サッカー界では、未来のプロサッカー選手を育成するために様々な取り組みを行っています。
Jクラブが主導で行っているユースプログラムが有名で、Jクラブだけではなく、中小規模の街クラブでも各年代に分けて育成に力を入れています。
昔は小学生年代であるスポーツ少年団や、中高生年代では部活動が主でしたが、ユースプログラムで育成の間口が広がったことによって、
新たな才能の発掘も可能となりました。
今回は、ユースプログラムの一つである中学生年代のジュニアユースについて紹介していきます。
ユースプログラムに参加するには、保護者の理解や協力が必要不可欠となってきますが、
その中でも保護者の方が最大に悩むことの一つ、ジュニアユースにかかる費用について詳しく解説していきます。
サッカーのジュニアユース
ジュニアユースは、中学1年生から3年生までで構成され、中学1年生の入学時から3年生の夏頃まで、
ライセンスを保持したプロのコーチの指導を受けて練習や試合を重ねていきます。
Jクラブの多くはJリーグでプレイ経験がある元プロの方がライセンスを取得して指導にあたりますが、街クラブでも元Jリーガーが指導している場合もあります。
しかし、いくら育成年代のカテゴリーとはいえ、誰でもジュニアユースに参加できるわけではありません。
ジュニアユースは、高校生年代であるユースチームの登竜門に当たるため、少数精鋭で運営しているクラブがほとんどです。
ジュニアユースに参加ができるまでの道のりについて解説します。
小学生から参加しよう
ユースプログラムでは、小学生から参加を認めているクラブが多く、早い所では幼少年代から参加を募集しているクラブがあります。
小学校低学年までは、定員内であれば月謝や会員費などを払うと、誰でも参加が可能です。
しかし、ジュニアユースからは、トップチームと同等の内容で練習プログラムを組んでいるクラブが多くなり、練習や試合で通用する技術や体力が必須となります。
小学生年代から参加をしていれば、ジュニアユースで通用する技術や体力を個人個人でカリキュラムを組んで指導していくため、非常に有利に働きます。
更に、小学生から一緒に練習や試合をしてきた仲間と一緒にジュニアユースに上がるため、人間関係での不安もないでしょう。
セレクションに合格しよう
小学生からジュニアユースにカテゴリーを上げるために、各クラブが用意しているテスト、セレクションに合格しましょう。
早いところでは、密度の濃い育成を行うために小学校3年生、4年生の時点でセレクションを開催しているクラブもあります。
セレクションの内容はクラブによって変わりますが、基礎体力測定やボールの扱い、ミニゲームを中心に選手の合否を判定していきます。
各小学校のスポーツ少年団からジュニアユースのセレクションを受ける選手もいますが、合格する選手は極めて稀です。
全国大会でベストイレブン級の活躍をする、小学生年代の日本代表に選出される、スカウトを受けるでもない限り、
セレクションに合格する確率はゼロに近いと考えて良いでしょう。
ジュニアユースのセレクションにかかる費用は無料のクラブがほとんどですが、有料のクラブでも約1,000円から約3,000円までと、
比較的安い費用でセレクションに参加できます。
文武両道は絶対条件
ジュニアユースのセレクションを受けて見事合格し、ユース昇格のために日々練習に励みましょう。
しかし、ジュニアユースは中学生年代ですから、当然義務教育期間中となります。
義務教育は勉強が本文となりますので、ジュニアユースにばかり時間をかけて勉強がおろそかになるようなことは決してあってはなりません。
過去には、ジュニアユースでサッカー漬けにしたために各教科赤点だらけの選手がでてしまい、学校や教育委員会から苦情を受けたクラブもあります。
ジュニアユースでは勉強に力をいれているクラブも非常に多く、講師を雇ったり、
一定基準の成績を下回った選手は練習に参加させない厳しい取り組みを行っているクラブもあります。
ジュニアユースにかかる費用
大事なお子様が見事ジュニアユースに合格したら、保護者の方が一番頭を悩ますのが費用面、お金です。
現在は、自宅からジュニアユースの練習場に通う選手が多いので、寮費などの費用面については問題ありませんが、
