ビリヤードのショットの一つであるドローショット。
引き玉とも呼ばれる、手球を的球に当てた後に手前に戻すショットで、これができると上級者の仲間入りした気分にもなれます。
ドローショットはバックスピンの掛かり具合が肝となる技術となりますが、上手くバックスピンを掛けるコツについて紹介したいと思います。
ショットのバリエーションの必要性
ビリヤードはプロスポーツであるとともに、一般の人が楽しめる娯楽でもあります。
キューでボールを撞き狙い通りにポケットに入れられた時には、気分も向上し、ビリヤードがより楽しく感じられる瞬間だと思います。
しかし、ただ闇雲に撞いているだけでは手球は成り行きで転がってしまい、次のショットの時に狙える的球が無くなってしまいます。
それを回避するために、次に狙う的球の位置を把握し、
その的球を狙いやすい位置に手球を持っていくことが自分を有利にするためのテクニックとなります。
つまり的球をポケットに狙いながら、手球を次の的球に向けて移動させる、というコントロール技術が要求されるのです。
フォローショット(押し球)、ドローショット(引き球)は代表的なショットの技術です。
フォローショットは手球の上部を撞くことでトップスピンを与え、的球に当たった後は同じ方向に進んでいく軌道となります。
一方で、ドローショットは手球の下部を撞くことでバックスピンを与え、的球に当たった後は手前に戻ってきます。
状況に応じてこれらの技術を使い分けることで、常に自分を有利に展開させることができるようになるため、
ビリヤード上達には不可欠なテクニックとなります。
ドローショットの基本、バックスピン
ドローショットでしっかりと手球を戻ってくるように撞くには、兎にも角にもバックスピンをどれだけ与えられるかによります。
バックスピンが掛かった手球は、的球に当たるまでは滑るように進んでいきますが、的球に当たると前進方向の推進力が止まり、
回転力により手前に戻ってきます。
この時の回転の量により戻ってくる勢いが変わるため、どれだけ戻したいかに応じて、
ショットの強さとバックスピンの回転量をコントロールすることが重要です。
バックスピンが弱いと十分に戻ってきませんし、強すぎると戻りすぎてしまい、
最悪の場合には手前のポケットに手球を落としてしまうことにも繋がります。
バックスピンをかける前に
バックスピンをかけるあたっては、まずキューを正しく握り、安定したストロークが行えるようになっていることが前提条件となります。
安定したストロークとは、キューがブレずに撞ける状態のことをいいますが、
これはキューを握っていない方の手(右利きなら左手)でブリッジと呼ばれる支えを作り、しっかりと固定することで可能となります。
キューがブレてしまうと、狙い通りの回転が掛けられないのはおろか、手球を正しく撞けずにミスショットとなる要因となってしまいます。
また、フォロースルーと呼ばれる、撞いた後にそのままキューを前に押し出す動きも重要です。
時々、インパクトの瞬間にキューを手前に引くプレイヤーを見かけますが、引くという動作により狙いや力の伝達が不安定になりやすく、
安定したショットにはなりません。
キューが手球に当たった後も、そのまま押し出すことで、安定して力を伝えることが出来るようになります。
これらは基礎練習の積み重ねで修得できる技術ですので、まずは安定して撞けるように意識してみてください。
バックスピンを効果的に掛けるコツとは?
バックスピンを掛けるためには、まず手球の中心より下部を撞く必要があります。
より下の方を撞くと同じ力のショットでも回転の掛かりが強くなるため、強力なバックスピンを求める場合は、手球の下寄りを撞くことになります。
しかしながら、撞く位置があまりに下過ぎると、ティップが滑ってしまい手球を上手く撞けずにミスショットの原因となりますので、
手球の中心と下端の中間点より上部を撞く位置の目安としてみることをお勧めします。
そして、手球の真ん中を撞くフォームのブリッジ高さのままキューをストロークさせると、
キューが下向きに入り込むことになり、確実に撞くことが難しくなるとともに、ミスショットで手球をジャンプさせてしまうリスクもあります。
手球を撞く点を下げた分、ブリッジも低く構え、キューのストローク角度を通常時と同じように水平角を保つようにすることがポイントです。
また、フォロースルーも通常時同様に入れることも忘れずに意識してください。
手球と的球の距離、手球をどれだけ戻したいか、などの状況により、与える回転と力加減は変わってきます。
手球を撞く点を少しずつずらして感覚を掴み、自分のストロークにあったポイントを見つけることが重要です。
もう一点注意するポイントとしては、フォロースルーを意識し過ぎると、手球が戻ってきた際にキューにぶつかってしまうリスクがあります。
手球を撞いた後に、キューが当たってしまうとファールとなってしまいますので、手球が戻ってくる前にキューを持ち上げて避けることも必要です。
まとめ
ドローショットを使いこなすと、ビリヤードの戦略の幅が広がり、ゲームを有利に進められるとともに楽しさも倍増します。
何よりも、綺麗に手球が戻ってくるととても気持ちが良く上手くなった気分になれます。
スポーツではなく娯楽で楽しんでいる方々も、ぜひ練習して修得してみてください。