力士にとって「四股名」はプロレスラーにとっての「リングネーム」であり、とても重要な意味が込められたものです。
そんな「四股名」には面白い名前、変わった名前がたくさんあります。
その中でも特にアナウンサー泣かせの言いにくい・読むのが難しい四股名を集めランキング形式で紹介します。
また、日本人ならぜひ知っておきたい国技相撲の「四股名」の由来などについても紹介します。
四股名とは・四股名の命名方法
そもそも四股名はどういったものなのでしょうか。
また、その命名方法にはルールはあるのでしょうか。
基本的な四股名に関する知識をまとめました。
四股名とは
力士が現役時代に名乗る名前で、引退後は四股名を名乗ることはできません。
また、四股名と言うと名字の部分だけと思っている人が多いようですが、実は名字に続く名前までを含めたものを四股名と言います。
例えば「北勝富士」は「北勝富士 大輝」までが四股名です。
そして、名前の部分には本名を使っている力士が多い傾向にあります。
四股名の命名方法
力強いイメージのある言葉を使ったり、所属する部屋に由来していたりと、実は四股名の命名方法にはこれといった明確なルールはありません。
また、文字数制限などもありません。実際に見られる四股名の命名方法について紹介します。
- 母校の名前に由来した四股名:「朝青龍明徳」は母校「明徳義塾」が由来。
- ふるさとの地名や名所に由来した四股名:「御嶽海」は出身の長野県にある「御嶽山」が由来。
- 部屋ごとに決まった伝統的な漢字を使った四股名:佐度ヶ嶽部屋では「琴」、春日野部屋では「栃」、武蔵川部屋では「武」などの伝統の漢字がある。
- 名力士にちなんだ四股名:「白鵬」は往年の大横綱「大鵬」が由来。
- 本名をそのまま使った四股名:「高安 晃」「遠藤 聖大」「稀勢の里 寛」など
これらのパターンに当てはまらない特殊な四股名の力士も多く存在しています。
- 剣翔 桃太郎(つるぎしょう ももたろう)
- 宇瑠虎 太郎(うるとら たろう)
- 光源氏 晴(ひかるげんじ はる)
- 冨蘭志壽 学(ふらんしす まなぶ)
明文化はされていませんが、大横綱など相撲界に歴史を刻んだ力士の名前は「止め名」とされ名乗ることは出来ないそうです。
言いにくい四股名ランキング
ここでは特にアナウンサーでも噛んでしまうような「言いにくい」四股名を紹介します。
第1位:若隆景(わかたかかげ)
荒汐部屋 本名「大波渥」
【由来】
毛利元就の三男で後に豊臣政権の五大老に出世した小早川隆景からとったものです。
若隆景自身も3兄弟の末っ子ということもあることから、兄2人も毛利隆元と古川元春からとり、それぞれ「若隆元」「若元春」に改名しています。
「毛利三兄弟」の結束を例えた「三本の矢」にちなんで3人が切磋琢磨してほしいと考えた師匠の想いがこもっているそうです。
若隆景は秋場所前に行われたインタビューで自身の四股名を噛んでしまう場面があり、
その解説を務めた小野川親方も自身の四股名である北太樹を「きたたたた」と噛んでしまったという逸話を披露し、共感する一幕があったそうです。
第2位:北太樹(きたたいき)
山響部屋 本名「讃岐明義」
【由来】
元々「北大樹」だった四股名を「北太樹」に改名しています。
その理由は「地に根を張り、上に向かって大きく育つように」という思いがこめられており、父が命名したそうです。
実は十両に昇進したときに、「大」を「太」に変えるつもりだったようですが、
なかなか昇進できず、昇進前に改名したというエピソードがあります。
第3位:栃乃洋(とちのなだ)
春日野部屋 本名「後藤泰一」
【由来】
栃乃洋の「栃」の字は春日野部屋の伝統的な漢字であり、部屋の開祖である8代目春日野親方の出身地栃木が由来となっています。
実況などで四股名を読む場合は「とちのなだぜき」と発声するため、非常に難しいそうです。
2004年放送のフジテレビ「トリビアの泉」において、「アナウンサーが一番言いづらい言葉」というテーマに対し、
同局系列27局のアナウンサー336人を対象とした調査の結果「栃乃洋」が第7位にランクインしたという逸話があります。
第4位:時津洋(ときつなだ)
時津風部屋 本名「吉岡宏典」
【由来】
時津風部屋では四股名に「時(津)」「豊」「双」という字を含む四股名を付ける習慣が多かったようです。
時津洋と栃乃洋は一度十両で対戦しているのですが、その際実況を務めたアナウンサーは大変だったそうです。
読むのが難しい四股名ランキング
こちらもアナウンサー泣かせの、読むのが難しい四股名を紹介します。
第1位:宇瑠虎(うるとら)/式秀部屋
フルネームは「宇瑠虎太郎」。四股名の由来は「ウルトラマンタロウ」で、3分間全力で戦う意味が込められています。
第2位:右肩上(みぎかたあがり)/大嶽部屋
大嶽部屋の親方が名付けた四股名。縁起が良い名前となっています。
第3位:阿夢露(あむうる)/阿武松部屋
ロシア出身の力士で故郷ロシアのアムール川が由来となっています。
第4位:桃智桜(ももちざくら)/式秀部屋
アイドルユニットBerryz工房の嗣永桃子のファンだったことから、彼女の愛称の「ももち」が由来となっています。
読むのが難しいだけでなく、それぞれの由来をみると四股名に対する熱い想いが込められていることがわかります。
何より個性的で難解な四股名が与えるインパクトは大きく、皆に覚えてもらいやすいという利点もあります。
まとめ
力士の四股名について、その命名方法のルールや特に言いにくい・読みにくいアナウンサー泣かせの四股名を紹介しました。
基本的にどんな四股名を付けてもいいということなので、これから四股名のバリエーションも増えていくのではないでしょうか。
日本の国技相撲について、今回は「四股名」に焦点をあてて紹介しました。
さまざまな四股名から、力士たちのバックグラウンドや思いを知ることができるので、相撲がもっと楽しく見れること間違いなしです。