サッカーのポジションの一つにフォワードがあります。
ゴールやポストプレイなど前線で活躍する姿はダイナミックそのもので、見るサポーターを歓喜の渦の巻きこむのが魅力的なポジションです。
今回は、フォワードというポジションがどんな役割を果たし、どんな仕事をしているのか、有名選手を含めて詳しくご紹介していきます。
フォワードとは
フォワードは、相手ゴールに一番近い場所に位置し、テレビのサッカー中継やゲームではFWと表記されます。
相手ゴールに一番近いポジションのため得点チャンスに絡みやすく、各国リーグや代表戦の得点ランキングは必ずと言って良いほどフォワードの選手が名を連ねます。
フォワード一つとっても、自分でゴールまでドリブルで切り込みゴールを奪う選手もいれば、
味方からのパスにいち早く反応してゴールを奪うワンタッチゴーラー、相手ディフェンスの裏をついてゴールを狙う裏抜けが得意な選手など、
様々なスタイルを持った選手がいるのも大きな特徴です。
ゴール以外の仕事もある
元日本代表であり、男子サッカー代表最多得点記録保持者である釜本邦茂さんは、「フォワードはドリブルとシュート練習さえしていればいい」と、度々口にします。
しかし、近代サッカーでは戦術が複雑化しているため、フォワードにも守備力やカバーリング能力が求められるようになりました。
ロナウドなど爆発的な得点力をもつフォワードを多数輩出してきたブラジル人フォワードの数が減ってきたのも、
戦術の多様化によってフォワードのタスクが増えてきたのが原因の一つです。
サッカーは前後半45分ずつ、合わせて90分間を戦うスポーツですが、一人当たりのボール保持時間は平均約90秒と言われています。
フォワードは、相手ゴール近くに位置する場合が多いので、試合によってはゴールを保持する時間が90秒を下回ることもほとんどです。
その他のボールを触っていない時間に、どれだけ相手チームが嫌がること、効果的な場面を増やすのが、フォワードの重要なファクターとも言えます。
フォワードの役割
サッカーにおけるフォワードの役割の一つとして、ゴールを決めることが最も重要な仕事です。
ただ、フォワード一つとっても、選手の特性によって様々な役割が与えられており、各選手の個性が光るシーンを試合で存分に発揮してくれます。
フォワードの役割とは、いったいどんな種類があって、どのような仕事をしているのか、詳しく見てきましょう。
センターフォワード
相手ゴール前の中央付近に位置し、ゴールを狙うストライカータイプが多いのがセンターフォワードです。
2トップ、4-2-2-2や3-5-2の場合は、ファーストストライカーと呼ばれます。
しかし、相手ゴール前に張り付いていたのでは、オフサイドを取られやすくなりますので、時には自軍側に下がってボールをもらいにいったり、
ポストプレイで上がってきた選手にボールをつなげる役割も担うのが特徴です。
センターフォワードは、ボールを持っていない時の動き、いわゆるオフザボールの質が高い選手が多く、相手ディフェンダーを混乱させる役割も担っています。
ディフェンス時にはゴールキックの場所を限定させたり、相手ディフェンダーのマークについてパスコースを遮断する、
相手チームのセットプレイ時には自チームのペナルティエリアに戻りディフェンスに参加する選手も見どころです。
しかし、得点が奪えない、シュートが決まらない状態になると、バッシングの的になりやすいのがセンターフォワードの悩みの一つです。
セカンドトップ
センターフォワードの近くに位置し、相手ディフェンダーをひきつけたりチャンスメイクをする、時にはゴールを狙うのがセカンドトップです。
別名シャドウストライカー、セカンドストライカー、偽9番と呼ばれ、2トップの場合はセンターフォワードの真下か近く、3トップの場合は、
センターフォワードの斜め後ろ、ゴールから見て45度の場所にポジションをとります。
セカンドトップは、2トップと3トップの場合で微妙に役割が変わる場合がありますが、相手ディフェンダーを引きつけてセンターフォワードをノーマークにしたり、
ボールを保持した時に、自分でドリブルをしゴールを狙っていきます。
ディフェンス時には、センターフォワードのカバーに入ったり、中盤の数が薄くなった時にカバーに入るなど多彩な仕事をこなすのがセカンドトップです。
ウィング
センターフォワード側のサイドに位置し、相手の深い位置からドリブルを仕掛けゴールチャンスを演出するのがウィングです。
相手サイドバックと1対1の勝負を仕掛けることが多く、その姿は見る人を惹きつけます。
サイドバックをかわしてクロスをいれて得点につなげたり、ときには相手ゴールに向かってドリブルを仕掛けシュートを打つのが大きな特徴です。
足の速い選手が多いので、カウンターでディフェンスの裏を抜けてビッグチャンスを作り出すことが多いのもウィングの魅力です。
フォワードの有名選手
サッカーにおけるフォワードは、一番わかりやすいゴールを奪うという仕事があるため、クローズアップされやすいポジションの一つです。
そのため、多くのフォワードが最優秀選手に選ばれたり、過去に名選手を何人も輩出してきました。
ここからは、各役割の有名選手をピックアップしてご紹介していきます。
センターフォワード
センターフォワードの有名選手と言えば、やはり「半端ない」でブレイクした大迫勇也選手が一番に上がるでしょう。
その他の日本人選手では、岡崎慎司選手や浦和レッズの興梠慎三選手、先日ベルギー・プロリーグのシント=トロイデンVVへ移籍が決まった林大地選手が有名です。
海外選手では、ポーランド代表のロベルト・レバンドフスキ選手、先日ポルトガル代表引退を表明したクリスティアーノ・ロナウド選手、
ノルウェー代表のアーリング・ブラウト・ハーランド選手、ウルグアイ代表のルイス・スアレス選手が有名です。
セカンドトップ
現代サッカーでは、1トップを採用しているチームが多いため、セカンドトップの選手がセンターフォワード、ウィング、
トップ下の役割を担うことが非常に多くなっています。
日本人選手では、サンフレッチェ広島の森島司選手、元日本代表の香川真司選手、川崎フロンターレの小林悠選手が有名です。
海外では、フランス代表のアントワーヌ・グリーズマン選手、ベルギー代表のドリース・メルテンス選手、アルゼンチン代表のパウロ、
ディバラ選手、ブラジル代表のロベルト・フィルミーノ選手が有名です。
引退した選手でも有名な選手が多いのが特徴で、FCバルセロナで一時代を築いたロナウジーニョ選手や、
マンチェスターユナイテッドの黄金期を支えたウェイン・ルーニー選手がよく名前に上がります。
ウィング
ウィングでの日本人選手で良く名前にあがるのが、スピードスターと言われるFC東京の永井謙佑選手でしょう。
その他では、元日本代表の松井大輔選手や乾貴士選手、そして三浦知良選手が有名です。
海外では、エジプト代表のモハメド・サラー選手、フランス代表のエムバペ選手、セネガル代表のサディオ・マネ選手が有名です。
まとめ
サッカーのフォワードはゴールを決める花形ポジションと言われていますが、現代サッカーでは仕事も多く数字に見えない役割を数多くこなしています。
相手ディフェンダーとの駆け引きや前方からはめ込むディフェンスなど、得点以外にも目をみはるプレイが多いのもフォワードの魅力です。
サッカーの試合を見たら、フォワードがどこにいてボールを持っていない時に何をしているのか見てみましょう。
また一つサッカーの面白さが発見できること間違いなしです。