ロードバイクに乗っていて気持ちが悪くなったことのある方はいらっしゃいますか。
ロードバイクを始めるときにも、ほとんどの方がまずは情報収集から始めたと思います。
バイクの選び方やトレーニングの方法と併せて、注意事項も学んだことでしょう。
そして、≪ハンガーノック≫という言葉とも出会っていると思います。
かなりロードバイクの経験の長い方がネット上にあげている記事でも、≪ハンガーノック=低血糖≫という書き方をしているものを多く見かけます。
ところが、低血糖のとこはハンガーノックとは言いません。
そして、ロードバイクで気持ちが悪くなるのは低血糖だけが原因ではありません。
そこで、今回はロードバイクで気持ちが悪くなる原因と対策についてご紹介していきます。
ハンガーノックとはただの低血糖のことではない!!
低血糖は英語でHypoglycemia(ハイポグライシィミア)といいます。
ハンガーノックとは1960年代の南アフリカの自転車選手が使用した“hunger(空腹) knock(ノックダウン)”という言葉から生まれた造語です。
ロードバイクやマラソンなどの耐久レースで、エネルギーが枯渇状態になった時のことを指します。
主な原因が急激な糖分不足による気づかないうちに起こる過度の低血糖症状のため、≪ハンガーノック=低血糖≫と捉えられがちなのです。
ハンガーノックとは激しい運動でひどい低血糖を発症し、脳の血流障害を起こした状態です。
脳の血流障害を発症するほどのひどい低血糖状態に陥ると、血糖を上昇させることは非常に困難になります。
だからこそ、急激な糖分消費の予防が必要だと言われるのです。
ハンガーノックの原因と対策
ハンガーノックとは、先ほどお伝えしたように急激な糖分不足により、気づかないうちに起こる過度の低血糖症状が引き起こす脳の血流障害です。
脳に充分血液が巡っていないので、めまいや手足のしびれ、けいれんなどの症状が出てしまいます。
また、ハンガーノックにおちいる前の低血糖症状として、気持ちが悪くなったり、あくびが出たりします。
ハンガーノックの原因
急激な糖分不足により気づかないうちに起こる過度の低血糖症状が原因です。
ロードバイクによるエネルギーの消耗が、糖分摂取のタイミングや量より激しい場合に起こります。
初心者に多いと言われますが、経験者でも起こりえますし、ロードバイクが久しぶりの場合は経験者でも特に起こりやすいので注意が必要です。
また、ダイエット目的でロードバイクを始めて、充分に食事をとっていないときにも起こります。
ハンガーノックの対策
補給食をまめにとりましょう。
おにぎりやサンドイッチなどの炭水化物がおすすめですが、食欲が出ない場合はバナナやゼリー飲料などもおすすめです。
他にも多くの栄養補助食品が出ていますので、ぜひ好みに合った味や形態の物を探してみてくださいね。
重要なことは、少しずつでも空腹を感じる前に食べておくことです。
そして、前日の夕食や当日の朝食も食べるようにしましょう。
当日はあまりたくさん食べてしまうと途中で気持ちが悪くなってしまう方もいます。
その方は特に、前日の夕食をしっかりとりましょう。
炭水化物はグリコーゲンと呼ばれる糖質のもとになります。
グリコーゲンは筋肉や肝臓に蓄えておくことができるエネルギーなので、前日に積極的に炭水化物をとることがハンガーノックの対策になります。
低血糖時に最適な食べ物とは?!
