世界最強リーグと名高いスペインサッカーリーグ「リーガ エスパニョーラ」。
世界トップクラスの選手が集い、リーグで切磋琢磨してヨーロッパや世界の舞台で実績を残してきました。
そんなリーガ エスパニョーラとはどんな特徴があり、どんな歴史を歩んできたのか、華やかなスペインプロサッカー界の舞台裏と共に詳しくご紹介していきます。
リーガ エスパニョーラの特徴
リーガ エスパニョーラは、スペインのプロ登録されたサッカークラブチームが集い、ホームアンドアウェイ方式のリーグ戦を戦うのが大きな特徴です。
1部から3部までプロクラブがひしめき合い、1部はプリメーラ・ディビシオン、2部はセグンダ・ディビジオンと呼ばれています。
1部には20クラブが王者をかけてリーグ戦を戦い、下位の3チームが2部であるセグンダ・ディビジオンに自動降格となります。
リーガ エスパニョーラは、イングランドプレミアリーグ、イタリアセリエA、ドイツブンデスリーガ、
フランスリーグアンを並んで欧州5大リーグの一つに数えられていることで有名です。
2016年から、リーガ エスパニョーラはラ・リーガに名称が変更となり、
冠スポンサーであるサンタンデール銀行の名前をつけてラ・リーガサンタンデールと呼ばれています。
世界トップクラスの選手を多数輩出
リーガ エスパニョーラで活動するサッカークラブは育成にも長けていて、世界トップクラスの選手を数多く育ててきました。
現在ヴィッセル神戸で活躍しているアンドレス・イニエスタ選手やパリサンジェルマンのリオネル・メッシ選手はFCバルセロナの下部組織出身です。
パリサンジェルマンのセルヒオ・ラモス選手はセビージャFCの下部組織出身、
レアルマドリード所属のダニエル・カルバハル選手はレアルマドリード下部組織の出身です。
レアルマドリードに所属し、現在RCDマジョルカにレンタル移籍をしている久保建英選手はFCバルセロナの下部組織で育ち、
レアルマドリードの下部組織には中井卓大選手が在籍しています。
リーガ エスパニョーラの有名クラブ
リーガ エスパニョーラで実績と経験を積み、欧州ナンバー1のクラブチームを決めるUEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグ、
各大陸王者が集うクラブワールドカップで、スペインのクラブは多くの好成績を残してきました。
リーガ エスパニョーラを最強リーグへと押し上げた主な有名クラブをご紹介していきます。
FCバルセロナ
リーガ エスパニョーラで有名なチームと言われると、まず最初にイメージするのがFCバルセロナでしょう。
有名サッカー漫画「キャプテン翼」の主人公大空翼が所属しているチームです。
プリメーラ・ディビジオン優勝26回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝5回、FIFAクラブワールドカップ優勝3回という記録を持つ、トップオブトップのクラブです。
FCバルセロナの強さの秘密は、カンテラと呼ばれる下部組織から一貫したトレーニングにあります。
有望な若い選手を世界中から集め、トップチームを同じ練習を積みながら、FCバルセロナのメソッドを叩きこみます。
そして、限られた一握りの選手のみがトップチームへの参加を許されます。選手は下部組織中心の選手で構成され、
足りないポジションを世界トップのプレイヤーで補います。
しかし、18歳未満の外国籍の選手を獲得するのが禁止されたため、カンテラのシステムが機能しなくなりました。
ですが、カンテラから続々と有望な若手選手が育ち、アンス・ファティ選手やペドリ選手などがFCバルセロナのトップチームでプレイしています。
レアルマドリード
別名銀河系軍団と愛称のあるレアルマドリード。
世界のトップ選手を次々と獲得し、素早くボールを奪ってショートカウンターを成功させるシステムで世界中を熱狂の渦に巻き込みました。
多くの有名選手が在籍していた歴史があり、クロード・マケレレ選手、ロナウド選手、ラウール選手、
デヴィッド・ベッカム選手、クリスティアーノ・ロナウド選手などスーパースターの競演とまで言われました。
FCバルセロナとはライバル関係にあり、対戦する時はエルクラシコと呼ばれ、全スポーツの中でも最高の視聴率を出しています。
