「スヌーカー」という言葉をご存じでしょうか。
日本ではあまりなじみがないゲームですが、
イギリスや旧英連邦諸国ではたいへん人気があります。最近では中国などアジア圏でも人気が高まってきています。
今回はスヌーカーがどんなスポーツなのか、スヌーカープレイヤーが得ている報酬がどのくらいなのか、について説明をしていきます。
スヌーカーとは?
スヌーカーは、19世紀にイギリスで生まれたとする説が有力です。
ビリヤードの方が先に誕生していましたが、より多人数で楽しめるように、と考案されたということです。
ごく簡単にルールを説明すると、
- プレイヤーは赤球とカラーボールをポケットに落としていき、相手より多く得点することを目的とする。
- 球をポケットに落とし続けている場合は、プレイヤーは継続してプレーできる。落とせずミスをしたプレイヤーは、交代となる。
- 赤球がすべてポケットに落ちるまでは、カラーボールがポケットに落ちてもテーブルに戻される。赤球は、一度ポケットに落ちてしまえば、そのフレーム中はテーブル上に復活することはない。
- 手球以外すべての球が落ちたら1フレーム終了。その時点で得点の高い方がそのフレームの勝者となる。
となります。
「スヌーカー」という言葉には、「邪魔をする」という意味合いもあります。
相手のプレイヤーが次の手を打ちづらい状況にもっていくのが、このスポーツの醍醐味とも言えます。
スヌーカーとビリヤードの違いは?
「ビリヤード」と言うのは、海外では「キュー(ボールを突く棒)を使ったボールゲームの総称である」というのが一般的な見方です。
スヌーカーはビリヤードというゲームの中のひとつの形態です。
日本で言われるところのビリヤードは、イギリスでは「プール」と呼ばれます。
違いとしては、「球の数やテーブルの大小」「一度ポケットに入った球の扱い」などです。
手玉は白というのは共通していますが、15個の赤色の球と赤以外の色である6個のボールを使用するところが違います。
(赤は1点、黄→緑→茶→青→桃→黒の順に、それぞれ2,3,4,5,6,7点)
場合によっては、一気に100点以上のスコアを荒稼ぎすることも可能です。ただし、それが簡単ではないのは当然のことです。
スヌーカーとプールの違いの一部は、以下の表の通りです↓↓↓
スヌーカー |
プール |
|
球の数 |
最大22個
(手玉1個 赤×15 黄・緑・茶・青・桃・黒 各1) |
最大16個
(手球1個 黄・青・えんじ・紫・オレンジ・緑・茶・黒・9以降白ライン入りで黄→青…の順) |
球の大きさ | 小さい(52.5mm) | 大きい(57mm) |
ポケットの大きさ | 小さい
(球1:ポケット:1.4) |
大きい
(球1:ポケット2.1) |
テーブルの大きさ | 大きい
(3,569mm×1,778mm) |
小さい
(2,54mm×1,270mm) |
球の扱い | 赤玉がすべてポケットに入るまでは、カラーボールはポケットに入っても再びテーブルに戻される | 手球以外の球は、ポケットに入るとそのゲーム中はテーブルに戻ることはない(ファールの際以外) |
世界のスヌーカープロプレイヤーはどのくらい稼ぐ?
スヌーカープレイヤーの収入について見て行きましょう。
その前に、スヌーカーのプロプレイヤーはいったいどのくらいいるのでしょうか?
