サッカー経営の心臓部「移籍金」の仕組みを解剖!移籍金の歴史も確認

現代サッカー界において、巨額のお金が動く「移籍金」。1選手に対して億単位の移籍金が発生することも、もはや日常的になっています。

移籍金は、サッカービジネスにおいて、スポンサー料、テレビなどの放映権料と並んで、サッカー運営の3本柱と呼ばれています。

サッカービジネスにおける移籍金は、どのような仕組みでどんな歴史を歩んできたのか、何故巨額のお金が動くマーケットに変貌したのか、詳しく解説していきます。

サッカーの移籍金

サッカーの移籍金は、選手が他チームに移籍する際に発生するお金のことを指します。

選手が、自チームの契約期間中に他チームへ移籍する時に発生するお金と考えて良いでしょう。

選手が、契約期間を全うして契約が終了すると、移籍金は発生せず、選手は自由に他チームへ移籍することが可能となります。

自チームが手塩にかけて育てた選手が、移籍金なしで他チームへ移籍してしまうと自チームに不利益が生じますので、

何とか移籍金を作るために試行錯誤を繰り返すのが、サッカー運営における重要なファクターの一つです。

サッカー運営の柱、移籍金とは、どのような仕組みで構成されているのか解説します。

移籍金の仕組み

移籍金は、正確には選手とチームが交わした契約が全うされなかったことに対する契約解除金の名前が移籍金に変わったものです。

プロサッカークラブにプロ選手として登録している全ての選手は、クラブとの間に契約年数を設けて、該当する契約期間内はチームで活動する旨の契約をしています。

契約期間内は、クラブに保有権が発生して、移籍はもちろん、クラブでの活動すべてにおいて、選手はクラブからの指示に従う必要があります。

しかし、契約期間内に他クラブから勧誘があった場合、自クラブに保有権がありますので、選手は独断で交渉はできません。

まずは、クラブ間同士で話し合いをして、移籍金などの話で同意が得られたら、選手は他クラブと年俸などの交渉が可能となります。

複雑そうに見えて、意外とシンプルに構成されているのが、移籍金の主な仕組みです。

移籍金はチームが立て替える

契約期間内に選手が他クラブへ移籍する時は、契約が全うされなかったわけですから、当然契約不履行に該当します。

従って、契約不履行に対するお金は選手側が支払うのが当然となりますが、移籍金のマーケットが巨大化してしまったため、

選手にはとても支払えないお金になっているケースがほとんどです。

そこで、移籍するクラブが試合での活躍、ユニフォームの売り上げ、広告塔などでクラブに貢献することを条件に移籍金を立て替えます。

天文学的な移籍金でクラブに移籍した選手は、大きくメディアに取り上げられて、選手とクラブに注目が集まる、立派な広告塔です。

そして、ファンが移籍した選手のユニフォームを購入し、試合で活躍すると観客が集まり入場料収入が増えていき、放映権料が増えてクラブの財政が安定していきます。

移籍金は、選手の活躍次第で莫大な収入が見込めるための投資と考えているクラブがほとんどです。

契約が満了した場合

契約期間が満了して他クラブに移籍する場合は、移籍金は発生しない仕組みになっています。

クラブと選手の間では、最短で1年、最長で5年の契約期間を設けています。

複数年契約している選手は、契約期間満了までにクラブと契約を延長してプレイを続けるか、他クラブへ移籍するか決断を下さなければなりません。

クラブは、試合での貢献度、練習態度などを考慮して契約延長するかを決めますが、最終的な決定権を持つのは選手です。

選手側が契約を延長せずに他クラブへ移籍する場合は、クラブの保有権が消滅しますので、契約が満了する6か月前を目安に、

選手は自分で移籍したいクラブと自由に交渉することが可能になります。

しかし、移籍金が発生せずに選手が移籍してしまうと、選手によってはクラブ側に損害が発生してしまい、

クラブ運営に支障が出て赤字に転落したクラブが過去にいくつもありました。

そこで、移籍されたクラブだけが損をしないために、年齢によってはトレーニング・コンペンセーションが発生し、

移籍する毎に連帯公献金を過去に所属していた各クラブに支払う義務が、移籍金に対する規約に盛り込まれています。

移籍金の歴史と仕組み

移籍金は、巨額のお金が動く巨大マーケットとなっていますが、現在の仕組みとなったのは現在から約25年ほど前です。

過去には、移籍金で巨額のお金が動くことはあまりなく、メディアもあまり取り上げませんでした。

移籍金は、過去にどのような仕組みで動いていて、何故現在のような仕組みになったのかを解説していきます。

契約が満了しても移籍金が発生した

クラブと選手の間では、契約期間が設けられていて、契約期間が満了したらクラブの保有権が消滅しますが、

