野球の変化球の種類って、どれくらいあるかご存知でしょうか。
曲がる方向、曲がり幅や球速によって、いろんな球種がありますが、
野球に詳しくなかったり、初心者だとどうしても違いがわからないですよね。
この記事では、変化球の種類、それぞれの変化球の特徴、得意としているピッチャーについてご紹介します。
変化球の種類(曲がる方向)
変化球の種類は、曲がる方向で分類すると、スライダー、シュート、カーブ、シンカー、フォークの大きく5つに分けられます。
あとは、曲がり幅や球速などによって、ボールの変化が異なるものがあります。
こういった基本的な分類があるものの、細かい球種については明確な定義があるわけではなく、投げた本人がどう主張するかで変化球の名前が決まるのが実情です。
(例えば、高速スライダーとスライダーの違いなど、明確にはありません)
この記事では、基本的な分類、一般的な球種についてご紹介します。
スライダー系
スライダー
スライダーは、右ピッチャーなら右から左へ、左ピッチャーなら左から右へと、横方向に変化するボールです。
高校野球でも使われるくらい一般的な変化球で、多くのピッチャーが使用します。
使い方としては、カウントを取るために使ったり、空振りを取るために使ったりと、幅広い使い方をします。
得意としているピッチャーは、ダルビッシュ有投手、田中将大投手や前田健太投手などが挙げられます。
空振りを取るウイングショットとして使っていますね。
カットボール
カットボールは、スライダーと同じ方向に変化するボールですが、スライダーよりも小さい曲がり幅で、球速が速いボールです。
ストレートに近い球速が出るので、打者がストレートだと思って打ちにきたところを、手元でわずかに変化させ、
バットの芯を外して凡打を打たせるということを狙っています。
得意としているピッチャーは、マリアノ・リベラ投手、山本由伸投手や川上憲伸投手などが挙げられます。
マリアノ・リベラ投手は、カットボールを多投して抑えるという独自のスタイルで、投げるボールの約80%がカットボールでした。
特に左打者の内角のストライクゾーンからくい込んで曲がってくるボールは脅威でした。
極めれば、それだけ多投しても十分勝負できるボールだということですね。
シュート系
シュート
シュートは、右ピッチャー右から右へ、左ピッチャーなら左から左へと、横方向に変化するボールです。
右ピッチャーの例でいうと、右から投げだして右に曲げるボールになるので、左に曲げるよりも回転を与えるのが難しいため、
一般的にはスライダーよりも曲がり幅が小さくなります。
ですので、使い方としては、打者の内角を攻め、詰まらせて凡打を狙うのに使うことが多いです。
得意としているピッチャーですが、現役選手は次に出てくるツーシームを使っている投手が多いようです。
引退した投手では、カミソリシュートの異名のある平松政次投手が有名です。
ツーシーム
ツーシームは、2本の縫い目にそれぞれ人差し指と中指を置いてボールを握り、ストレートのように投げます。
ちなみに、縫い目に直角に指をセットするのが、フォーシーム(ストレート)ですね。
ツーシームはシュートに比べると、打者の手元で少し下に落ちる軌道になります。
メジャーリーグでは主流な変化球で、近年は日本における知名度も上がり有名な変化球になりました。
ツーシームを得意としているピッチャーは、ダルビッシュ有投手、山本由伸投手や黒田博樹投手などが挙げられます。
黒田投手の場合は、左打者に対してインコースから変化してストライクになる軌道でツーシームを投げていました。
これはフロントドアと呼ばれ、日本ではあまり使われていない高度な技術で話題となりました。
これからは日本でも主流になっていくかもしれません。
カーブ系
カーブ
カーブは、右ピッチャーなら右から左下へ、左ピッチャーなら左から右下へと、斜め下方向に変化するボールです。
カーブはスライダーよりも球速が遅く、下に落ちる軌道になっています。
球速が遅いことから、ストレートとの緩急で打者を惑わし、見逃しや空振りを取ることができます。
また、さらに球速を落としてスローカーブとして投げる投手もいます。
