FPS(First Person Shooter「ファーストパーソンシューター」)において「死体撃ち」という行為がしばしば問題となります。
今回は「死体撃ち」が問題になる理由と「死体撃ち」という行為に対してのルールがあるのかどうかを解説していきます。
FPSにおける「死体撃ち」とはどのような行為か
「死体撃ち」に対しての明確な定義はありませんが、
説明するとしたらFSPゲーム内で倒した相手キャラクターの死体に対してさらに銃撃を加えることを意味します。
この「死体撃ち」行為がマナー違反や挑発行為としてとらえられることがあり、しばしば問題になっています。
「死体撃ち」行為には大きく分けて3つのタイプがあります。
その1:倒したことを確認するためや死体かどうかを確認するために撃つ「死体撃ち」
ゲーム内で相手と戦って倒したと思っても、
戦闘によって視界不良になってしまい本当に倒せているかどうかが分からない場合に確認のために撃つことがあります。
また、古来より実際の戦争でも死体に扮して奇襲するというやり方があるように、
ゲーム内でもプレイヤーのキャラクターが進む中で視界に入った「横たわっている相手キャラクター」が死体なのかどうかを
確認するために撃つことがあります。
その2:会場での試合中に観客のテンションを上げるために行う「死体撃ち」
おもにプロの試合中ですが、会場内で観戦中の観客のテンションを盛り上げるために挑発行為としてあえて「死体撃ち」を行い、相手をあおります。
これはボクシングなどの試合と同じで挑発行為が良くないこと、という前提があるために会場が盛り上がります。
また、プロ同士なのでゲームのスキルには大差がないことが多いうえ、お互いが見知っていることが多いです。
その3:倒した相手をバカにするために行う「死体撃ち」
一般人参加の大会やオンライン対戦中に散見される「死体撃ち」です。
一般人の場合はゲームのスキルがバラバラなことが多いため、弱い相手を倒した後に「死体撃ち」をすることはバカにする意味合いが大きいです。
された方は嫌がらせをされたと認識します。
どんな「死体撃ち」行為が問題になっているのか
上述した3つの「死体撃ち」のうち、問題になるのは3つめの倒した相手をバカにするために行う「死体撃ち」です。
なぜ問題になるかというと、倒されただけでも悔しいのにさらにバカにされることを大多数の人が不快に思うからです。
1つめの確認のために撃つ行為は実際の場面を思い浮かべてみれば納得できると思います。
2つめのプロの試合中、観客を盛り上げるために行う挑発行為もプロ同士の試合ということで理解できると思います。
しかし、3つめのただバカにするための「死体撃ち」は嫌がらせ行為としてとらえる人が大多数です。
「死体撃ち」行為に対するルールは無いのか
サッカーなどのスポーツにおいて挑発行為はルール違反とされ、
試合中に挑発行為を行った選手は世間から大きなバッシングを受けることが多々あります。
しかし、ゲームの世界においては「死体撃ち」などの挑発行為が明確にルールで禁止されていることは少ないです。
なぜなら「ゲームの世界では挑発も戦術の一部」という考え方があるからです。
海外での「死体撃ち」に対するうごき
海外においても「死体撃ち」を不快に思う人が大多数のようで2021年3月に2つの大会運営から公式に「死体撃ち」を禁止する声明が出されました。
1つは「FFL APEX LEGEND」という大会です。
大会運営が「死体撃ち」を行ったチームに対して「死体撃ち」を行った試合のポイントをはく奪するという処置を下しました。
2つめは「VALORANT Champions Tour 2021 Europe」という大会です。
大会を主催する運営者より「試合中に【死体撃ち】や【死体上でしゃがみキーを繰り返す屈伸】などの、
配信に相応しくない行動は行わないよう注意してください」と注意喚起が出されました。
日本での「死体撃ち」に対するうごき
日本のゲーム業界において「死体撃ち」を名指しして明確に禁止するルールは今のところありません。
しかしながら迷惑行為またはルール違反の中には「他者が嫌がること」と明記されています。
ですので、あなたがゲームをプレイ中に「死体撃ち」をされて不快な思いをした場合は運営に通報することができるようになっています。
「死体撃ち」をする人の心理とは
「死体撃ち」に対して大多数の人は不快に感じるものの、残りの人は「死体撃ち」に対して不快に感じてはいません。
その残りの人たちが「死体撃ち」をするのはなぜでしょうか。
・プロもやっているから真似しているだけ
・ゲーム中に興奮しているから
などの理由があげられます。
そして、インターネットを通じて相手の顔が見えない状態でゲームをプレイしている状況がこういった気持ちに拍車をかけているようです。
「死体撃ち」をされて不快な思いをしないために
・対コンピューターでゲームをする
などの方法があります。
知らない人とオンライン対戦をしない。
というのは大多数の人間は相手の顔を思い浮かべると嫌がらせ行為を控えることができるからという理由と、
知り合いから「死体撃ち」をされるのは不快に感じない人もいるからです。
また、知り合いであれば「死体撃ち」に関してお互いの認識を確認することもできます。
どうしても「死体撃ち」をしたい人は
・対コンピューターで対戦する
と良いと思います。
世の中にはさまざまな価値観をもった人間がいます。そして「死体撃ち」を不快に思う人が大多数なのが現状です。
ですが、中には「死体撃ち」を容認できる人たちもいますので同じ価値観の人と対戦することで不要な争いを避けることができます。
まとめ
FPSにおいて「死体撃ち」という行為は大多数の方が不快に思っているため、運営が公式に禁止しているゲームも出てきています。
しかしながら「死体撃ち」を容認する人も一定数います。
またオンライン対戦という相手の顔が見えない状況がさらに「死体撃ち」を助長させてしまいがちです。
もしあなたが「死体撃ち」容認派だとしたら、対戦する相手も「死体撃ち」を容認する人を選んでください。
容認できない人と対戦する場合は相手の気持ちを考えるようにしてください。
あなたが「死体撃ち」を不快に感じる人でしたら、「死体撃ち」をする人とは対戦しないように工夫してみてください。
もしも執拗に「死体撃ち」をしてくる相手と対戦してしまった場合は通報するという選択もあります。
オンライン対戦は場所や時間を選ばずにプレイできるのが最大のメリットですが、
見えなくてもその先には感情を持った相手がいることを忘れずにプレイをする必要があります。