ランニングを始めてからまもない初心者ランナーにとって、走れる距離が徐々に長くなっていくのは楽しいものです。
歩かずに10kmほど走りきれるようになったレベルのランナーの次の目標は、ハーフマラソンへの出場ではないでしょうか。
フルマラソンの半分とはいえ、21kmという距離も充分な長距離です。
ハーフマラソンを走り切ることは、ランナーとして一つの達成の証といえるでしょう。
そんなハーフマラソンですが、国内の主要大会ではほとんどのレースで制限時間が設けられています。
ゆるい大会であれば3時間、やや厳しめの大会では2時間30分の制限時間が設定されており、
初心者にとってはこの2時間30分という制限時間は壁になります。
普段、趣味程度に軽いジョギングをしているだけというランナーは、ハーフマラソンを2時間30分で走り切ることは「きつい」と感じるはずです。
2時間30分以内に完走するためには、相応のトレーニングが必要といえます。
今回は、ハーフマラソンを2時間30分以内に完走するための練習について、見ていきましょう。
ハーフマラソン2時間30分はどれぐらいのペース?
ハーフマラソンの目標タイムが2時間30分の場合、1kmの平均ペースは「7分8秒」です。
普段からラップタイムを気にしない方にはピンと来ないかもしれませんが、
50メートルに換算するとおよそ「21秒」という、ゆっくりとしたペースです。
普段から軽いジョギングをされている方であれば、そこまで速いと感じるペースではありません。
5km程度なら会話をしながらでも気持ちよく走りきれるランナーがほとんどかと思います。
たまに、まったくのランニング未経験の芸能人がフルマラソンに挑戦している企画がテレビでありますが、
その際もおおよそこれぐらいのペースで走っている感覚です。
ハーフマラソンの平均タイムは?
日本ハーフマラソンランキングにて、男女別の平均完走タイムが発表されています。
こちらは2018年1月〜12月に開催された加盟大会113大会の結果を集計したものです。
平均タイムは男性が1時間56分42秒、女性が2時間14分53秒となっています。
このように、ハーフマラソン2時間30分は決して「速いタイム」ではなく、初心者が目指すには丁度いいタイムといえるでしょう。
ハーフマラソン2時間30分がきついと感じる理由
ハーフマラソン2時間30分は決して速いタイムではないとお伝えしましたが、
それでも「きつい」と感じる場合はどのような原因が考えられるでしょうか。
様々考えられますが、一番はスタミナ不足が挙げられます。
もう少し詳しく言い換えると、「長い距離を走るための身体に仕上がっていない」といえます。
普段、30分間だけのジョギング、または5kmだけのジョギングといった、
ハーフマラソンと比べて短い時間・距離しか走っていないランナーがいきなり15kmも20kmも走ろうとすると、どうなるでしょうか。
体型や年齢で個人差がありますが、
・フォームの崩れ
・(時期によっては)熱中症や脱水症状
・「あと○kmもある」という悲観的思考
・走り終えた後の筋肉痛
などが起こります。
いきなり普段の運動量の3倍も4倍も走ろうとするのですから、身体が悲鳴を上げるのも当然ですよね。
ハーフマラソンの2時間30分切りが「きつい」と感じられる方は、このようなつらい経験から来るものではないでしょうか。
ハーフマラソン完走の効果的な練習
では、余裕を持ってハーフマラソンを走り切るために、どのような練習が効果的か見ていきましょう。
といっても、目標タイムが2時間30分であれば、スピード練習や筋トレのような補強運動は一切必要ありません。
取り組むべきことはただ一つ、「ゆっくり長い時間走ること」です。
普段のジョギングより更にゆっくりでもよいので、長い時間走る練習をしてみましょう。
目安は、最低でも90分以上走る日を週に1日設けること。
初めのうちは、ウォーキング30分+ラン60分など、歩きを交えても問題ありません。
90分以上、継続して動き続けることが大事なので、距離やペースも気にしなくて良いでしょう。
これにより、精神的にも体力的にも長く走ることへの耐性をつけていく事ができるのです。
このようにゆっくりと長い距離を走ることを「LSD(Long Slow Distance)」と言い、ハーフマラソンはもちろん、
フルマラソンでも後半の失速を抑えるための最も効果的な練習となります。
事前に本番の環境が想定できる
練習で長く走ることのメリットはこれだけではありません。
本番に近い時間、あるいは距離を練習で事前に走っておくことによって、本番でやりたいことのテストができます。
例えば、補給もその一つです。
ハーフマラソンの大会は、コース上に給水はありますが、給食は置いていない大会がほとんどです。
初心者のうちは2時間以上走り続けることになりますので、エナジージェルのような給食を一つ携行しておくことをおすすめします。
単にエネルギー補給の目的のみならず、レース中の気分転換にもなります。
エナジージェルは甘すぎるものや携行するには大きすぎるものなどありますので、
普段の練習で自分に合うものをあらかじめ試しておくと良いでしょう。
他にも、「本番では上着を着て走る予定だったが、練習で着て長い時間走ってみたら思ったより暑かった」といった、
本番では避けたい想定外のトラブルも経験しておく事ができます。
効率の良いフォームを意識する
ハーフマラソンを完走するために最も大事なことは練習で長い時間走ることですが、普段の短いジョギングでも見直すべきポイントはあります。
それは、効率の良いフォームで走ること。
日本人ランナーの傾向として、肩が前に出て、猫背のような前のめりのフォームで走られてる方が多いようです。
これですと、重い頭を体の中心ではなく首と肩の筋肉で持ち上げている状態になりますので、非常に肩が懲ります。
また、胸を張れていないため、呼吸も浅くなり、ランニング中に呼吸が苦しくなる原因にもなってしまうのです。
胸を張り、肩を開くイメージで走ると、長時間でも疲れにくくなりますし、何より見ていてかっこいいフォームで走ることができます。
おすすめは、もし好きなマラソン選手がいる場合は、その選手のフォームを意識して走ることです。
たとえスピードや体型が異なっていても、常にその選手のフォームを頭に思い描きながら背筋を伸ばして走ることで、
自身が「デキるランナー」になった気分で気持ちよく走ることができますよ。
まとめ
ハーフマラソンで2時間30分以内で走るための練習についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
初めてハーフマラソンを完走した後は、達成感でいっぱいのはずです。
同時に、新しい目標も見えてくるかもしれません。
更にタイムを縮めて2時間切りを目指しても良いですし、練習で長い距離を走ることに抵抗がなくなったら、フルマラソンにも挑戦できるでしょう。
ランニングを継続して楽しめるような目標を持ち続けられると良いですね。
強くなった未来の自身の姿を想像して、今後も練習に励んでいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。