サッカーは、基本的には手でボールを扱ってはいけないスポーツなので、頭でボールを扱うヘディングはサッカーにおいて重要なテクニックです。
ヘディングを使うことで相手より先にボールに触れることができ、早くパスやシュートにつなげることができるからです。
ヘディングの基本
ヘディングは2つの基本があります。
1つ目のポイント:ミートポイント
ボールを当てる位置はおでこの下、左右の眉のあいだのあたりです。
ここに当てるとまっすぐに強いボールを返すことができます。
おでこの上、髪の毛の生えぎわは角度が斜めになっているのでコントロールがしにくく強いボールが返せません。
2つ目のポイント:からだの位置
ヘディングでボールを当てるときのからだの位置もとても大切です。
意識しなければいけないのは、ボールを当てるときに横から見た自分のからだのラインです。
ボールがきたらからだをしっかり反って、そこからボールに向かって反った上体を起こしていき、からだのラインがまっすぐになった状態か、
少し後ろでボールを頭に当てます。
そして、ボールの行方を見ながら前へ押し出すようにします。
からだのラインより前でボールを当ててしまうと、からだの力がボールに伝わらず強いボールが返せないだけでなく、
正しい位置(眉の間)にボールが当たなくなるので気を付けましょう。
サッカーのヘディングって怖い??
ヘディングはサッカーにおいてとても重要なのはわかるけど、頭に直接ボールが当たる・・と考えるだけで「痛そう・・」「怖い・・」と思う人も多いと思います。
しかし、ヘディングは正しく知ると怖くないんです。
ヘディングが怖いのは思い込み
「怖い」と感じるのは、実は想像のなかで作り上げられたいわゆる思いこみです。
この怖いという思いこみを取りのぞくことでできるようになります。
ヘディングの怖さを取りのぞく
ヘディングが怖いと感じるのは、予測できない恐怖感があるからです。
急にだれかにほっぺたをたたかれたら痛いですよね。
自分でたたいたらどうでしょう?
他人にたたかれるような痛みを感じる人は少ないと思います。
なぜなら、自分でたたくときは「どれくらい痛いか」を予想できるし、自分のタイミングでたたくからです。
だれかにたたかれるときは、「どのくらいの強さでたたかれるか」また「いつたたかれるか」わからないから痛いのです。
ヘディングも同じで、ボールが自分の頭に当たるとき「どのくらい痛いのか」よくわからないと怖いですよね。
このよくわからない怖さを消すとヘディングが怖くなくなります。
ヘディングの怖さを消す練習
練習では「頭にボールが当たっても大丈夫!痛くない!ヘディングは怖くない!」という経験をしていきましょう。
自分でボールをおでこに近づける
この練習で大切なのは、目をつぶらず最後までしっかりボールを見ることです。
まず、ボールを自分で左右の眉のあいだに落とすように近づけます。(はじめはギリギリまで近づけるだけで大丈夫です。)
それができるようになったら、次はポンと軽くぶつけてみましょう。
正しい位置にぶつけると痛みはほとんどありません。
目をつぶらなくなるまでは、この練習を続けましょう。
慣れたら、少しずつボールの位置を高くして落としていきます。
手でキャッチ
今度は飛んできたボールが頭のあたりに来ることになれるために、キャッチの練習をします。
最初は近距離から低めに投げたボールをキャッチします。
慣れてきたら少しずつ距離を離したり投げるボールも高くしていきます。
この練習をすることで、ボールが自分めがけてとんでくることになれることと、落下点に入ることができます。
リフティング
リフティングをして頭に当てることを繰り返すこともヘディングの怖さを消すための近道になる練習です。
自分でボールをコントロールして頭に当てるのは、何度やっても痛みは感じません。
また、怖さも感じません。
これは「いつ、どれくらいの強さのボールがくるか」わかっているからです。
リフティングは頭だけでなく、太ももや胸などにもボールを当てるので、サッカーにとって大切なボール感覚を身につけるにはとてもよい練習です。
回数を重ねて恐怖感に打ち勝とう
これらの練習はとにかく回数をこなすことが大切です。
チームでの練習ではヘディングが怖い人の恐怖感を消すことはできません。
怖くても練習は進んでいきますし、怖いまま練習してもできるようにはなりません。
それに、試合のときにはどんなボールが飛んでくるかわかりません・・いえ、練習のようなボールはほとんど飛んでこないでしょう。
自主トレーニングを何度も何度もやって怖さを克服しましょう。
自主トレーニングはボール1つあればできるので、いいですよね。
頭にボールが当たることに慣れてきたら
自分でボールを頭に当てることが怖くなくなってきたら、次はいよいよ人からのボールを頭に当てる練習をしてみましょう。
ヘディング練習(2人)
最初は近くから相手にボールを頭のあたりに投げてもらって、そのボールを頭に当てて相手に返しましょう。
相手めがけてまっすぐ返すようにしましょう。
怖くなくなってきたり、まっすぐ返せるようになったら、相手に2~3メートルほど離れてもらい同じように投げてもらって頭に当てて相手に返しましょう。
それもできるようになったら、今度は片足を上げてヘディングします。
上げた片足をけり下ろしながらヘディングをすることで、ヘディングの強さが増します。
ヘディング練習(3人)
3人が三角形をつくるように2~3メートル離れて立ちます。
3人をA、B、Cとすると、AがBの頭のあたりにボールを投げて、BはそのボールをヘディングしてCへ返します。
何度かやったら、今度は逆方向をやります。
ここまでできるようになったら、もう大丈夫です。恐怖心は消えているはずです。
まとめ
頭にボールが当たるのを怖いと思う人もいますが、正しく根気よく練習すれば怖さも克服できます。
また、ヘディングができるようになることでプレイの幅もぐんと広がるので、苦手意識を持たずにチャレンジしてみましょう。