野球の9つある守備位置で外野の1角を担うライト。
ライトというポジションは守備があまり上手くない人、初心者が一番最初に守るポジション、
誰でも守ることができる簡単なポジションなどネガティブな印象をもっている人もいるかもしれません。
しかしライトというポジションは実は難しく、奥が深く、重要なポジションであるといえます。
そこで今回はライトというポジションはどういったポジションなのかを紹介します。
ライトはイメージが良くない?
ライトというポジションは野球を始めたら一度は経験するポジションでしょう。
「ライパチ」という言葉もある通りライトで8番バッター、つまりはあまり上手くない人がライトを守るという印象がついているかもしれません。
なぜライトはイメージがよくないかというと少年野球や草野球など野球初心者から野球未経験者は左打ちのバッターが少なく、
右打ちのバッターが流し打ちで外野へ強い打球を飛ばせる人があまりおらず、
守備機会が少ないことから初心者=ライトというイメージがついているようです。
しかし、プロ野球選手では走攻守三拍子揃った名選手がライトを守っていることが多いです。
プロ野球、メジャーリーグで4367安打を放ち2021年現在通算安打世界記録、
最多試合出場記録保持者でレーザービームと称されるほどの強肩を持つイチロー選手。
現役選手では2021年9月現在、打撃のタイトル争いでは全て好位置につけていて、強肩であり、
東京オリンピック2020では日本代表の4番を務めた鈴木誠也選手がライトを守っています。
ライトの役割・重要性について
ライトは初心者が始めに守ることが多いですが、やることが多く、非常に重要なポジションです。
だんだんと野球レベルがあがっていくごとに左打ちのバッターが増え、
右打ちのバッターでもランナーを進塁させるべく一塁側を意識してスイングするバッターが増え始めるため、ライトの守備が重要となってきます。
ここからはライトの役割・重要性について紹介します。
カバー
ライトは内野ゴロなどの1塁送球やピッチャーが1塁ランナーに対しての牽制球、
ゲッツーなどの2塁に送球されたボールのカバーをしなければなりません。
またセンター方向へ打球が飛んだときにはセンターの後ろにカバーしにいきます。
もしカバーが遅れることやカバーを忘れていたときに悪送球になってしまったら、
カバーが遅れてしまったことが原因で、得点が入り、試合に負けてしまう恐れがあります。
試合中、カバーに入る数が多く、体力的に疲れるポジションかもしれませんが、
たった一回のミスで試合展開が大きく変わってしまうことがあるため、忘れずにカバーに入るようにしましょう。
捕球
ライトに飛んでくる打球はフライ、ライナー、ゴロなどさまざまですが、試合状況によっては素早く捕球してすぐに送球しなければならない場面、
高く上に上がったフライは風による影響が大きく、
高ければ高いほど風に影響されて想定していたより打球が伸びる場合や風に戻される場合があります。
ごくまれにバットの先やグリップ近くに当たった打球が不規則な回転をしながら、
ブレ球のような動きをして向かってくることがあるため、しっかりと最後までボールを見て捕球しなければなりません。
また、打球速度によって瞬時に判断し、捕球しなければピンチを招いてしまうため、判断力も大切になります。
しかし、無理をして捕球しにいって打球を後ろにそらしてしまうと大量得点を与えてしまう可能性があるため、
落下地点の予測、確実な捕球、判断力が重要になります。
送球
ライトは3塁まで1番遠いポジションで打球がライトに飛ぶとランナーを3塁で刺すために正確で鋭い送球をしなければなりません。
またランナーが3塁にいる時にフライが飛んできた場合はタッチアップによる3塁ランナーを本塁で刺すために
捕球すると同時に本塁へ送球しなければなりません。
送球が弱いまたは送球がバラけてしまうことが多いとランナーに次の塁を狙われやすくなってしまい、ピンチが拡大してしまいます。
しっかりと打球のバウンドや落下地点に合わせてチャージしてその勢いを殺すことなく全力で投げることで
スピードが早く正確なボールを投げることができるでしょう。
鋭く正確な送球をすることができれば、ランナーも自重してピンチを防ぐことができ、得点が入りにくくなります。
ライトを守るコツ
ライトは重要なポジションであることがわかりましたが、どのようなことをすればライトを上手に守れるでしょうか。
ここからはライトが上手に守ることができるコツについて紹介します。
センター・内野手と連携をとる
打球が飛んだ位置で誰が捕るのか、声を出して合図し、センターやファースト、セカンドと連携をとるようにしましょう。
連携がとれていなければ右中間に飛んだ打球やファースト、セカンド、
ライトの間に落ちそうなフライなどみんなが誰かが捕るだろうと見送ってしまうことで誰も捕らず、ヒットになってしまう可能性があります。
またみんなが捕りにいってしまうとボールに目がいっているため、周りが見えておらず、選手同士がぶつかってケガをしてしまう危険性があります。
あらかじめ、捕れそうなときには声を出す、
こういった打球なら誰が捕るなど決め事をしておくなど違うポジションの人と連携をとるように心がけましょう。
試合状況を意識する
アウトカウントやランナーの位置、打球によってどこに送球するのかなど試合状況によって異なるため、
しっかりと試合状況を意識しておきましょう。
1点差や同点時には前進守備のシフトを敷いてランナーを刺せるように守る場合がありますが、
大量リードのときには前進守備のシフトをせず、定位置を守って大量失点を防ぐなど、試合状況によって守備位置を変更する必要があります。
事前に想定しておくことで送球する際に焦ることなくスムーズに送球動作へ入ることが可能となり、正確で強いボールを投げることができ、
ランナーの進塁を阻止することができます。
バッターの特徴で守備位置を変える
バッターが長距離ヒッター、打順の下位打線を打っているバッターなどの特徴によって守備位置を少し変えるようにしましょう。
長距離バッターの場合、長打を打たれるとツーベースヒット、
スリーベースヒットになりピンチが拡大してしまうことやランナーがいれば大量得点を与えてしまいます。
下位打線を打っているバッターで非力のバッターであれば内野と外野の間に落ちるポテンヒットが増えます。
また右打ちのバッター、左打ちのバッターでライン上に寄って守ったり、右中間よりに守ったりその都度守備位置を変えると良いでしょう。
右打ちのバッターは打球がスライスして向かってくる場合や左バッターは引っ張る打球を警戒し長打にしないなどあらゆる想定をしておきましょう。
あらかじめバッターの特徴を頭に入れておき、長打を警戒し少し下がり目に守備位置を変更してシングルヒットであれば
OKのシフトやポテンヒットを防ぐために少し前目のポジションに変更したりするなど
バッターの特徴に合ったポジションをとれるようになればピンチを未然に防ぐことができるようになります。
まとめ
ここまでライトのポジションについて紹介しました。
ライトというポジションはネガティブな印象を受けがちですが、実は奥が深く、野球上級者ほどライトに上手い選手が守っています。
しっかりと事前に準備、想定しておくことでミスを減らすことができるでしょう。
ライトの守備を極めてチームの勝利に貢献しましょう。