世界中で人気のスポーツであるテニス。
元々は貴族の遊戯として嗜まれていたとのことで上品なイメージのあるスポーツですが、現在では老若男女問わず皆に親しまれています。
そして、テニスをプレーする際に使われる用語は基本的に英語であり、
日本国内の大会においても審判がコールする「得点」や「判定」には英語が使われます。
そして、公式な大会の場合は審判が付くので、選手が「得点」や「判定」をコールする必要はありません。
しかし、アマチュアの試合の場合、大きな大会であれば審判が付きますが、
多くの場合はセルフジャッジとなるため、選手自身が「得点」や「判定」をコールする必要があります。
セルフジャッジの場合は、ゲーム開始前の「ゲーム数」や、サーブ前に「現在の点数」、「イン」「アウト」などの判定のコールなど、
常に相手選手に分かるように自身がコールする必要があります。
そしてセルフジャッジに使われる用語について、アメリカ国内では特にテニスクラブなどでプレーをすると、
国際大会とは異なり少し砕けた用語が使われることがあります。
そんな、ちょっと『通』な気分になれる、アメリカ国内で使われる用語を紹介します。
テニスの雑学:アメリカで使われる用語
アメリカで使われているテニスの雑学を紹介します。
点数の数え方
テニスの点数は「0」「15」「30」「40」と他のスポーツとは少し異なる特殊な数え方をします。
通常、「0」= ラブ(love)、「15」= フィフティーン (fifteen)、「30」= サーティ(thirty)、「40」= フォーティ(fourty)
とコールされますが、アメリカでは以下のように呼びます。
「0」= ラブ(love)、「15」= ファイブ(five)、「30」= スリー(three)、「40」= フォー(four)
「ラブ」は変わらないですが、それ以外は数字を一桁にして省略してコールするようになります。
その際に、例えば、「15 – 0」の場合、通常は「フィフィティーン ラブ」とコールしますが「ファイブ ラブ」になり、
「30 – 30」は「サーティオール」ではなく「スリーオール」となります。
そして「40-40」になるとデュース(deuce)となり、その後サーバーが加点するアドバンテージ サーバー(advantage server)、
レシーバーが加点するとアドバンテージレシーバー(advantage recever)となります。
この場合、「デュース」はそのまま「デュース」とコールしますが、アドバンテージの場合は、アドバンテージ サーバーがアド イン(ad. in)、
アドバンテージ レシーバーがアド アウト(ad. out)とかなり省略された言い方をします。
自分から見た方向に対して、inとoutを使っていると思えばイメージしやすいでしょう。
判定のコール
テニスのルールとしては、サーブがサービスエリアの枠内に入らなかった場合はフォルト(fault)となり、
レシーブがコートに入らなかった場合はアウト(out)となります。
国際試合の放送を観ていても審判が「フォルト!!」「アーウト!!」と力強くコールしているのが聞こえてきます。
しかし、セルフジャッジの場合、ネガティブな用語を力強く叫ぶのは相手に対して上から目線になり失礼ということもあり、
「フォルト」「アウト」は使わず、次のようにもう少しマイルドな用語でコールされます。
サイドラインより横方向に外れた場合はワイド(wide)、エンドラインより後ろ方向に外れた場合はディープ(deep)という言葉が使われます。
それぞれ、「ちょっと横にそれた」「ちょっと深かった」というニュアンスとなり、「フォルト = 失敗」に比べ、
「惜しい」という意味合いも加わるため優しくなります。
この用語については、レシーブに対しても同じ使われ方をし、横方向にアウトした場合は「ワイド」、
後ろ方向にアウトした場合は「ディープ」とコールします。
そして、強烈なサーブやレシーブがぎりぎりの所で入り、ノータッチになった場合は、敢えて「イン」とは言わず、
片方の手を斜め下に伸ばしてジェスチャーすることで「イン」のコールの代わりとなります。
ラケットトス
セルフジャッジの試合では、審判不在のためサーブ権を決めるトスもセルフとなります。
その場合、コイントスではなく、ラケットトスを使うケースが多いですが、回す側が「ウィッチ?(which?)」と聞き、
答える側がアップ(up) とダウン(down)、またはスムース(smooth)とラフ(rough)を使って答えます。
実はこの場合にも独特な言い回しが存在します。
ウィルソン(Wilson)というメーカーのラケットを使用している人限定ですが、
「ウィッチ?」の代わりに「W or M?」と聞き、答える側が「W」か「M」で返答します。
これはウィルソンのラケットのグリップエンドのマークが「W」のロゴのため、「アップ」の場合はそのまま「W」となり、
「ダウン」の場合は「M」に見えるので「M」としています。
こういう遊び心もセルフジャッジならではの言葉の使い方と思います。
まとめ
セルフジャッジの際に使われる用語。フランクな印象を受けるのがアメリカらしく思えます。
セルフジャッジでこのような用語になった背景としては、元々アメリカ英語自体が、イギリス英語と比較して簡略化された単語が多い言語なので、
よりシンプルな言葉になっていったことが考えられます。
もちろん、国際試合においてはアメリカでも正規の用語でコールされています。
また、点数については、「フィフティーン サーティ」や「フォーティ サーティー」などと噛みそうになる数字ばかりですので、
「3」と「4」と「5」だけで済むのはシンプルになり、英語が苦手な人にも発音もしやすくなっていいのではないでしょうか。