冬のスポーツには、いろいろありますが、氷上の格闘技とまでいわれているのがアイスホッケーです。
このアイスホッケーは、北米では4大プロスポーツリーグの1つにあげられています。
NHL(ナショナルホッケーリーグ)で、冬のスポーツとしては絶大な人気を誇っているのです。
しかし、日本では冬のスポーツとしては、スピードスケートやフィギュアスケートが人気になっています。
なぜ、日本ではアイスホッケーは人気がないのでしょうか。
日本のアイスホッケーチームの現状
現在日本のアイスホッケーチーム(プロ・社会人・クラブチーム)は6チームです。
プロチームとうたっているのは日光アイスバックスのみになっています。
- レッドイーグルス北海道(旧王子製紙アイスホッケー部)クラブチーム
- ひがし北海道クレインズ(旧日本製紙クレインズ)クラブチーム
- 札幌ホッケークラブ(旧岩倉組・旧雪印が合併後数度チーム名変更)クラブチーム
- 東北フリーブレイズ(2009年に新規発足)クラブチーム
- 横浜GRITS(2019年に慶応大学アイスホッケー部OBにより発足)クラブチーム
関東で2チーム、東北地方で1チーム、北海道で3チームでアジアアイスホッケーリーグに参加しているのです。
国内でのリーグ戦は現在行われてはいないことになります。
アジアリーグって何?
アジアリーグアイスホッケーリーグは、日本、韓国、
ロシア連邦の3カ国のアイスホッケー連盟が参加して行うプロクラブチームの国際リーグ戦となっています。
日本のアイスホッケーチームは、このアジアリーグに参加して試合をしているのです。
2020-2021年のアジアリークに参加しているのは
- 日光アイスバックス
- レッドイーグルス北海道
- ひがし北海道クレインズ
- 東北フリーブレイズ
- 横浜GRITS
- アニャンハルラ(韓国)
- サハリン(ロシア)
の合計7チームでリーグ戦を行っています。
アジアリーグとしての目標は
- 世界トップレベルの選手を輩出し、世界トップレベルの選手が活躍するリーグをつくる。
- 北米、ヨーロッパに肩を並べるリーグの創設
- オリンピックでメダル獲得
かなり北米とヨーロッパの強豪チームを意識したリーグという事がわかります。
最終試合が終わった後に表彰式がありますが、かなりの賞が用意されていますが、賞金は出ているようですが、
組織や個人スポンサーが賞を出していることから、賞金額はかなり少ないことが予想されます。
日本でアイスホッケーが人気ないのは、収入がほぼ皆無だから!?
アジアリーグでの賞金だけで、プロチームやクラブチームの運営が成り立つという事は考えられません。
つまり、各チームにはスポンサーが付いていても、運営上はファンや個人スポンサーからの寄付が主な収入源といったところです。
それでも日光アイスバックス以外はクラブチームとなっているために、社会人を中心にチーム編成がされているために、
個人収入は、本人のサラリーで賄っていることになります。
日光アイスバックスの場合には、プロのため収入がない場合には選手はアルバイトなどをしている状況になっているのです。
この収入面の確保がうまく機能していないために、プロチーム化が進まずクラブチーム編成になっていることは明らかでしょう。
他のプロスポーツと比較するとアイスホッケーチームの収入は非常に低く、
この辺りも日本のアイスホッケーの人気が出て来ない状況を生みだしていると考えられます。
日本でアイスホッケーで収入が得られない原因は競技人口が少ないため!?
