サッカーのサイドバックはどんなポジション?有名選手なども解説

長友佑都選手や内田篤人選手など、多くの有名選手を輩出してきたサイドバック。

豊富なスタミナでアップダウンを繰り返し、時にはボールを果敢に奪い、時には相手チームのサイドを切り崩す姿は正に圧巻です。

そんなサイドバックとはどんなポジションでどんな役割があるのか、世界の有名選手と共にたっぷりとご紹介していきます。

サイドバックとは

サイドバックとは、ゴールキーパーの前にいるセンターバックの両翼に位置するポジションです。

サイドバックというサッカー用語を使用しているのは日本くらいで、正式なサッカー用語とは少し違います。

センターバックを始めとした守備的ポジションのことをフルバックと呼び、右のサイドバックはライトバック、左のサイドバックをレフトバックを呼びます。

サイドバックは、センターフォワードやセンターバックのように必ず必要なポジションではなく、3バックシステムの際にはサイドバックを配置しません。

そのため、幼少期からサイドバック一筋でやってきたプレイヤーはほとんどいないのがサイドバックの大きな特徴です。

層が薄いポジション

サイドバックというポジションは、上下運動が激しくスタミナを一番消費するポジションの一つです。

そのため、試合中に足がけいれんして交代が発生しやすいポジションの一つでもあります。

上下運動が激しい割にあまり目立たない、地味な役割が多いなどの理由から、サイドバックを希望する選手はほとんどいません。

そのため、サイドバックの選手が必然的に少なくなり、世界的に見ても人手が足りないのがサイドバックです。

コンバートが多い

サイドバックをメインポジションとして入団する選手はほとんどいないため、チームにょっては適性をみて、

出場機会の少ない選手をコンバートで使う場面が増えています。

代表的な例ですと、川崎フロンターレの旗手玲央選手が有名です。

旗手選手はサイドハーフをメインポジションにしていましたが、フロンターレの主力サイドバック2人が相次いで負傷したため、急遽コンバートでサイドバックを努めました。

そして、短期間で見事に本職のサイドバックを遜色ないスキルを身につけ、U-24日本代表の主力として活躍しました。

ボランチやセンターバック、サイドハーフを努めている選手に、サイドバックを経験させるチームが増えてきています。

サイドバックを経験すると、対人スキルやカバーリングスキル、フィードキックスキルなどが磨かれるため、成長を促したいプレイヤーをサイドバックで使ったりします。

サイドバックの役割

サイドバックは、アップダウンが激しく地味な役割が多い事で有名です。

しかし、チームからどんな役割が与えられて、どんな仕事を求められているか、気になる方も多いのではないでしょうか。

ここからは、サイドバックの主な役割についてご紹介していきます。

対人スキル

現代サッカーでは、サイドを起点として攻撃をスタートするというコンセプトで戦術を組み立てています。

そのため、サイドハーフやサイドバックの選手がうまく連動して相手チームのサイドを崩していきます。

この時に活躍するのがサイドバックです。1対1の局面になった時に、相手チームのドリブルを食い止め、一気にカウンターを仕掛けます。

1対1の勝負では絶対に負けない、対人スキルが非常に重要なポジションです。

相手のサイドプレイヤーを上がらせない

基本戦術がサイドから、というのでしたら、守備側が考えるのはサイドの選手にボールを渡さないことを第一に考えます。

仮にボールが渡っても、ゴールやチャンスに結び付きづらいセンターライン付近やミドルサーブでボールが渡るように、しっかりと相手の選手をマークします。

センターライン付近にポジションをとっていると攻撃の起点にはなりません。

攻撃のバリエーションを減らし、サイドを崩されるリスクを減らすのが、サイドバックの役割でもあります。

豊富なスタミナは必須

サイドで攻撃をスタートさせたい時に、サイドハーフは相手サイドバックのマークを振り切ったり、ドリブルを仕掛けてサイドを崩そうとします。

