ダイナミックな動きで人々を魅了する「BMX」。
2021年東京オリンピックの正式種目に「BMXフリースタイル・パーク」が追加され、BMXに興味を持った人もいるのではないでしょうか?
そこで、今回の記事では、BMXの魅力やルール、日本の注目選手などをご紹介します。
BMXとは?
BMXとは、Bicycle Motocross(バイシクル モトクロス)を略したもの、またはその自転車のことをいいます。
世界中で人気を集めている自転車競技の一種であるBMX。
その歴史は半世紀前にさかのぼります。
BMXの歴史
1970年代初期に、アメリカの子供たちがモトクロスというオートバイクの競技に憧れ、それをまねたのがBMXの始まりだといわれています。
そして70年代中期には、BMX専用のバイクを用いたレースがアメリカ中で行われるようになりました。
BMXはアメリカだけでなく他の英語圏にも広まり、1982年にはBMXの世界選手権大会が初めて開催されました。
BMXは世界中で人気を集めていましたが、日本ではあまり知られていませんでした。
しかし、1982年に公開された映画「E.T.」にBMXが小道具として登場。
同年には、日本初のBMXフリースタイルチーム「KOMAZAWA FACE DOGS」が結成され、日本でのBMXの認知度が上がっていきました。
2008年には、北京オリンピックのレース競技に追加され、阪本章史さんが日本人初の出場を果たし話題になりました。
そして2017年には、阪本さんが日本初のBMXプロチーム「GANTRIGGER」を立ち上げ、現在は日本でも大人気のスポーツとなりました。
BMXで使用する自転車
BMXで使用する自転車の構造は、20インチの小さなタイヤにリヤブレーキのみ。
BMXの競技によって自転車も異なりますが、マウンテンバイクについている変速機や、
ライトなどはついていない超シンプルな構造となっています。
そして、派手な技やジャンプに耐えられるように、とても頑丈に作られているのです。
気になる価格ですが、一般的なものでだいたい5万円で手に入ります。
プロの方やトリックの性能を高めたい方は、10万円前後のものを購入するそうです。
初心者でどんな自転車を買えばいいか悩んでいる方は、5万円くらいのものをオススメします。
BMXの競技
BMXの競技は、決められたコースを走って速さを競う「BMXレース」と、
さまざまな難易度の技を組み合わせて競う「BMXフリースタイル」の2種類があります。
それぞれの競技の魅力をご紹介します。
速さを競う「BMXレース」
BMXレースは、2008年の北京オリンピックから正式種目に追加されました。
自転車競技のなかでも特に激しいことから、「自転車の格闘技」といわれています。
接触や転倒もあり、とても派手でスリリングなレースが展開されるのが、BMXレースの魅力です。
レースは、高さ8メートルの「スタートヒル」と呼ばれるスタート台から始まります。
勝敗の7割はスタートで決まるといわれるBMXレース。スタートの直前は静寂に包まれ、選手も観客も息を呑む瞬間です。
シグナルと同時に、最大8人が一気に傾斜をかけ降りていき、レースがスタートします。
コースは約400メートル。いくつかの傾斜をジャンプし、「バーム」と呼ばれるコーナーを駆け抜けていきます。
傾斜をジャンプする際の高さやバームを曲がるテクニックなど、とてもダイナミックな動きをするのがBMXレースの見どころです。
レースは30~40秒ほどなので、一瞬も目が離せません。
技を競う「BMXフリースタイル」
技の難易度や構成などを競う「BMXフリースタイル」は、
さらに「ストリート」「パーク」「フラットランド」「ダート」の4種類に分かれています。
「ストリート」
「ストリート」は、街中にある壁や階段、手すりなどを利用して技を出す競技です。
BMXの自転車さえあれば誰でもできるので、BMXフリースタイルの中でダントツ、競技人口が多いそうです。
街中で技を行う際は、安全を確保して行うことが大切です。
「パーク」
「パーク」は、決められたフィールド内で技を出す競技です。
フィールド内には、ジャンプセクションと呼ばれるさまざまな坂や手すりが配置されています。
2021年東京オリンピックの正式種目にも追加され、話題となりましたね。
「フラットランド」
「フラットランド」は、塗装されたエリアで技を出す競技です。
こちらはあまり走らず、自分の体を最大限に使って技を繰り出します。
2018年には、国際自転車競技連合(UCI)の正式種目に追加され、ワールドカップが始まりました。
「ダート」
「ダート」は、土でつくられたジャンプ台やセクションで技を出す競技です。
「パーク」などと比べてアール形状のジャンプ台が中心となっています。
そのためスピードが速く、ダイナミックなジャンプをすることができるのです。
フリースタイルのルールは?
フリースタイルはそれぞれ異なるルールがありますが、共通しているルールもあります。
競技は1分間×2回あり、2回分の平均点で競います。
技の難易度やその完成度、ジャンプの高さなど、いくつかの基準を元に、0点〜99点で採点されます。
フリースタイルは「流れ」が重要となるので、途中で止まると減点されてしまいます。
フリースタイルは、高いジャンプに派手な技を見ることができ、選手によって演技の構成も異なります。
ずっと見ていても飽きない、とても見応えのあるところが、フリースタイルの魅力です。
日本の注目選手
BMXの世界選手権大会やオリンピックに出場をしている日本の選手はたくさんいます。
その中でも注目の選手をご紹介します。
阪本 章史(さかもと あきふみ)選手
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生年月日1982年2月25日 大阪府堺市出身
日本人初のBMX日本代表選手として、2008年北京オリンピックのBMXレースに出場。
その経験を生かし、2017年には日本初のBMXプロチーム「GANTRIGGER」を立ち上げました。
阪本選手は、競技選手としてだけでなく、コーチ業やプロチームの運営など幅広く活躍されています。
長迫 吉拓(ながさこ よしたく)選手
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生年月日1993年9月16日 岡山県笠岡市出身
4才からBMXを始め、9才で世界選手権の日本代表に選出。
長迫選手は、小さい頃からBMXで活躍されています。
日本選手権大会では5連覇、2018年のアジア大会では金メダルを受賞するなど、とても実力のある選手です。
2021年東京オリンピックの日本代表に選出されたので、ますます注目の選手です。
畠山 紗英(はたけやま さえ)選手
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生年月日1999年6月7日 神奈川県寒川町出
お兄様の影響で、2才からBMXを始め、4才でコースデビュー。
2009年のUCI BMX世界選手権大会では、10才ガールズクラスにて初優勝を成し遂げました。
さらに2011年、2012年の世界選手権も優勝をするなど、小さなころからその実力を発揮している選手です。
2021年の東京オリンピックでは、日本女子初の出場をはたしました。
まとめ
今回はBMXの魅力をお伝えしてきました。
BMXはオリンピックの公式種目に追加されたことで、今後ますます人気になってくるでしょう。
日本には魅力的な選手がたくさんいるので、今後の活躍に目が離せません。