FPSをはじめとした e-スポーツだけでなく、様々な分野で専門用語は飛び交うものです。
その中で、今回はFPSでの「芋」について、紹介します。
FPSで「芋」とは?
主に「芋る」と行った言葉で使われることが多いです。
この「〜る」というのは、「〜する」という言葉の短縮系として、広く使われています。
「ググる」なども、同系統の言葉と言えます。
「する」というのは動詞で、サ行変格活用となります。
文語では「し(せ・さ)・し・する・する・すれ・しろ(せよ)となり、口語では「せ・し・す・する・すれ・せよ」なります。
日本語は他の言語と比べて、非常にハイコンテクストであるため、自由度が高いと言えます。
「名詞」+「する」で、簡単に動詞が作れてしまうわけです。
ハイコンテクストとは、コミュニケーションを取る者同士が同じような価値観、文化を共有している前提で成り立つコミュニケーションです。
多くの言葉を交わさなくても察しあえる為、意思の疎通が迅速になります。
島国である日本で使用されたきた日本語の特徴とも言えます。
では「芋る」とはどういった意味なのでしょう。
芋というのは、植物の根や地下茎が養分を溜めて肥大したものです。
それを人間や各種動物が、食用としています。
日本では、サツマイモやジャガイモがすぐに思いつくでしょう。
しかし、「芋る」の語源は違います。
「芋る」の芋は、「芋虫」の芋です。
匍匐姿勢のまま移動しないプレイヤーを、地面に這いつくばっている姿から揶揄して芋虫と呼ぶことに由来します。
どんなFPSに多い?
銃を使ったFPSなどで、よく使われる言葉です。
特に、スナイパーに対して使われる傾向があります。
前線では戦わずに、敵から狙われない安全なポジションから、狙い撃つ。
スナイパーの真骨頂とも言え、良いスコアを叩き出しやすいプレイです。
しかしながら、味方からは動かないプレイヤーがいることで、前線をおしあげられずに、不利な局面になってしまうこともあります。
こういった時に「芋るやつがいる」「芋虫」と揶揄されしまいます。
「芋る」の使い方は?
芋る、芋っている:建物から動かない、一定範囲から出ない
芋砂:一定範囲から出ない、動かないスナイパー
芋掘り、芋狩り:動かないプレイヤーを狩りに行くプレイ
じゃあ「凸砂」って?
芋虫のように動かないスナイパー(砂イパー)が、芋砂と呼ばれてしまいます。
反対に、動き回って場面を撹乱させてしまうのが「凸砂」です。
突(凸)撃するスナイパー(砂イパー)のことです。
スナイパーは、隠れながら一撃必中で戦うことが、基本でありチーム内での役割です。
スナイパーなのに動き回るというのは、動画としての面白さはありますが、スコアは低くなりがちでチームに迷惑をかけることが多いです。
自分の腕によほどの自信があれば別ですが、控えたほうが無難でしょう。
例えば、コール オブ デューティ( CoD )シリーズの場合は?
Amazonより引用
FPS においての著名タイトル「コール オブ デューティ( Call of Duty , CoD)」シリーズ。
2003年の第一作が大ヒットした後、2006年の「コール オブ デューティ2(Call of Duty 2 , CoD2)」以降、年次リリースが続けられています。
シリーズに共通の特徴としては、立場の異なる複数の主人公がいて、群像劇のような描写が多いことです。
また、主人公は駆け出しの兵士として参戦し、その後、ストーリーに沿って転戦していきます。
数多くの作品がリリースされているCoDですが、どの作品にも芋は存在します。
しかしながら作品によって、芋の多少は左右されます。
「コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア(Call of Duty: Advanced Warfare , CoD:AW)」や
「コール オブ デューティ ブラックオプス3(Call of Duty: Black Ops III , CoD:BO3)」、
「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」(Call of Duty: Infinite Warfare , CoD:IW)」では、比較的、芋が少ないです。
一方で、「コール オブ デューティ ゴースト(Call of Duty: Ghosts , CoD:G)」や
「コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア(Call of Duty 4: Modern Warfare , CoD4 もしくは MWR)」は、芋が多い傾向にあります。
同じシリーズでも作品によって芋の出具合に違いが出るのは、主に移動システムとマップ構成です。
CoD:AWでは2054年、CoD:BO3では2065年、CoD:IWでは宇宙が舞台になっています。
未来から宇宙まで舞台になっており、SFの要素が多く取り入られ、プレイヤーが現実の人間に比べて、自由に移動できるシステムとなっています。
特殊装備によって、とても高くジャンプできたり、壁を登ったり走ったりすることができます。
またマップ構成も入り組んだ市街地のような要素は少なく、ひらけた戦場が多いです。
こういったひらけた戦場と自由度の高い移動システムにより、芋虫のように一つの場所にいることは、不利になってしまうわけです。
CoD:Gでは作品世界では現代に近い近未来ですが、SF要素は少ないです。同様に、CoD4は2019年の現代戦が舞台となっています。
前述の作品群に比べて、移動システムが現実的になっています。
簡単に二階の窓から突撃をかけたりできるわけではなく、出入り口となるの同じフロアの扉に限られます。
またマップ構成も建物が多く、入り組んでいます。
屋内から窓の外を狙っていたり、物陰から敵を待ち伏せすることも容易です。
そのため、芋っていてもスコアが上がりやすくなるわけです。
まとめ
敵を待ち伏せて攻撃する。
スナイパーとして遠距離の敵を狙い打つ。
どれもれっきとしたプレイスタイルであり、作品やシナリオによっては必要な役割です。
しかしながら、一つのプレイスタイルに固執して、他のプレイヤーの足を引っ張るようになってしまうことは、揶揄の対象となってします。
参加したプレイヤー全員が、FPSを楽しめること。
ここが、一番大切なことでしょう。