過去は契約が満了してもクラブに保有権が残ったままというのが主流でした。

従って、契約が満了しても選手は自由に移籍することが禁止されており、契約期間が満了してから次のクラブで活動する場合は、

クラブ側が紹介し、移籍金をもらってから次クラブへと移籍するケースがほとんどでした。

契約期間が満了しても、他のクラブが見つからないケースもあり、現役代表選手でも移籍するクラブが見つからず引退に追い込まれてしまった事例もあります。

ボスマン判決

移籍金の仕組みが現在の形になった大きなきっかけがボスマン判決です。

当時、ベルギーリーグに所属していたジャン=マルク・ボスマン氏は、クラブとの契約が満了すると、独断で他チームへの移籍を締結してしまいます。

激怒したクラブはボスマン氏を解雇、移籍金を他チームに支払われることはなく、移籍の話も破断になってしまいました。

ボスマン氏はクラブを告訴し、見事勝利を収めますが、クラブにたて突いたとみなされたボスマン氏と契約を結ぶクラブは現れず、ボスマン氏は引退を余儀なくされます。

そして、ボスマン氏はヨーロッパサッカー連盟を相手にして、職業選択の自由、つまり契約期間満了後は自由にチームへ移籍できる、

EU加盟国の選手はEU圏内のクラブに外国人枠の制限なしで自由に移籍ができる旨の訴えを再度起こします。

そして、裁判に勝利した後、移籍に対する仕組みや考え方が変わりますが、有名選手を引き抜きやすくなったクラブ間の激しい争奪戦が繰り広げられるようになりました。

移籍金でチーム格差が広がる

ボスマン判決で移籍に対する仕組みやあり方が一気に変わったサッカー界は、過去にはなかった移籍バブルに突入します。

お金を積めば有名選手をどんどん引き抜くことができる状態となり、移籍金や選手の年俸が大幅に引き上げられる事態になりました。

そして、移籍金のマーケットに乗り遅れたクラブは、選手を引き抜かれる草刈り場と化してしまい、

かつての名門クラブが弱体化するという異常事態を引き起こしてしまいます。

移籍金マーケットに目をつけた投資家や富豪が続々とサッカー界に参入していき、お金があれば有名選手を引き抜ける、現在の仕組みが出来上がりました。

そして、移籍金の仕組みを最大限に利用して強豪になったクラブ、移籍金マーケットに乗り遅れて人気実力ともに低迷するクラブの2極化が進み、

チーム間の格差が広がってしまいます。

代理人の活躍

サッカーにおいて選手が他クラブに移籍する際、最も活躍するのが代理人です。

巨額のお金が動くサッカー界の移籍金は、選手だけでは交渉が不可能ですので、代理人を立てて移籍金や年俸の交渉などにあたるのが主流です。

そして、巨額の移籍金でクラブ間の移籍を成功させたら、一躍スターとなり有名選手が続々と代理人と契約を結ぶ足がかりになります。

サッカーの代理人は、FIFAが定めた代理人か弁護士資格を保有している人物が主流となっていますが、選手の親族が代理人となっているケースもあります。

日本では、本田圭佑選手がお兄さんと代理人契約を交わしていることで有名です。

南米の選手は、ほとんどが親族と代理人契約を交わしています。

選手の保有権を所持している親族の代理人も珍しくなく、移籍する際の保有権でクラブと揉めるケースもあります。

まとめ

巨額のお金が動くビッグマーケット、移籍金はクラブの破綻に繋がる恐れがあるため、収入以上の移籍金で選手を獲得することは現在禁止されています。

しかし、有名選手がクラブに来たらそれだけで大きな広告と収入に直結しますので、あの手この手で選手の移籍を模索するいたちごっことなっています。

なぜ選手の移籍金がこんなに巨大なのか、仕組みを理解していくと、サッカーの移籍市場が面白く見えてきて、市場の動向に注目していくでしょう。

膨大に膨れ上がったサッカーのマーケット、移籍金の仕組みにも注目して次回の移籍市場を楽しみに待ちましょう。

テレビやYouTubeで観戦するのも良いけれど、本気でスポーツを楽しみたいなら、

年間1万試合が見られるVOD「DAZN×DMMホーダイがオススメ!

  • 月額3480円でDMMとDAZNのコンテンツを楽しめる!(1270円お得!
  • エンタメとスポーツどっちも楽しみたい人におすすめのセット割!
  • プロ野球、Jリーグ、海外サッカー、F1、ボクシングなど、多彩なジャンルをいつでもどこでも視聴可能。
  • 視聴履歴管理や決済もまとめられて便利。

今すぐチェック!
DMM×DAZNホーダイはお得?サービスの詳細

DMM×DAZNホーダイって何?メリット・デメリットを徹底解説!

DMM×DAZNホーダイで野球中継はどこまで見られるか

DMM×DAZNホーダイで野球は見られる?プロ野球ファン必見の対応状況と注意点まとめ!

最新情報をチェックしよう!