アトレティコマドリード
近年までリーガ エスパニョーラではFCバルセロナとレアルマドリードの2強体制と言われてきましたが、その牙城を崩したのがアトレティコマドリードです。
1995年のボスマン判決以降、選手の移籍金や年俸の高騰化の犠牲にあい、倒産の危機に見舞われますが、元アルゼンチン代表でもあり、
アトレティコマドリードのスター選手であったシメオネ氏が監督に就任して、一気に急成長を遂げました。
リーガ エスパニョーラでは常に優勝争いに加わり、UEFAチャンピオンズリーグでも好成績を残しています。
同じマドリードに本拠地を置くレアルマドリードとは対立関係にあり、アトレティコマドリードとレアルマドリードの試合をマドリードダービーと呼び、
多くの波乱を巻き起こしています。
セビージャFC
リーガ エスパニョーラで強豪として有名なのがセビージャFCです。
現在セレッソ大阪でプレイしている清武弘嗣選手が在籍したことで、日本での知名度が急上昇しました。
ヨーロッパリーグで好成績を収めているチームで、各国代表の中心選手が在籍していることも大きな特徴です。
アルゼンチン代表のエリック・ラメラ選手やアレハンドロ・ゴメス選手、
元クロアチア代表のイヴァン・ラキティッチ選手イタリア代表のチーロ・インモービレ選手などが所属しています。
アスレティック・ビルバオ
リーガ エスパニョーラで異彩を放つ存在がアスレティック・ビルバオです。
アスレティック・ビルバオの大きな特徴は、スペインのバスク地方で育った選手、またはバスクにゆかりのある選手以外とは選手契約を結ばないというところです。
つまり、バスク人以外の外国人選手は過去を含めて一人も登録されていません。
しかし、リーガ エスパニョーラ開幕後から一度も2部リーグに降格経験がないという、凄い歴史を持つチームです。
リーガ エスパニョーラの舞台裏
リーガ エスパニョーラはスペクタクルなサッカーで観客を魅了する世界最強リーグの一角を担っていますが、内情はドロドロとしたものになっています。
これは、スペイン国建国の歴史が深く関わってくるのですが、リーガ エスパニョーラが抱えている問題とは何か、
華やかな舞台裏に隠された、もう一つのリーガ・エスパニョーラを見ていきましょう。
負債に苦しむチームが多数
先日、FCバルセロナの新会長に就任したラポルタ会長から、FCバルセロナの負債総額は約13億5000万ユーロ、日本円にして約1737億円あると発表がありました。
選手の移籍金や年俸の高騰で、負債が膨れ上がったのが主な原因です。そして、選手を放出して移籍金を獲得する、
新たなスポンサーを獲得する目途がたたないため、とっくに破産してもおかしくない金額になってしまいました。
しかし、FCバルセロナだけではなく、負債に苦しんでいるチームがプリメーラ・ディビジオンでも半数以上あると言われており、
リーガ エスパニョーラの寿命はあと5年という厳しい現実を突きつけられています。
一枚岩ではない
リーガ エスパニョーラは、チーム毎の考え方が一向にまとまらず、一枚岩ではないことが特徴的です。
元々、スペインという国は隣国を武力で制圧して建国した歴史があります。
文化や宗教、哲学に価値観、そして言語が全く違う国を一つにまとめたので、州同士の間柄は決して良くありません。
そして、第二次世界大戦後のスペインの恐怖政治によってスペイン国民の不満が爆発、ついには世界を震撼させるテロリストまで生み出すことになります。
こうした歴史はスペインサッカー界にも波及してしまい、オーナー会議やジェネラルマネージャー会議でも、
少しの言葉の行き違いから揉めごとが頻発し、会議が進まないということが日常茶飯事となっています。
まとめ
世界最高峰のリーグと謳われ、国際大会でも多くの実績を残してきたリーガ エスパニョーラ。一見華やかな舞台でも裏に回ると様々な問題を抱えています。
しかし、リーガ エスパニョーラに在籍している選手は、ゲームを盛り上げるべく、毎試合スーパープレイを見せて観客を盛り上げています。
政治や怨念を吹き飛ばす名シーンを次々と創り出す、リーガ エスパニョーラ、次のスーパープレイを楽しみにリーガ エスパニョーラの試合を観戦しましょう。