ベップの愛称で親しまれているスペイン出身のジョゼップ・グアルディオラ。選手時代から数多くの実績を生み出し、監督としても数多くのタイトルを獲得してきました。
グアルディオラのサッカー哲学は、各方面に多大な影響を与え続けていて、哲学から生み出される名言は、サッカー選手だけではなく、
ビジネスや日常生活のお手本ともなります。
ジョゼップ・グアルディオラから生み出された多くの名言を厳選して紹介し、グアルディオラのサッカー哲学についても詳しく紹介していきます。
ジョゼップ・グアルディオラのサッカー人生
ジョゼップ・グアルディオラは、スペインのカタルーニャ地方で生まれ、13歳からスペインの名門クラブFCバルセロナの育成組織カンテラに入団します。
1990年にトップチームデビューを果たし、以後17年間バルセロナの中心選手として活躍してきました。
グアルディオラが在籍していたFCバルセロナは、故ヨハン・クライフ氏を筆頭にワールドクラスのプレイヤーが集結しており、
正にドリームチームと言われていた時代でもあります。
FCバルセロナ黄金期で活躍したグアルディオラは主将も務め、国内外含めて16個ものタイトルをチームにもたらしました。
FCバルセロナ最高のミッドフィルダー
FCバルセロナで中心選手として活躍していたグアルディオラは、FCバルセロナの花形ポジションと言われるピボーテでプレイし、多くの選手に影響を与えました。
後のFCバルセロナ黄金世代の中心メンバーでもあったシャビ氏や、現ヴィッセル神戸で活躍しているイニエスタ選手もグアルディオラに憧れてサッカーを始めたというエピソードはあまりにも有名です。
FCバルセロナ退団後は、セリエAのブレシアやローマ、カタールのアル・アハリでプレイし、2006年メキシコのリーガMXを最後に現役を引退しました。
選手と監督でチャンピオンズリーグ制覇
現役引退後、2007年にFCバルセロナBの監督に就任したグアルディオラはめきめきと頭角を現し、2008年にFCバルセロナのトップチームの監督に就任します。
カンテラ出身の若手選手を積極的にトップチームへと昇格させ、初年度からリーガ・エスパニョーラ制覇という偉業を成し遂げます。
そして、ゼロトップシステムやパスサッカーの完成形を創り出し、リーガ・エスパニョーラ3連覇を達成しました。
FCバルセロナの監督退任後はドイツブンデスリーガの名門チームバイエルンミュンヘンの監督に就任し、
史上6人目となる選手と監督両方でUEFAチャンピオンズリーグ優勝という偉業も達成しました。
マンチェスターシティで記録達成
バイエルンミュンヘンの監督を退任したグアルディオラは、イングランドプレミアリーグのマンチェスターシティの監督に就任します。
FCバルセロナやバイエルンミュンヘンで培ってきたポゼッションシステムをベースにした5レーンサッカーでプレミアリーグを席巻し、
次第に戦術を言語化するようになります。
そして、不安材料でもあった守備も安定度が増し、2017~2018シーズンにはプレミアリーグ新記録となる15連勝、クラブ新記録となる22試合無敗、
そしてプレミアリーグ初の合計勝ち点100という記録も達成しました。
ジョゼップ・グアルディオラの名言
普段は寡黙で頑固なサッカー職人というイメージのジョゼップ・グアルディオラですが、サッカーの戦術や哲学を言語化し、
多くのサッカー選手や現役監督に影響を与えています。
そして、サッカー哲学を用いた名言も数多く生み出され、サッカー以外のスポーツやビジネス、私生活においてもグアルディオラの名言が注目されるようになりました。
グアルディオラから生み出された名言の数々を、厳選して紹介していきます。
私はティキ・タカが嫌いだ
スペインサッカーと言えば早いパス回しのティキ・タカが有名で、グアルディオラが生み出したとも言われていますが、
グアルディオラはティキ・タカが嫌いという驚くべき名言を生み出しています。
ただ、早いパス回しでは意味がなく、相手から主導権を奪いゲームを支配するのがパスの目的であるという考えを示しています。
グアルディオラから生み出されたパスサッカーの名言は多くのチームに影響を与え、パスの手数を多くするスタイルから、
