サッカーをしたことのある人であれば誰しもが知っているであろうショートカウンター。
しかし、初心者からすれば、ショートとつくことでカウンターと何が違うかなどわかるはずもありません。
そこで今回は、サッカーをやるうえでは必須な知識であり、やらなくても知っていればサッカー観戦をより楽しむことができるように、
わかりやすくショートカウンターを解説します!!
ショートカウンターについて知っているという方も、復習がてらご覧ください
ショートカウンターとは
ショートカウンターとは、その名前の通り、短い距離でのカウンターです。
一般的にカウンターというと、自陣深くでボールを奪って速攻を仕掛けるというイメージが強いかもしれませんが、それはロングカウンターと呼びます。
ショートカウンターは、相手陣に近い自陣または、相手陣の浅い位置でボールを奪い、素早く攻撃をするカウンター戦術です。
具体的なエリアを説明すると、サッカーコートを三等分した真ん中のエリア、もしくは敵陣からカウンターを仕掛けることを一般的にショートカウンターと言います。
ちなみに、ロングカウンターはサッカーコートを三等分した自陣側のエリアからカウンターを仕掛けることです。
ショートカウンターの歴史
ショートカウンターという戦術は、弱者が強者を打ち破る戦術として生み出されました。
高い位置でのハイプレスを徹底し、ショートカウンターをすることで、今まで崩せなかったディフェンスラインはいとも簡単に打ち破ることができました。
では、この強者とはどのチームのことを指すのでしょうか?
それは、かつてのバルセロナです。
グアルディオラ率いるバルセロナに対して、多くのチームがロングカウンターを狙っていました。
しかし、ロングカウンターではバルセロナを崩すことができません。
なぜなら、バルセロナのサッカースタイルは、ショートパスをつなぐポゼッションを軸とし、守備面でもゾーンによる守りを徹底していたからです。
これによって、相手はペースを崩されていくわけです。
そこで、この戦術ではバルセロナを破れないと感じた当時のモウリーニョ率いるレアルマドリードは、ショートカウンター戦術を取り入れました。
ディフェンスラインを常に高い位置で保ち、時と場合に合わせてゾーンディフェンスとマンマークを使い分け、
ハイプレスで奪ったところでワンチャンスに賭けてショートカウンターを仕掛けるというものでした。
この戦術は見事にハマり、両ウイングのアンヘル・ディマリアやクリスティアーノ・ロナウドの走力を生かし、完璧ともいえるショートカウンターが完成しました。
そして、このショートカウンター戦術は、少しづつ形を変えながら、今では多くのチームが採用しています。
弱者が強者を下すための戦術ではなく、普遍的なものへと変化していったのです。
ショートカウンターに必要な3つの考え方
ショートカウンター戦術をとるにあたって、重要なことが大きく分けて3つあります。
ここではそれぞれについて説明していきます。
ハイプレス
ショートカウンターをするにあたって最初にしなければならないのは相手からボールを奪うことです。
そのため、ハイプレスを行うのは必須です。
ハイプレスと言えど、エリアによってその方法は変えなければなりません。
敵陣中央や深い位置では、ボールを刈り取るということよりも、縦のパスコースを切ることを意識する必要があります。
そうすることで、相手はサイドにパスを出さざるを得なくなり、そこを狙って一気にハイプレスをかけ、サイドラインに追い込むことでボールが奪いやすくなります。
次に、サッカーコート中央においてのプレスです。
このエリアでは、一人は必ずボール保持者にプレスをかけ、他の選手がインターセプトを狙うことでボールを奪います。
もし相手が再度に逃げるようなら、先ほどと同様にライン際まで追いつめてボールを奪います。
長い時間ボールを奪えない場合はショートカウンターを狙うのは諦めて、ポゼッションサッカーに切り替えることをおすすめします。
最短距離
ショートカウンターはいわずもがな、スピードが命です。
ボールを奪ってから、相手がディフェンスラインを整える前に叩く必要があります。
そのため、ボールは最短距離で前線へと送らなければなりません。
もしここでボールを奪ったからと言ってサイドに展開するのはナンセンスです。
相手に戻るスキを与えず、最速で最短距離でパスを通し、ゴールを決める。これがショートカウンターです。
横の攻撃ではなく、縦の攻撃というわけです。
数的優位
ショートカウンターの際には、味方と相手の人数を把握しなければなりません。
サッカーコート上の選手の位置と人数を常にある程度は把握することを意識するといいでしょう。
数的優位の状況を作ることが、ショートカウンターが刺さるか否かを大きく左右します。
数的優位というだけでは難しくないかと思う人もいるでしょうが、そんなことはありません。
相手が攻撃へと意識を変えたとき、基本的にサイドバックは大きく外に開いています。
その時、ディフェンスラインは横に伸びているわけですから、このタイミングでボールを奪うことができれば、
サイドバックが絞ってくるまではディフェンダーが2人ないしは1人しかいないわけです。
そうすれば、最初からショートカウンターを狙っていれば簡単に数的優位な状況を作り出すことができます。
まとめ
今回は、サッカーにおけるショートカウンターの歴史と、戦術面での重要な考え方・戦い方について解説しました。
短い歴史でも、その時代の人たちは最善の結果を出すために何回も試行しました。
そうして生まれたのが今のショートカウンターという戦術です。
その考え方を私たちは継承し、利用してサッカーを楽しむという権利を持っています。
サッカーは奥が深く、戦術は無数に存在します。
その中の一つであるこのショートカウンターを学ぶことで、サッカーをプレーするうえでも、観戦するうえでも非常に役に立つことでしょう。
これからのあなたのサッカー人生がより豊かになるよう心から願っております。