野球の中で最も魅力的なプレーは「ホームラン」ではないでしょうか。
試合を決める一振り、流れを変える一撃、勢いをつける一打。
そんなホームランを何十本、何百本も打つバッターに共通して言えることは、フォロースルーが大きいことです。
では、なぜフォロースルーが大きい方がホームランを打てるのか、
フォロースルーを大きくするにはどんな練習をした方がいいのか。
誰もが憧れるホームランバッターのフォロースルーについて見ていきましょう!
フォロースルーとは?
そもそもフォロースルーとは何でしょうか?
フォロースルーというのは、
バッティングスイングの中で、「ボールが当たってから振り切るまでの間」のことを言います。
よく振り切ることをフォロースルーというように勘違いしてしまうので、
ミートしてから振り切るまでの間ということに注意しましょう。
では、なぜ打球を捉えた後のフォロースルーが大切なのでしょうか?
打球を遠くに飛ばすためには、
より強い力をバットからボールに伝え、投手が投げるボールの勢いを押し返さなくてはいけません。
その力を伝えるために大切なのがフォロースルーなのです。
フォロースルーが大きいプロ野球選手
初めに、参考例としてプロ野球選手の中で大きなフォロースルーで、打球を飛ばす選手をあげてみます。
やはり調べていても長距離バッターは共通して大きなフォロースルーを持っていて、打球の伸びが違うように感じました。
球界屈指の長距離ヒッターが並ぶので是非参考にしてみてください。
吉田正尚(オリックス・バッファローズ)
フォロースルーを語る上では外せない選手の一人が、今季25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス・バッファローズの主砲「吉田 正尚」選手。
スイング時のボールを打つまでのスイング始動とボールをミートしてからのフォロースルーの大きさが、映像だけでも見て取れます。
このフォロースルーで、バットのヘッドが寝ずに、腕の筋肉が伸びた状態で押し出せているからこそ、
ボールに押し負けず振り切ることが出来ています。
鈴木誠也(広島東洋カープ)
東京オリンピック日本代表でも4番を打った、球界屈指のスラッガー「鈴木誠也」選手。
ステップを大きく踏み込まず、ボールを引き付けて体の中で捉えるようなスイングですが、やはりフォロースルーでの押し込みが力強いです。
身体のブレが少ない分高い打率をたたき出すことが出来、大きなフォロースルーで飛距離を出すことが出来る至高の域に近いバッターですね。
ちなみに、筆者がオールスターや侍ジャパンの試合を見に行った際の打撃練習で一番飛ばしていたのは鈴木誠也選手でした。
大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)
3人目は今季大活躍の二刀流「大谷翔平」選手。
こちらの参照動画では、日本ハム時代のスイングと比較しており、ホームランが増えた2021年シーズンのフォロースルーの大きさが分かります。
バットを放り投げそうなくらい、バットのヘッドが走っていて、腕とバットが一直線になるくらい伸筋を使ったスイングをしています。
インコースでも身体の回転がある中で、前は大きいスイングになっているためファールにならず捉えることが出来ています。
フォロースルーが大きいことのメリット
ここまで、フォロースルーが大きい選手を紹介してきましたが、フォロースルーが大きいことによってどんなメリットが生まれるのでしょうか?
大きく2つのメリットがあり、バッターにとって大切な能力になってきます。
ここで事前に注意しておいてほしいことは、バッティングにおけるフォロースルーはあくまで動作の一部であり、全てではありません。
フォロースルーを完璧にしたからと言って、必ずしも打てるようになるとは限らず、
タイミング等他の要素も必要になってくることを理解しておいてください。
ボールに押し負けない
ピッチャーが投げてくる球は、力がこもった球が投げられ、良いピッチャーになるほど簡単に打ち返すことはできません。
バッターはその球を打ち返すために、力強く鋭いスイングをする必要があります。
フォロースルーが小さいことにより、バットに伝わる力が小さく、単純に力と力のぶつかり合いで押し負けてしまうことが考えられます。
力強く鋭いスイングをするために、フォロースルーは大切になります
打球の飛距離アップ
フォロースルーを大きくすると、飛距離がアップする理由は使う筋力が大きくなるからです。
腕を曲げている時よりも、伸ばしている時の方がより強い力を伝えることが出来ます。
さらに曲げている筋肉を伸ばす瞬間が最大筋力を発揮できるため、
この伸ばす瞬間にミートし伸びている筋力を高い状態をキープすることでボールに力が伝わり打球が遠くに飛んでいきます。
フォロースルーを大きくするための練習法
フォロースルーを大きくすることで、バッティングに力強さが増し、パワフルになることをお伝えしました。
では、そのパワフルさを身に付けるためにどんな練習法が必要になるか見ていきたいと思います。
フォロースルーを意識していくと、今までのバッティングの考え方と異なる部分が出てきます。
スイングを見ると派手なスイングになるため、コンパクトには見えません。
大振りと見えてしまうので、そこも含めて既存のバッティングの考え方を一度おいておくことも必要になるかもしれません。
伸筋バッティング
こちらの練習法は、身体の筋肉を伸ばすことを意識した打撃練習になります。
先程も述べた通り、筋肉は曲げているところから伸ばした時に最大筋力を発揮します。
イメージとしては、陸上のハンマー投げをするくらい脚、腕、全身の筋肉を伸ばしてスイングをしてみます。
振り切った後には自然と、片手で振り切るくらいの勢いになり身体が耐え切れなくなると思いますが、
それくらいいつも以上に力が発揮されていることになります。
放り投げ練習
こちらはスイングではなく、重量のあるものを遠くへ放り投げる練習です。
例えばメディシンボールなどの重さがあるものを、様々なフォームで遠くへ放り投げます。
フロントスロー、バッグスロー、サイドスロー、スイングと類似した動きなど様々な方法で投げてみます。
その際に下半身から上半身へ力を伝え、筋肉が伸びる瞬間を意識することが大切です。
まとめ
野球のフォロースルーについてまとめていきました。
やはり飛ばすバッターになるためには、大きなフォロースルーが欠かせないと思います。
大きなフォロースルーを得るためのトレーニングは大変厳しく、
かなり身体にも負担がかかると思いますが、
身に付けることで大きな変化があると思います。
長距離ヒッターのようなフォロースルーを身に付けて、ホームランを量産してください!