テニス界の金字塔、「ゴールデンスラム」とは?たった4人の達成者は

テニス界における偉業、ゴールデンスラムという言葉を聞いたことはあるでしょうか。

ゴールデンと何やらきらびやかですごそうなものに聞こえるかもしれませんが、事実、名前に負けない素晴らしい記録です。

この記事ではゴールデンスラムとは何か、これまでどんな人が達成してきたのかをご紹介します。

まずはグランドスラムを知る

ゴールデンスラムについて理解するには、まずグランドスラムというものを知る必要があります。

グランドスラムとは、全豪オープン、全仏オープン、全英オープン(ウィンブルドン)、全米オープンの世界四大大会の総称です。

また、これら全ての大会を制覇すること、その記録そのものをグランドスラムと呼ぶこともあります。

それでは、それぞれの大会の特徴を見ていきましょう。

全豪オープン(オーストラリアンオープン)

毎年1月にオーストラリアのメルボルンで開催されます。

南半球に位置するオーストラリアの1月は猛暑に見舞われ、選手にとっては過酷な環境となっています。

その年の最初のグランドスラムという事もあり、ファンにとっては待望のトーナメントと言えるのではないでしょうか。

サーフェスは鮮やかなブルーのハードコートとなっており、観客には爽やかな印象を与えてくれます。

全仏オープン(フレンチオープン)

フランス、パリで5月から6月にかけて開催される全仏オープンは、グランドスラムで唯一のクレーコートの大会です。

ハードコートに次いで2番目に大会数の多い、クレーコートの特徴はラリーの長さです。

レンガの粉でできたクレーコートでは球足が遅くなるため、他のコートに比べてラリーが続きやすくなります。

そのため選手たちも普段とは異なる戦術でプレーするので、同じ選手でも違った見方をできるかもしれません。

全英オープン(ウィンブルドン)

四大大会の中でも最も権威があるとされるのが、この全英オープンです。テニスをよく知らない方でも一度は、

ウィンブルドンという単語を聞いた事があるのではないでしょうか。

伝統と歴史を持つこの大会はテニス界の聖地とも言われ、他の大会とは異なる雰囲気を持っています。

大きな特徴の一つとして、選手たちはプレーする際に必ず全身白のウェアを着なければいけません。

サーフェスは天然芝でできたグラスコートで、ボールが弾まずに滑るのが特徴です。

クレーコートとは反対に、非常に早い展開で試合が進んでいくため、テニスのスピード感を味わうことができます。

全米オープン(USオープン)

その年のグランドスラムを締め括るのがアメリカ、ニューヨークで8月に開催される全米オープンです。

大坂なおみ選手が日本人として初めてシングルスで優勝したグランドスラムとして話題になりました。

サーフェスは全豪オープンと同じハードコートですが、コートの線の内側がブルーで外側がグリーンと配色が異なります。

眠らない街、ニューヨークでの大会は他のグランドスラムとは異なった、祭りのような盛り上がりを感じることができるかもしれません。

ゴールデンスラムとは

グランドスラムについて知ったところで、いよいよゴールデンスラムです。

ゴールデンスラムとは、上記のグランドスラム4大会に加えて、オリンピックを制覇することを指します。

世界最高峰のトーナメントであるグランドスラム4大会全てを制覇することでさえ非常に難しいのは言うまでもありません。

それに加えて4年に1度しか開催されないオリンピックで金メダルを取るのは至難の業です。

グランドスラムと違い、開催国によってサーフェスが異なるというのもオリンピックの難しさです。

ゴールデンスラム達成者

ゴールデンスラムがどれほどの偉業かをご理解頂けたかと思います。

ちなみにグランドスラム制覇を達成したのは男性で8人、女性で10人のみです。

その中からさらにオリンピックまでも制覇した4人の選手を紹介します。

ラファエル・ナダル

まず一人目はラファエル・ナダルです。独特なフォームから繰り出される強烈なトップスピンを武器としています。

彼は史上最高の選手という呼び声も高いBIG3の一角です。

(ナダルに加えて、ロジャー・フェデラー、ノバク・ジョコビッチの3人をBIG3と呼びます。)

グランドスラムの一つの全仏オープンにおいて彼は無類の強さを誇り、なんと13回も制しています。

他のクレーコートの大会においても圧倒的な記録を持つ彼についた愛称がクレー・キングです。

そんなナダルが制したのが2008年の北京オリンピックです。

同大会はハードコートで試合が行われましたが、クレーコート以外での実力を証明する大会の一つとなりました。

セリーナ・ウィリアムズ

続いて紹介するのがセリーナ・ウィリアムズです。彼女もテニス界のレジェンドとして知られる存在です。

男性顔負けのパワーテニスが特徴で、その力強さはファンを魅了し続けています。

彼女の凄さは、シングルスにおいても、ダブルスにおいてもゴールデンスラムを達成している点です。

同じテニスという競技といえど、シングルスとダブルスという2種目においてこの偉業を達成してしまうのは恐ろしい強さですね。

ちなみにダブルスにおいては、実の姉のビーナス・ウィリアムズと組むことが多く、姉妹で世界を制しています。

アンドレ・アガシ

3人目はアメリカ、ラスベガス出身のアンドレ・アガシです。

2006年に引退しましたが、グランドスラム8勝、世界ランキング1位を経験しており、歴史に名を残しています。

プレーの特徴として、ライジングショットと呼ばれる、球が弾んでからすぐに打つストロークを得意としていました。

実はアガシは、ゴールデンスラムのさらに上のスーパースラムという記録も持っています。

スーパースラムとは、四大大会、オリンピックに加えて、1年の最後に開催されるツアーファイナル(年間最終戦)の全てを制する記録です。

男子においては、彼だけが唯一達成している大記録になります。大きな大会での勝負強さが垣間見えますね。

シュテフィ・グラフ

最後に紹介するのが、シュテフィ・グラフです。実はグラフとアガシは夫婦で、レジェンド同士のカップルとして知られています。

彼女はフォアハンドを武器にシングルスで900勝も挙げ、数々のタイトルを手にしました。

グランドスラムにおいては22勝、かつそれぞれの大会で少なくとも4勝ずつあげており、コートを選ばない強さがあると言えるでしょう。

そして、男女を通じてグラフだけが持つ記録が「年間ゴールデンスラム」です。

1988年にグランドスラム4大会、ソウルオリンピック全てを制して達成されました。

キャリアを通して達成する事さえ奇跡的なゴールデンスラムを、1年だけで達成してしまうなんて言葉が出ないですよね。

まとめ

ここまで、ゴールデンスラムとその達成者について紹介してきました。

信じられないような大記録であることがお分かりいただけたかと思います。

他にも、テニス界にはたくさんの偉大な記録もありますので、気になった方は調べてみてください。

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