素早く少ないパスで相手ゴールに迫る戦術を採用するチームが増えてきました。
楽しい笑顔が生まれる環境ほど、物事が成功しやすい
寡黙で頑固職人で、メディアではめったに笑顔を見せないグアルディオラですが、実は笑顔の絶えないチーム作りを常に意識しています。
時には緊張感を持つことも大切ですが、少しのことで笑ったり、笑顔で毎日を過ごしていたほうが精神的にも余裕が生まれ、
様々なアイデアや目標達成の道のりが示しやすくなります。
サッカーだけではなく、ビジネスや恋愛においても胸に響くグアルディオラの名言です。
サッカーはボールが走るのではない、選手が走るのだ
グアルディオラは、「一番早いドリブルはパスだ」、という名言を生み出しています。
この言葉が独り歩きしてしまって、手数の多いパスサッカー戦術を採用してきたチームも多くありますが、実はドリブルより早いパスの名言には続きがあります。
パスを素早く出すには、まずパスの受け手に正確に渡さなければいけません。
しかし、パスの受け手もディフェンダーの嫌がるポジションや、マークをはがしやすいポジション、連携が崩れやすいポジションに素早く入り込む必要があります。
効果的なポジションに素早く入り込むには、相手よりも早くそして多く走り、多彩なポジションにつかなければいけません。
無駄な走りをせず、素早く戦況を察知して、効果的なポジションにいればこそ一番早いドリブルがパスになるという名言の意味が生きてきます。
グアルディオラの哲学
グアルディオラの名言から生まれた背景には、独特のサッカー哲学とアイデンティティがあり、現代サッカーの戦術の見本となってサッカー界をけん引しています。
グアルディオラの名言は、グアルディオラのサッカー哲学を学ぶと、より深い名言の意味を知ることができるでしょう。
ここからは、現代サッカーの立役者グアルディオラのサッカー哲学について詳しく解説していきます。
5レーンサッカー
グアルディオラのサッカー哲学の代名詞と言えば5レーンサッカーでしょう。
有名漫画「アオアシ」の主人公、青井葦人が所属する東京シティ・エスペリオンも5レーンサッカーを導入しています。
ピッチを縦に5分割し、常に選手間でトライアングルを形成することによって、攻撃や守備でも数、質、配置ともに優位に立てるという理論です。
トライアングルを形成しながらゴールまでの道筋を逆算する戦術は大きな反響があり、Jリーグチームでも5レーンサッカーを用いるチームが増えてきています。
徹底的な自己管理
グアルディオラは自分にも他人にも厳しいことで有名です。集合時間に遅れないことはもちろんですが、食事や私生活においても選手一人一人に厳しい要求をしています。
特にチーム規律を大事にしており、キャンプ中にスマートフォンを没収したり、全員が揃うまで食事はしないなど管理を徹底しています。
また、選手の意見は聞いても議論をしないことでも知られており、数多くの名プレイヤーと対立していたことはあまりにも有名です。
巧みな人心掌握術
選手には、常に厳しい要求をしているグアルディオラですが、メディアの前で選手を名指しで批判した事は一度もありません。
更に、選手との対話を重視しており、悪童と言われた元フランス代表のサミ・ナスリ氏もグアルディオラの言うことだけは聞いていたというエピソードがあります。
更に、巧みに人心掌握をして選手をコンバートされることで、違う適正を見出す能力に秀でています。
リオネル・メッシ選手やケビン・デ・ブルイネ選手、フィリップ・ラーム氏もグアルディオラのコンバートによって、世界屈指の名プレイヤーに成長しました。
まとめ
選手としても監督としても一流の道を歩み続け、サッカー界の前を常に歩き続けているジョゼップ・グアルディオラ。
グアルディオラの哲学はサッカー界に革命を起こし、更にグアルディオラを倒そうと、多くの監督やチームが打倒グアルディオラに燃えています。
進化を続け、サッカーをより面白くさせているグアルディオラのサッカー哲学。グアルディオラの名言を見ていきながら、
彼の哲学に酔いしれてヨーロッパサッカーを楽しみましょう。