリチャリ応用編
2人 vs 1人でやってみる
初級者vs上級者、男子選手vs女子選手のようにプレーヤーのレベルに差がある場合は、2対1でやってみると面白いです。
1人の方は、相手のコート面積が2倍になるので、低重心で打ち返しシャトルを浮かさない、相手にスマッシュを打たせない練習になります。
ダブルスで試してみる
1対1のチャリチャリに慣れてきたら、以下のことを意識してダブルスに応用してみましょう。
・低い態勢を心がけて、シャトルを浮かせない
・相手の動きを見て、瞬間的に相手の急所を狙う
・フットワークを使って、シャトルへのタッチを素早くする
もうお気づきですね。
これらは全て今まで説明してきたことです。
チャリチャリの延長線上にダブルスがあると言ってもいいくらいなのです。
まとめ
チャリチャリ上達のためには
前衛で打つ、高い打点でショットする攻めの姿勢
これができればフットワークが良くなり際どいシャトルも拾えるようになります。
さらに、低い軌道のシャトルが打てるようになるので、スマッシュで返されることも少なくなります。
チャリチャリの効果を実感できるようになったら、ぜひダブルスにも応用してみてください!