FPSをオンライン対戦していて、海外の方とプレイされた経験がある方もいるはずです。
海外の方とプレイするときには、英語を使ってコミュニケーションをとることになると思いますが、
英語の煽り言葉をきついと感じたことはありませんか。
そこで今回は、FPSをプレイ中に英語で煽られるときつく感じる理由を説明していきます。
FPSで煽るのは当たり前なのか?
最初のFPSゲームが発表されたのは、19991年。世界中に普及しはじめたのは、1993年。
日本で流行りはじめるのはもっと後となりますが、FPS自体の歴史はわずか30年です。
eスポーツという言葉が生まれたのは2000年頃といわれていますが、今ほど世間一般の認知度はありませんでした。
現在のような認知度になりはじめたのは、2010年前後から。
とても乱暴な表現をしてしまうと、身内だけで楽しんでいたゲームにどんどん参加者が増えてきた状態なのです。
あなたが何かスポーツをするときのことを考えてみてください。できたらチーム戦のものをお願いします。
ところが、FPSのゲームでは友達と遊ぶ感覚のまま試合に出ている状態が続いてしまっています。
ゲーム参加者が増えてきたことでルール整備がされ、2021年には公式大会で煽り行為の禁止が出されるようになりました。
ですが、プレイヤー全員にこういったルールが徹底されるには、まだまだ時間が必要です。
相手の顔が見えない「チャット」
次の理由は、チャットという特性が原因です。
現在では当たり前のインターネット環境ですが、こちらもまだわずか20年ほどの歴史です。
日本の小学校ではネットリテラシーを教えはじめていますが、社会全体で見ると、まだまだ低いネットリテラシー。
チャットで書き込まれた誹謗中傷を理由として、命を絶ってしまうような事件が世界中で後を絶ちません。
同じ言葉でも、顔が見えない状態では相手の受け取り方が大きく異なることがあります。
また、顔が見えていないと、発する言葉がどんどん攻撃的になってしまうことがあります。
FPSの主なプレイヤーは若年層
eスポーツの中でFPSは、他のジャンルに比べると、若年層プレイヤーが多いゲームになります。
一般論ではありますが、若年層は全てにおいて未熟です。
ネットリテラシーが低い状態で、どんどん攻撃的な言葉を発している可能性があります。
世界中で英語を話す人の半数以上が「非ネイティブ」
英語はいまや世界の共通言語ですが、実は英語が母語の人は世界の中で約25%ほどです。
母語の中で一番多いのは、中国語です。
中国の国土は広く、多くの方言が存在し、そのほとんどが全く違う言語ではありますが、
学校教育は「普通話」と呼ばれる共通語=中国語で行われます。
インドやアフリカは国の共通語が英語ですが、それぞれ地域や国によって母語があります。
なぜ英語が共通語になるのか
世界の英語の総人口は、約21億人になるそうです。このうちの約75%が非ネイティブです。
なぜ中国語よりも英語が共通語になっているのかは、いろいろな理由がありますが、今回は「文字」について解説します。
英語は大文字26文字、小文字26文字の合わせて52文字だけで表現できる言語です。対して、中国語は漢字がたくさんあります。
今の時代は、手書きよりも文字入力の方が断然多いので、入力することについても説明します。
パソコンのキーボードを思い浮かべてください。アルファベットが配列されています。
日本語をパソコンで入力しようとすると、ローマ字入力をしますが、漢字やひらがなにカタカナなど変換作業というひと手間が加わります。
中国語も同じく、変換作業が必要となってきます。
こうやって比べてみると、多くの人が使いやすい英語が選ばれたことが分かります。
ちなみに、インターネットが当たり前に使われるようになった現在においては、ネット上の情報の8割以上が英語です。
日本語と日本人の特異性
今までは、FPSというゲームやインターネットという世界共通の原因と、英語についての説明でした。
ここからは日本語を母語とし、日本の義務教育を受けた方に焦点をしぼって、説明していきます。
日本語は「罵り言葉」が少ない言語
日本語は、他の言語に比べて圧倒的に罵り言葉が少ない言語です。
ですので、罵り言葉に対しての対訳も少ないです。
対して、色に関してはとても豊富な言葉があります。
例をあげてみます。
例えば、日本語だと「オレンジ」と「薄茶色」は全く違う色ですが、英語だと両方とも”Orange”で表現されてしまうそうです。
これと同じように、英語では軽めの罵り言葉だとしても、日本語に訳すと重たい罵り言葉になってしまうことが出てきます。
日本には「道徳」の授業がある
日本の義務教育を受けて育った方には、意外に思われるかもしれませんが、世界の中でも「道徳」の授業がある国は珍しいです。
いいか悪いかは別として、日本人の多くは「人に迷惑をかけないように」と考える人が多い国民性です。
世界においては「性悪説」をもとにルールを作成しますし、「自分の意見は伝えるべき」と教育されることがほとんどです。
きつく感じるのは当たり前
ここまであげてきた理由を全部合わせると、日本人が外国人とFPSをプレイして英語で煽られるときつく感じるのが当たり前なこと、
を理解してもらえると思います。
育ってきた文化が違い、罵り言葉が少ない言語を使っているのです。
慣れていないことをされると、きつく感じて当たり前です。
貧すれば鈍する
FPSというゲームは、プレイ中はとても緊迫しています。
あなたは切羽詰まった状態のときに、相手の気持ちを考えた言葉を発する余裕を保ち続けることができるでしょうか。
最初にゲームをしていた人たちの言葉遣いが悪くて、それが世界中の非ネイティブに伝わってしまったのかもしれませんが、
普段きれいな言葉遣いをしていても、ゲーム中には言葉遣いが悪くなる人はたくさんいます。
そんな背景があることも、頭の片隅に入れておいてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。煽り言葉は、そもそも日本語でもきつく感じるものだと思います。
英語を使う人の75%が非ネイティブなので、あなたの相手が使う英語の煽り言葉が、あなたとは違う感覚で使っている可能性もあります。
また、相手の顔が見えないネットでは、相手との距離感も難しいです。
ゲーム以外での英語のやり取りで、相手の人となりを把握したり、ゲーム前に一言「英語の煽り言葉はきつく感じる」と伝えられたら良いですね。
まだまだルールがしっかり定まっていない世界なので、プレイヤーの感覚の幅が大きく、傷つくこともあると思います。
もしも傷ついた場合は、しっかりと抗議をした方が良いですよ。
自分の意見を言うべきと教育を受けてきた人たちは、相手から意見を言われることに慣れています。
せっかくプレイするなら、お互いが楽しい時間を過ごせるほうが良いですよね。