しかし、守備側が有利なサッカーでは中々うまくいきません。

そこでサイドバックの出番です。味方サイドハーフを追い越してサイドハーフからパスをもらい、ドリブルを仕掛けたり連携してサイド攻撃を仕掛けていきます。

しかし、攻撃が終わると素早く戻らなければならいため、スタミナの消耗が激しくなります。

90分間、サイドを駆け上がり素早く戻る、豊富なスタミナが要求されるのがサイドバックです。

クロスの精度

サイドハーフと連携して、相手選手を振り切りました。

コーナー付近までドリブルを仕掛けたら、ペナルティエリアにいる味方選手に向かってクロスをあげます。

この時に、相手ディフェンダーが止めにくく、かつ味方選手がヘディングしやすいクロスを供給することが大事です。

クロスも相手ディフェンダーのマークや身長、特性をみて、ボールの速度が早めの低いボールか、ふわっとした高いクロスかを瞬時に判断してクロスをあげます。

クロス一つとっても豊富なバリエーションを持ち、かつ精度の高いクロスを供給することが、良いサイドバックの条件の一つです。

サイドバックの有名選手

サイドバックは地味でありながら、1対1で勝利したり、相手チームのサイドを崩したりと非常に重要な役割を担っています。

しかし、どのスキルも一長一短で身につくものではなく、激しいトレーニングと経験によって実績を積み上げていきます。

実績を積み上げ、サッカーファンなら誰でも知っている有名選手はどれくらいいるのか、各大陸の有名プレイヤーを一緒に見ていきましょう。

Jリーグ

Jリーグで有名なサイドバックと言えば、フランスのオリンピックマルセイユを退団し、浦和レッズに加入した酒井宏樹選手です。

ディフェンスに磨きがかかり、酒井選手の代名詞と言える高速クロスがまたJリーグで観れるかと思うと、ワクワクが止まりません。

川崎フロンターレの山根視来選手、名古屋グランパスの吉田豊選手も違うタイプながら見どころたっぷりのプレイを見せてくれます。

そして、若手サイドバックの中で注目なのがサガン鳥栖の中野伸哉選手です。若干17歳でJ1チームの主力となっている中野選手は必見です。

ヨーロッパ

ヨーロッパで活躍しているサイドバックで有名な選手と言えば、レアルマドリードに所属しているダニエル・カルバハル選手でしょう。

対人スキル、カバーリングスキル、クロスの精度にメンタル、すべてが一級品です。

その他には、リバプールに所属しているトレント・アレクサンダー・アーノルド選手、FCバルセロナのジョルディ・アルバ選手も有名です。

今シーズン一番の注目と言えば、バイエルンミュンヘンからレアルマドリードに移籍したダビド・アラバ選手でしょう。

センターバックと左サイドバックどちらで使うか、新しくレアルマドリードの指揮官に就任したアンチェロッティ監督の手腕に注目しましょう。

南米

南米で有名なサイドバックの選手で一番に名前があがるのが、サンパウロFC所属のダニエウ・アウベス選手でしょう。

38歳でありながら現役ブラジル代表でもあり、先に行われた東京オリンピックのブラジル代表メンバーとして金メダル獲得に貢献しました。

ブラジルと言えば、レアルマドリード所属のマルセロ選手も見逃せません。

バイエルンミュンヘン所属のラフィーニャ選手や、アトレティコマドリード所属のサンティアゴ・アリアス選手も要注目です。

まとめ

豊富な運動量で相手チームのサイドを切り崩すサイドバック、黒子に徹する場面が多いですが、その中でも光るワンプレーは非常に輝いて見えます。

決して派手さは求められない、しかし着実な仕事をこなすサイドバックはチームに欠かせない存在でもあり、別のポジションでもまた違った個性を見せてくれます。

次回のサッカーの試合では、サイドバックに注目して見てみましょう。選手の個性がふんだんにつまったプレイを観たら、またサッカーが好きになること間違いなしです。

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