NFLの年間の売上は、日本円で推定4850億円といわれています。
それに、全世界でのアイスホッケーの競技人口は約180万人に対して、日本のアイスホッケーの競技人口は約2万人です。
その他のスポーツの競技人口
- 野球の競技人口:約730万人
- サッカーの競技人口:約760万人
- アメフトの競技人口;約2万人
- バスケットボールの競技人口:218万人
となっています。
ただ、アメフトは高校生・大学生、社会人のみのリーグとなっておりプロ化には至っていないです。
プロ化しているスポーツは最低でも100万人単位の競技人口がある事が明かります。
アイスホッケーは、競技人口が少ないためにメディアに取り上げられることが皆無に近い状態から考えると、
アイスホッケーリーグがある事を知らない方も多いという事になるのです。
観客の入場料などは、確実に期待できないことは明らかで、スポンサー頼りになってしまっていることになり、
スポンサーもメディアに取り上げられなければ、CM効果が得られないために、なり手が少ない現状になります。
人気ない=メディアに取り上げられない=CM効果がない=スポンサーの離脱
という事が考えられるのです。
日本のアイスホッケーが人気ないのは収入以外に何かあるのか?
日本でアイスホッケーの人気ないスポーツとして考えられる理由は、収入面以外にもいろいろ考えられます。
アイスリンクの不足
日本では現在、172か所のアイスリンクしかありません。
この172か所のアイスリンクをスピードスケート・フィギュアスケート・アイスホッケーが使用することになるのです。
当然ながら、人気のあるスピードスケートやフィギュアスケートを優先的にアイスリンクを使用することが、
多くアイスホッケーが使用できる時間帯が夜間しかないケースがほとんどになります。
プロやクラブチームは、アイスリンクを所持していますが、年間に維持費もかなり高額なために、
どのチームの維持費がかなり重荷になっている現状なのです。
日本人の体格
日本人の体格が大きくなったとはいえ、北米・ヨーロッパの選手に比べると体格と比較すると、まだまだ対格差に大きな違いがあります。
氷上の格闘技といわれているアイスホッケーですから、試合中にある程度の体当たりなどはルール上問題がないことになっているのです。
日本人同士では、ぶつかり合っても観客からみると迫力がないのにたいして、
NHLなどでの選手たちのぶつかり合いの迫力がハンパなく凄いために、日本人と北米やヨーロッパの選手とぶつかり合うと体格負けしていまいます。
簡単にいってしまえば、ぶつかり合いの迫力もアイスホッケーの魅力なのですが、
それが日本人の選手では、物足りないというのが人気がない原因の1つと考えられるのです。
アイスホッケーのルールがよくわからない
アイスホッケーが日本で人気がない理由の中には、ルールがよくわからないという事も原因と考えられます。
1ピリオド=20分で3ピリオドで1試合になるのですが、各ピリオドごとに15分間の休憩が挟まれるのです。
また試合中でも、選手の交代が自由に行われるなどルールがありますが、ルールを知らないと、
見ている方にとってはなぜ?審判に交代を申し出なくても交代できるのかなどがわからない状態になります。
ルールがわからない=観戦しても面白さがわからない
という事になるのです。
この3つの原因がアイスホッケーの人気ない現状となっていることになります。
メディアの露出度も低い=関心度が低いのも大きな原因でもありますが、根本的な原因を解決しない限りは、
アイスホッケーが人気ない状態が続くことになってしまうのです。
まとめ
日本でアイスホッケーが人気ない理由を紹介してきました。
- 日本のアイスホッケーチームは国内でのリーグ戦がなく、アジアリーグと称して日本、韓国、ロシアの3か国のリーグでしか試合がない。
- アイスホッケーのチームはスポンサー企業や個人スポンサーが付いているだけで、収入面でかなり厳しい現状となっている。
- 競技人口がプロリーグを行っているにも関わらず、約2万人しかいない。
- メディアに取り上げられることがない。
- 日本でアイスホッケーが人気ないのには、アイスリンクの不足、海外選手との対格差、ルールがよくわからないなども、人気ない原因と考えられる。
などがあげられます。
40年くらい前には、王子製紙vsコクド計画や雪印・西武鉄道などの試合が昼間の時間帯でTV中継されてはいましたが、
現在では地上波ではアイスホッケーの放送はありません。
アイスホッケーの人気ない理由には、すそ野の競技人口の増加やメディアに取り上げられることなどがない限りは、
このまま人気低迷が続いてしまうのでしょう。