それとは逆に球速を上げつつ、鋭く変化させるカーブとして、パワーカーブというものもあります。
カーブを得意としているピッチャーは、岸孝之投手、今中慎二投手や桑田真澄投手などが挙げられます。
打者のタイミングを外して、見逃し、空振りが取れるカーブは大きな武器です。
シンカー系
シンカー
シンカーは、右ピッチャーなら右から右下へ、左ピッチャーなら左から左下へと、斜め下方向に変化するボールです。
利き腕側に曲げて落とすという軌道になるので、シュートと同様に回転をかけるのが難しいボールです。
特にオーバースローの場合は横回転を与えるのが難しいため、主にサイドスローの投手が投げるボールです。
ツーシームとの違いは、ツーシームのほうがストレートに近い軌道から曲がるのに対し、シンカーは球速も遅く鋭く変化するのが特徴です。
シンカーを得意とするピッチャーは、潮崎哲也投手や高津臣吾投手が挙げられます。
いずれもサイドスローで大きく変化するシンカーを武器にしていました。
スクリュー
シンカーと同じような球種にスクリューがあり、明確な定義はないものの、シンカーとは別物だとされています。
違いとしては、スクリューがカーブのように浮き上がって落ちる軌道、シンカーはストレートから沈む軌道、という区別になっています。
スクリューを得意とするピッチャーは、山本昌投手が有名です。
珍しい変化球であるスクリューを武器に200勝をあげました。
フォーク系
フォーク
フォークは、下方向に変化するボールで、人差し指と中指の間にボールを挟んで握ります。
ストレートのような軌道から下に落ちるため、空振りを取るのに有効なボールです。
フォークを得意とするピッチャーは、千賀滉大投手、佐々木主浩投手や野茂英雄投手が挙げられます。
素晴らしいストレートと大きな落差のフォークを組み合わせて三振の山を築いていますね。
また、フォークはコントロークが難しい球種ですが、
上原浩治投手は、カウントを取るフォークと三振を取るフォークを使い分けるという高度な投球術を使っていました。
スプリット
スプリットは、スプリット・フィンガー・ファストボール(SFF)の略です。
フォークに比べると、球速が速くて落差が小さいのが特徴です。
カットボールのように、ストレートの軌道から打者の手元で少し落ちるため、芯を外して凡打を狙うことができます。
このボールもカットボールと同様に、だんだんと使う投手が多くなってきています。
スプリットを得意とするピッチャーは、大谷翔平投手や田中将大投手が挙げられます。
いずれも140km/hを超える速いボールで落ちる軌道になるので、打者にとっては厳しいボールになっています。
チェンジアップ
チェンジアップは、ストレートと同じ腕の振りから沈み込むような抜いたボールを投げるという変化球です。
変化球といえば、日本ではカーブが有名ですが、アメリカではチェンジアップを初めに覚えるなど、主流な変化球の一つです。
ストレートと同じ腕の振りであるため、緩急によって打者のタイミングをずらすことができます。
ただし、コースが甘かったり、読まれてしまったりすると、力のないボールであるため、長打を許すリスクもあります。
チェンジアップを得意とするピッチャーは、山岡泰輔投手や前田健太投手が挙げられます。
前田健太投手は、日本ではスライダーを武器にしていましたが、メジャーではチェンジアップを磨いて、メジャーの強打者を抑えています。
ナックルボール
ナックルボールは、無回転となったボールが揺れながら不規則に落下するという非常に珍しい変化球です。
無回転のボールを投げるために、指を突き立ててボールを握り、突き出すようにボールを投げます。
無回転で不規則に変化するため、投げた本人やキャッチャーも予想不可能という特殊なボールです。
ナックルボールを得意とするピッチャーは、ティム・ウェイクフィールド投手が有名です。
試合では、ほぼナックルボールを投げ、なんと200勝を挙げています。
まとめ
今回は、「野球の変化球の種類」についてご紹介しました。
これで、変化球の種類やそれぞれの特徴をおさえることができたと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。