2016年時点では、世界のプロスヌーカープレイヤーは130人程度いるそうです。
イギリスではプロのスヌーカープレーヤーは数多く、収入も高いです。その年収は数千万円~数億円にも上るとのことです。
スヌーカー界最高のタイトルである「世界スヌーカー選手権」の優勝賞金は42万5000ポンド(約6300万円)です。
ウィキペディアより引用
なんと、この大会はエントリーされれば、たとえ1回戦敗退しても2万ポンド(日本円で約270万円)の賞金が獲得できます。
他に「UKチャンピオンシップ」「マスターズ」という大会が毎年行われ、これら3つを総称し「スヌーカー3大大会」と言います。
これらの大会で上位の成績を収めれば、年収億超えも視野に入ってくるというわけです。
これだけの収入が得られる背景には、スヌーカーに対する注目度の高さが挙げられます。
イギリス国内ではスヌーカーの試合の模様が常にテレビ中継されています。さながら、かつての日本の野球中継のようにです。
イギリスのプロのスヌーカープレーヤーは常に注目の的であり、トッププレイヤーになると、
本業のスヌーカー以外での仕事が増え、そちらで収入を得ることもあります。
有名なプロスヌーカープレイヤー
プロスヌーカープレイヤーは世界各地にいますが、
その中でもトップのプレイヤーは、やはり本場イギリス人選手が多いようです。ここでは、特に有名な3名をピックアップしました。
ロニー・オサリバン
ロニー・オサリバンは1975年生まれのイギリス人です。過去に世界スヌーカー選手権を6度制覇しています。
選手としての特徴は、両利きであること、プレーが非常に早いということです。
1シリーズ最高得点(マキシマムブレイク)を、わずか5分20秒で達成したこともあります。
動画を見ても、「これは編集されているのでは?」と感じるほど躊躇なく打っているように見えます。
レースに参加したり、ミステリー小説を著したり、と多才でもあります。
2021年現在の賞金獲得総数は、10,219,665英ポンド(約15億円)です。これは、2021年時点での生涯獲得賞金のNo.1記録です。
スヌーカーを語るうえで、外せない選手と言えるでしょう。
マーク・ウィリアムズ
マーク・ウィリアムズは1975年生まれで、ウェールズ出身の選手です。世界選手権は3度制しています。
同一シーズンでスヌーカー3大大会をすべて制覇した実績があります。
2018年の世界選手権では、43歳と史上最高齢での優勝を達成しました。その際、事前の公約に沿って、「裸」で記者会見を行っています。
2021年現在の賞金獲得総数は、6,640,914英ポンド(約10億円)です。
ジョン・ヒギンズ
ジョン・ヒギンズは1975年生まれ、スコットランド出身の選手です。世界選手権は4度の優勝経験があります。
巧みな戦術と積極果敢なショットが持ち味で、「ウィザード(魔術師)」と称されています。
過去にマキシマムブレイクを5度記録しており、キャリア通算のセンチュリー(1フレーム100得点以上)は360を超える名手です。
2021年現在の賞金獲得総数は、4,833,480英ポンド(約7億円)です。
スヌーカー、日本での現状
日本では、土地がせまくスヌーカー台を置くスペースがなかなか確保できません。
そのためか、スヌーカーはイギリスやアジア圏に比べほとんど普及していません。
ビリヤード場自体は日本にも多くありますが、その中でスヌーカー台を見つけることはなかなかできません。
しかし近年、スヌーカー中継を行う放送局もあり、国内でもスヌーカーへの関心が少しずつ高まってきています。
これからスヌーカーを始めようと思う方は、スヌーカー台を設置しているビリヤード場に足を運んでみるといいでしょう。
と言っても、前述のように設置店舗はかなり少ないですが。
スヌーカー台が設置されている店舗は、東京では豊島区の「ビリヤード・ロサ」や新宿の「バグース」などです。
また、「日本スヌーカー連盟」という窓口もあるので、そちらに問い合わせてみるのも良いでしょう。
日本スヌーカー連盟のホームページ↓↓↓
まとめ
スヌーカーと言う競技を初めて知った、と言う方も多いのではないでしょうか。
この記事を読んでスヌーカーを始めようと思ったら、今がチャンスだと思います。
日本での競技人口が少ないにも関わらず、海外で人気が高いということは将来性がたいへん高いスポーツということになります。
また、前述のように、プロのトッププレイヤーになると億を超える賞金を獲得することもできるので夢がありますね。
賞金狙いでなくても、これから趣味で始めるのにもお勧めのスポーツです。