サッカーにおいて必ず必要な技術であるボールコントロールはボールを止める、運ぶ、蹴ることをいいます。
これらのボールコントロールの中で最も重要な技術といっても過言ではないのがボールを止める「トラップ」という技術で、
色々な種類のトラップがありますが、トラップは「最短で次のプレーに移れる状態にすること」が非常に重要となります。
今回の記事で各トラップの特性と使いどころの理解を深めていきましょう。
トラップとは?
そもそもトラップとはボールを止める技術と上記しましたが、具体的にどのような技術であり、「トラップが上手い」とはどのようなことなのでしょうか。
トラップとはパスされたボールを次に行う動作(パス、シュート、ドリブル等)が行い易い状態にすることをいいます。
- 例えば、味方からパスを受けて別の選手へパスを出す場合パスを受ける(足元でトラップする)↓
足元にボールがあっては正確なパスができないため、蹴り易い位置にボールを動かす
↓
パスを出す
と、足元でトラップした場合3タッチ必要になります。
- トラップが上手い人の場合パスを受けた際のトラップで既に蹴り易い位置にボールがきている↓
パスを出す
となり、2タッチでパスを出すことができています。
たかが1タッチの差ですが、実際の試合ではこの1タッチの間にも相手選手が迫っていますので、ボールを奪われてしまったり、
自分の余裕がなくなり、パスミス等に繋がってしまいます。
派手な技術ではないですが、とても大切な技術であることがお分かりいただけたかと思います。
下記では様々なトラップの種類をご紹介していきます。
トラップの種類
インサイド
数あるトラップの中でもっとも使う場面が多いかもしれません。
ボールに触れる面積が広い部分なので、一番正確にトラップできる箇所がインサイドトラップです。
グラウンダーや浮き球に関わらず、足元へのパスはほとんどインサイドトラップで対応できるので、トラップの基本といえるかもしれません。
アウトサイド
インサイドの逆側ではありますが、なかなか直感的に行うことは難しい高度なトラップです。
なぜかといえば、それだけインサイドトラップが正確に行えるプレーだからです。
しかし、アウトサイドトラップには状況によってインサイドトラップよりも次のプレーへ最短で移れることができるトラップになります。
例えば自分が右サイドにいて、左からパスがきたとします。
大体の場合は右足のインサイドでトラップし、右足で次のプレーを行います。
それに対しアウトサイドトラップは左から来たボールを左足のアウトサイドでトラップし、右足で次のプレーを行います。
この時、次のプレーに移るまでの時間は左足⇨右足となっているため、右足⇨右足となるインサイドよりも早いテンポで次のプレーに移ることができる訳です。
一流の選手はこのような細かいことまで追求しているので、より上を目指したいという方はマスターしたい技術です。
インステップ
インステップのトラップは、高い浮き球に対して使う場合が多いです。
自身の足元にボールを落とすために効果的で、落下地点で待ち構えてトラップするイメージです。
もも
胸よりもやや下の方に浮いたボールがきた際に使うトラップです。
ボールが浮いている状態で足元まで落ちるまで待っていると、その間にも相手DFが寄せられてしまうといった場面で使用すると効果的です。
胸
胸トラップの良い点はボールを受ける面積が最も広いので、ボールが収まる確率が高いです。
そして胸の位置にボールがある間、相手DFは頭で触ることしかできないので、ボールを奪い難くなります。
胸トラップをした場合、相手ゴールに近い時には浮き球状態のままボレーシュートであったり、
相手DFの寄せがある時には浮き球のまま相手DFの頭上を超えるボールを蹴り、抜き去るプレーも可能となります。
足裏
足裏トラップはフットサルの選手がよく使うイメージですが、サッカーでも足裏トラップは使える場面が多々あります。
フットサルのプレーを見ているとわかりますが、比較的コンパクトな動きで次のプレーに移れるので、狭い場所で使うと効果的なトラップです。
サッカーのグラウンドはフットサルの体育館コートと違い凸凹しているので、グラウンダーのパスもパッと見ではわからない程度でバウンドしていることが多いです。
