世界レベルで有名なスポーツと言えば、真っ先に浮かぶのは野球やサッカーが多いのではないでしょうか。
しかしながら、ここ数十年でヨーロッパ・アジア諸国を中心に、海外で一大ブームを巻き起こしているスポーツがあります。
それが「スヌーカー」です。
一見するとビリヤードとそっくりなのですが、台とボールの大きさに違いがあり、ルールも異なります。
スヌーカーは、ビリヤードとは似て非なる存在なのです。
今回はプロの獲得賞金額をランキング形式で紹介し、海外での人気ぶりについて解説していきたいと思います。
そもそもスヌーカーとは?
スヌーカーとは、ビリヤードから派生したキュースポーツの1種です。
ビリヤードは比較的少人数でのプレイとなりますが、より多くの人数でも楽しめるようにスヌーカーが開発されました。
起源については諸説ありますが、その中でも最も有力なのが1875年にインドに駐留していたイギリス軍内部で誕生した説です。
そして何より面白いのが、このスヌーカーというネーミング。
当時のイギリス軍の中でスヌーカーとは「士官候補1年生」という俗語として使われていた言葉でした。
つまり、もともとは仲間内でゲームの失敗をからかうワードだったのです。
ところがゲームとして誕生して間もないことから、みんなが初心者=スヌーカー(士官候補1年生)と呼ぶことになり、
その呼び名のまま広がって行きました。
そして現在。今やスヌーカーの人気はヨーロッパ諸国だけに留まりません。
中国やタイといったアジアを中心に世界中で親しまれるスポーツとなったのです。
海外ではスヌーカーの試合がテレビで生中継されており、観客やファンが試合の様子を見守っています。
日本におけるスヌーカーの知名度
先ほどのインド発祥説を有力とするならば、スヌーカーはまだまだ新しいスポーツです。
近隣のアジア諸国に比べると、残念ながら日本の競技人口は非常に少ないのが現状と言えます。
その理由としては知名度が少ないことと、通常のビリヤード台よりも大きいスヌーカー台が必要であること。
ビリヤード場に設置されているような一般的なビリヤード台が290㎝×160㎝であるのに対し、
スヌーカー台は1番小さなものでも約5mの長さがあります。
これだけでも、非常に大きいことが分かりますね。
大会で使われているサイズだと、採用されているのは12フィートテーブル(約6.2m×4.65m)です。
このように、テーブルの取り寄せや設置だけでもハードルが高いスポーツであることは否めません。
しかしながら、海外でのスヌーカー人気が絶大なのは事実です。
日本におけるスヌーカーの普及はそう遠くないかもしれません。
いずれにせよ、まだまだ急成長を遂げているスポーツであると言えるのです。
スヌーカーの世界ランキングについて
発祥のイギリスのみならず、アジア諸国をはじめとした海外での人気が盛んなスヌーカー。
その人気ぶりは世界の賞金ランキングを見れば一目瞭然です。
有名な世界大会となれば、優勝賞金はなんと数千万規模!驚きですね。
その賞金の高さから、一攫千金が狙えるスポーツとしても注目が集まっています。
プロとなれば、数年で億単位の年収を得ることも可能と言えるのです。
近年のランキングを見てみると、イングランドやスコットランドの選手も名を連ねています。
ヨーロッパ諸国以外では中国人やタイ人選手の活躍も目覚ましいものです。
スヌーカーを代表するプロプレイヤーと言えば、イギリス出身のロニー・オサリバン選手は外せません。
怒涛の快進撃を続けている中国人プレイヤーとして、丁俊暉(ディン・ジュンフィ)選手の名もよく見かけます。
そのほかに若手女性プレイヤーとして、タイのヌチャルット・ウォンガルタイ選手(通称ミンク選手)が注目されています。
生涯獲得賞金額ランキング
ここからはプロプレイヤーたちの生涯獲得賞金ランキングについて紹介していきます。
※2020年時点。賞金額は概算で日本円に換算しています。
獲得賞金数(概算) | 選手名/出身国 |
1位:16億4,000万円 | ロニー•オサリバン選手(イングランド出身) |
2位:12億8,000万円 | ジョン・ヒギンズ選手(スコットランド出身) |
3位:12億6,000万円 | スティーブン・ヘンドリー選手(スコットランド出身) |
4位:9億1,000万円 | マーク・ウィリアムス選手(ウェールズ出身) |
5位:8億3,000万円 | マーク・セルビー選手(イングランド出身) |
ここまで、生涯獲得賞金額ランキングでした。
上位の選手たちを見ていると、平均でプレイヤー歴20年以上の大ベテラン。
2020年の時点で、間もなくプロ歴30周年を迎える選手ばかりです。
金額だけを見ると想像できないような莫大な数字ですが、30年近くも技術を磨き続けてきた選手たちの生き様が窺えます。
スヌーカーはどこでプレイできる?
日本国内において、ビリヤードと比べるとスヌーカーをプレイできる場所というのは限られています。
前述でもお伝えしたように、まだまだ知名度が低いことと大きなスヌーカー台を用意することがネックとなっているからです。
しかしながら、日本にスヌーカー場が全くない訳ではありません。
関東圏内でもプレイできる場所はありますので、気になる方は近くのスヌーカー場がどこにあるのかチェックしてみてください。
海外でプレイ環境が充実している場所としては、タイや上海が有名です。
それだけ競技人口が非常に多く、ビリヤード場に行けばスヌーカー台も一緒に併設されています。
逆に意外なのが、本場イギリスでスヌーカー場が消えつつあること。
致命的な理由としてはスヌーカー場での禁煙です。
一時の大流行によって、もともとの店舗数が多過ぎたことも原因として挙げられます。
プロプレイヤーの年収
2021年に行われた世界大会では優勝賞金が7,500万円と、夢のような金額です。
ベスト32でも300万円もの賞金が出ています。
ここで注目したいのは、スヌーカーで最高得点とされる147点を出した場合(通称マキシマムブレイク)には別途賞金が用意されていることです。
スヌーカーにおける147という数字は特別であり、決して偶然で出せる点数ではありません。
大会にもよりますが、147の数字を出せば数十万から数百万の賞金が出ることがほとんどです。
先述の世界大会では、約600万円ほどの賞金が用意されています。
それほどに、スヌーカーにおけるマキシマムブレイクは特別であり、ゲームの華であると言えるのです。
まとめ
ここまで賞金ランキングを中心にスヌーカーについて紹介しました。
世界大会の優勝賞金額を見ると、野球やサッカーと並ぶ超人気スポーツと言えますね。
日本国内ではまだまだ知名度が低い状態ではありますが、今後注目されていくことは間違いありません。
この記事をきっかけに、少しでも多くの人にスヌーカーに興味を持って頂けたらと思います。