低血糖時の対応としてチョコレートの摂取をすすめている記事もありますが、チョコレートは甘い割には糖分の吸収率は高くありません。
低血糖になる前のエネルギー源としては有効ですが、低血糖時の対応としては不適切です。
ゼリー飲料は口当たりがよく水分も一緒に摂取できるのでおすすめですが、最も好ましいのはブドウ糖の摂取です。
口の中ですぐに溶けて血糖を上昇させるので、ロードバイクで長距離や長時間走ると食欲が出ない方でも簡単に摂取できます。
難しい糖尿病で血糖コントロールが大変な方のために、ドラッグストアでも多く取り扱われていますので、ぜひ試してみてくださいね。
熱中症の原因と対策
熱中症は毎年夏に注意が呼びかけられているので、気持ちが悪くなる原因のひとつとしてイメージしやすいかもしれませんね。
熱中症の初期症状として吐き気が出ることがあります。
熱中症の原因
熱中症は体に熱がこもることで起こります。
外が暑くてロードバイクに乗っている最中に熱を放出しきれないことや、服装の影響で熱を吸収してしまうことが原因となります。
熱中症の対策
夏であれば、数日かけて事前に暑さに慣れておきましょう。
また、服装は白系の物であれば熱を吸収しにくくなります。
特に、放湿性に優れていて吸水速乾性のある合成繊維の服装が有効です。
ヘルメットも通気性のいいものにしてくださいね。
また、のどが渇く前に水分をとりましょう。
スポーツドリンクは汗と一緒に出てしまう塩分と糖分が一緒にとれるので有効です。
一度にたくさん飲む必要はないので、コップ一杯程度の量をこまめに飲むようにしましょう。
熱中症になってしまったら?!
木陰やテントの下など、涼しい所でスポーツドリンクをゆっくり飲むようにしましょう。
首・わきの下・脚の付け根は大きな血管が通っているので、ここを冷やすと全身の血液を冷やすことができ、回復を早めます。
保冷材はもちろん、冷たい飲み物を当てておくだけでも効果的です。
症状が回復しない場合は無理せず救急車を呼びましょう。
脱水の原因と対策
脱水も熱中症とともに夏に注意が呼びかけられることが多いので、イメージしやすいと思います。
脱水になると体がだるくなって気持ち悪くなります。
尿量が減ったり、色がオレンジになってきたら身体の水分が減っている証拠なので、意識して水分をとるようにしましょう。
脱水の原因
汗をたくさんかくことで、身体中の水分が失われてしまうことでおこります。
脱水の対策
ロードバイクに乗っている最中のこまめな水分摂取が重要です。
熱中症の部分でも書いたように、のどが渇く前に水分をとるようにしましょう。
また、アルコールは利尿効果を高めて、尿をたくさん出します。
ロードバイクに乗る前日にはアルコールは控えめにすることがおすすめです。
酸欠の原因と対策
酸欠というと息が苦しくなる状態をイメージする方が多いと思います。
もちろん、息切れをしている状況も酸欠というのですが、ここでいう酸欠とは脳や内臓の酸素が少なくなってしまう状況を指します。
酸欠の原因
ロードバイクに乗っていると、ブドウ糖が燃焼され水と二酸化炭素に分解されます。
血液中の二酸化炭素が増えることで酸欠状態になってしまうのです。
さらに、激しく筋肉を使っているので血液は脚の筋肉に集まります。
そこで、脳や内臓に行くはずの酸素が脚の筋肉にとられてしまい気持ちが悪くなるのです。
酸欠の対策
ブドウ糖の消費は低血糖とともに酸欠も引き起こすのです。
補助食の細めな摂取は血糖維持だけでなく身体の酸欠の予防にもなりますので、ぜひ少量ずつでも摂取してくださいね。
また力を入れる時に意識的に息を吐くようにすることや、呼吸を止めないことも吐き気予防には効果的な呼吸方法になります。
ロードバイクは長時間乗ることが多いので、息を止め続けることはありませんよね。
そして、上り坂など力がいる状況でも、息を止めて一気に登り切ろうとするのではなく、力を入れるときに息を吐くことが重要になります。
まとめ
ロードバイクに乗っている時に気持ちが悪くなる主な原因は以下のものです。
- ハンガーノック
- 熱中症
- 脱水
- 酸欠
どれも重症になるとその場での対応が困難になりますので、事前に予防できるようにしっかり対策しておきましょう。