日本では競技人口が多くない水球ですが、世界的には、特にヨーロッパでは盛んに行われ、人気のあるスポーツです。
そんな水球という競技の聖地とは、どんな場所でしょう。
水球の歴史とは
水球はイギリスが発祥のスポーツです。
19世紀半ば、イングランド各地で公衆プールが開設されると、それぞれのプールを拠点とした水泳クラブが結成されるようになります。
それぞれのクラブが見せ物として、プールでの水上イベントを行うようになりました。
そこで主に行われたのが、レースやフットボールなどでした。
プールでのフットボールが人気を博すようになり、1888年にイングランドで現行とほぼ同様の水球競技の規則が策定されました。
スコットランドを含めたイギリス全土での統一ルールが1892年に策定されると、競技として洗練されていきました。
その後、アメリカ、ベルギー、フランスなどでも水球が行われるようになっていきます。
また、1899年には中欧のハンガリーでも行われるようになります。
これらは、社会的要因や地理的要因が、イギリスと深い繋がりを持つ人物を介して伝播していきました。
日本では1907年に、記録が残る最も古い水球の試合が行われています。
そして、1925年には、大日本水上競技連盟が主催した全日本選手権水上競技会で、水球が公式競技として初めて実施されました。
オリンピックでは、1900年に行われた第2回のパリオリンピックで、初めて採用されました。
日本の代表チームが初めて参加したのは、1932年に行われた第10回のロサンゼルスオリンピックです。
水球の聖地とは
FINA より引用
それでは、水球の聖地を3つ紹介します。
世界の聖地 エゲル(Eger)
エゲルとはハンガリーの首都であるブタペストから、北東に100kmほど言ったところにある人口6万人ほどの都市です。
ハンガリーは特に水球に力を入れている国で、同国がオリンピックで獲得したメダル数は、水球が第1位です。
国内リーグの主要な試合はTV中継があり、ナショナルチームの試合になれば必ずゴールデンタイムで放映されます。
エゲルは、その中でも水球が最も盛んな都市の一つです。
エゲルには、水球博物館があります。
この水球博物館の石碑には、エゲル出身のオリンピック水球選手の名前が刻まれています。
その数は150人以上です。町の人口が6万人ほどですから、その人数の多さと、これだけの選手を生み出す環境の強さが、窺い知れます。
これが、エゲルが水球の聖地と言われる所以です。
日本の都市で6万人というと、沖縄県糸満市くらいの規模ですが、あまりピンと来ないと思います。
東京23区でいうと、千代田区の人口が6万人規模です。
もっとも千代田区は居住している人口は多くなくても、働きに来ている人口は圧倒的に多いです。
エゲルが伝統的に水球が盛んなのは、ハンガリー国内で最も早く温水プール(50m)が作られたためです。
この温水プールのおかげで、季節を問わず水球のトレーニングができるようになりました。
また、2000人を収容できる屋内プールも作られています。
このプールは水球専用と言ってよく、国内1部リーグに所属する地元リームを始め、ジュニアチームも含めて、
朝から晩まで様々な年代、種別のチームが試合や練習をしています。
日本の聖地 倉敷市
倉敷市 より引用
岡山県は水球の甲子園を目指して、岡山県水泳連盟が総力を上げています。
その中でも、岡山市に次ぐ岡山県第二の都市、人口約48万人の倉敷市は水球の聖地と言われています。
水球の全日本ユース大会である「全日本ユース(U15)水球競技選手権大会ー桃太郎カップー」は桃太郎カップという名が着く通り、
岡山県で行われています。
そして会場ですが、男子は倉敷市屋内水泳センター、女子は児島地区公園水泳場(児島マリンプール)とどちらも倉敷市内の施設で行われています。
全日本ユース(U15)水球競技選手権大会は毎年行われていますが、2020年の第13回大会は、新型コロナの影響で中止となりました。
それでも10年以上の歴史を持つ大会です。
全日本ユースから、将来の水球日本代表選手が育っていくのでしょう。
水球アニメ RE-MAIN(リメイン)の聖地
Amazonより引用
水球を題材にしたアニメ、RE-MAIN(リメイン)は2021年7月から10月まで、全12話で放映されました。
現在はBDやDVDが発売され、各種配信サイトでも配信されています。
主人公である清水みなとが所属する山南高校水泳部は、弱小水泳部。
この弱小水泳部が一勝を目指して、練習を進め、その中での部員の対立や絆を描いた青春物語です。
RE-MAINですが、放映当初から倉敷市がロケ地(聖地)ではないかとネット上では話題になりました。
実際にその通りで、作品中には倉敷市の街並みが数多く登場しています。
代表的なものを3つ紹介します。
- 倉敷美観地区
美観地区は、みなとの自宅がある地区です。
彼の自宅が店舗兼住まいになっているように、この地区には江戸自体の街並みが残っています。
倉敷が世界誇る児島ジーンズ、倉敷帆布などを取り扱うおしゃれな店が多いことで有名です。
- 倉敷えびす通商店街
えびす通商店街は、えびす商店街や本通り商店街、阿知町東部商店街とともに倉敷駅前から続く商店街の一つです。
みなとが住む美観地区にも続いており、玄関口と言える商店街です。
- 阿智神社
みなととその後輩である栄太郎が語り合う場面が、阿智神社です。
左側がみなとで右側が栄太郎です(二人とも後ろ姿ですが)。
美観地区の一角にある鶴形山の山頂にある神社です。倉敷の鎮守で、航海の安全を司る水の女神を達をお祀りしています。
美観地区が見下ろせる絶景ポイントでもあります。
まとめ
水球の聖地を、世界、日本、アニメの切り口で見てきました。
アニメの聖地巡礼をするもよし、世界の聖地で最高峰の水球を観戦するもよし。
千差万別に楽しむことができるでしょう。