そのため、油断していると足裏トラップをした際にボールが跳ねてしまい、相手に奪われてしまう場合もあるので、注意が必要です。
トラップの練習方法
幾つかトラップの練習方法をご紹介しますが、いずれの練習も両足で行うことが大切です。
特に利き足とは逆の足はどうしても利き足より上達が遅くなりがちなので、根気よく練習して上達させましょう。
リフティング
自分でボールを蹴り上げて、落とさないようにコントロールを繰り返します。
基本はインステップになりますが、インサイド、アウトサイド、もも、胸等の色々な箇所を使うことにより、
自分の思う通りにボールをコントロールする技術が身に付き、特に浮き球パス等へのトラップが上達していきます。
通常のリフティングに慣れてきたらボールを上にあげた時に首を振り、周りをみてみましょう。
試合中では常に次のプレーを想定しながらボールをコントロールしなければいけないため、周りを確認⇨ボールコントロールという流れの練習になります。
少し難易度は上がりますが、練習してみる価値はあると思います。
また、リフティング中にボールを高く蹴り上げてクッションコントロールでトラップする練習や、
リフティング中のボールが地面に近づいた時のバウンドボールをトラップする練習など、リフティングにはボールコントロール≒トラップの基本が詰まっています。
一人でもあまりスペースを取らずにできる練習なので、積極的に練習してみましょう。
*クッションコントロール:浮き球のボールをトラップする際にボールの勢いを吸収して足元に置くトラップ
壁当て
壁は学校にある運動用の板やコンクリート壁などを使用します。
方法は簡単で、壁に向かってボールを蹴り、跳ね返ってきたボールをトラップするだけです。
強いボールを蹴れば、跳ね返りも強いので、強いパスをトラップする練習になります。
単純に跳ね返ってきたボールをトラップするだけでも練習にはなりますが、より実践に活きる練習にするには試合のシュチュエーションをイメージすることが大切です。
例えば前から跳ね返ってきたボールを自身へのパスと想定し、自分の背後から相手DFが迫ってきているとしましょう。
この状況のトラップとしては
- 前に振り返るトラップ
- 横に流して自分の位置をずらすトラップ
- 相手DFに背を向けながら取られない位置にボールを置くトラップ
実際の試合ではこのようなトラップをすると想定されるので、
自分でそのシュチュエーションをイメージしながらトラップすると一人でも実践に活きるトラップ練習を行うことができます。
また、ランニングしながらの壁当ては動いていている状態でのトラップ練習になるため、こちらも交えながら練習していくとより上達に繋がるでしょう。
パス交換
2人以上が必要になる練習ですが、練習の質はかなり高いものになります。
上記で紹介した壁当て練習等では自分へ来るボールがどうしても単調になりがちですが、パス交換の練習であれば、人から出るパスを受けることになるので、
パスの強弱や浮き球、バウンドボール等様々なパスを受けることができ、トラップ練習としてはとてもよい練習となります。
先ほどからも紹介している様に、ここでも意識していきたいポイントは同じで、
「両足を使う、実践のイメージ、動きながら」を意識することでより練習の質を上げることができます。
親子で練習するというのも親御さんにとっては良い時間になるかもしれません。
その他
練習なので、どうしても集中して淡々と行うものが多くなってしまいますが、
「サッカーテニス」や「サッカーバレー」等細かいルールは自分たちで決めて、遊び感覚で行う練習もたまには良いかもしれません。
遊びとはいいましたが、勝ち負けにこだわるのであれば、当然正確なボールコントロールの要素が必要になってくるので、十分練習にはなります。
気になる方は取り入れてみましょう。
まとめ
今回は「トラップ」の種類と練習方法についてご紹介させていただきました。
トラップには様々な種類があり、とても奥深い技術で、どんなポジションでも重要となります。
上達するためには、日々の練習や実践の意識など地道な努力が必要となりますが、
プロ選手のようにピタッと自由自在にコントロールできることを目指して頑張りましょう。
最後までご閲覧いただきありがとうございました。