ユニフォーム代や月々にかかる費用についてはぜひ知っておきたいところです。
ジュニアユースチームの多くは、Jクラブや街クラブなどの民間企業が運営している場合が多いので、
公立中学校などの部活動にくらべて費用がそれなりにかかってきます。
ジュニアユースにかかる主な費用とランニングコストについて解説します。
初期費用がかかる
ジュニアユースに昇格したら、まずはクラブが指定しているユニフォームやトレーニングウェアなどを購入する必要があります。
ユニフォーム代やトレーニングウェアの費用はクラブによって変わりますが、平均して約10万円ほどの費用が発生するクラブがほとんどです。
更に、年会費や月会費を請求してくるクラブもありますので、クラブに入団する小学生時点で費用面を確認することをおすすめします。
送迎などのガソリン代も必須
ジュニアユースの練習時間は、平日は学校が終わった後に練習を開始しますので、練習終了時間は夜間です。
現在は食育プログラムを実施しているクラブも多いため、練習終了後に食事を食べてから解散した場合、更に帰りが遅くなります。
夜間で、しかも一人の帰宅は危険なので送迎を実施しているクラブもありますが、大半は保護者の方が送り迎えをしています。
練習日の送迎時に消費するガソリン代などを費用面に加えることも必須です。
年間で約30万ほどかかる
ジュニアユースのチームは、練習試合を近隣の中学校と組むことはほとんどありません。
ほとんどが提携しているクラブや強豪クラブを相手にしますので、県外など遠方での試合が主になります。
そのため、遠征費用や夏休みの合宿費用も支払う必要があります。更にリーグ戦やカップ戦などの公式戦もありますので、試合にかかる費用も計算に入れておきましょう。
身体が大きくなり、ユニフォームを新しくするなどの費用も考慮すると、ジュニアユースで1年間にかかる費用は平均で約30万円必要となります。
部活動とジュニアユースの違い
ジュニアユースチームでプロのコーチから指導を受けると、選手の成長が変わってきます。
中学校の部活動でも同様のケースが存在しますが、中学校の部活動とジュニアユースとでは何が違うのか、詳しく解説していきます。
部活動は誰でも入部できる
中学校の部活動は、教育の一環として活動していますので、入部は誰でも可能です。
ジュニアユースとは違い、ユニフォームやトレーニングウェアも団体で注文しますので、ジュニアユースと比較すると初期費用は安価で済みます。
月々にかかる費用も、飲み物代などの積立金や試合会場までの交通費以外請求されることはほぼありませんので、
年間にかかる費用はジュニアユースに比べて半分以下で済ますことができます。
芝生と土の違い
ジュニアユースは、トップチームと同じグラウンドを使用しますので、当然芝生で練習をします。
しかし、中学校はよほどの強豪チームか設備が整っている私立の中学校でない限り土のグラウンドで練習するのがほとんどです。
土のグラウンドは芝生と比べて怪我のリスクが高くなってきます。特にゴールキーパーはダイビングの着地で怪我をするパターンもありますので、
選手の成長と怪我のリスクを考えたら、ジュニアユースに分があるでしょう。
指導者も違う
ジュニアユースチームのコーチは、専門の機関で講習と受験をクリアしたライセンス保持者が選手の指導にあたります。
従って、効率的に技術や体力を向上させるスペシャリストが揃っているため、安心してお子様を預けることができます。
中学校は、普段学校で教壇に立っている学校の先生が顧問になりますが、指導者のライセンスを保持している顧問は極めて稀です。
昔ながらの方法で指導している顧問や、精神論や根性論ばかりで具体的な技術を教えない、もしくは知らない顧問、体罰などが日常化している顧問もいます。
中学校の部活動でサッカーを選択する場合は、先輩保護者や学校関係者に情報を得ることも必要となってきます。
まとめ
日本サッカー界の発展に寄与しているジュニアユース。育ち盛りのジュニアユースで活躍し、後の日本代表にまで成長した選手は多くいます。
ジュニアユースから躍進を遂げた陰には、保護者の方の支えと費用があったことを忘れてはいけません。
決して安くはないジュニアユースの費用。才能あるお子様への投資として、成長を祈願して費用の捻出をぜひご検討ください。