青春時代の思い出を語る時に欠かせない部活動での1コマは多くの人が持ち合わせているでしょう。
厳しい顧問の先生、怖い先輩、因縁のライバル、マネージャーとの恋など。
しかし、今となっては笑える話でもその当時は毎日が苦痛で、学校に行くことさえも憚られるほど嫌だった思い出も少なからずあるはずです。
しかも、スポーツ選手や美術家などをみていてもわかるように生涯続けられる人はほんの一握りですから、
「自分はもうだめだ」と思って挫折した苦い経験を思い出す人もいるはずです。
今回はそれが野球部で繰り広げられる際の要因や防止策、そうなった時の対処法をまとめました。
「野球部を辞めたい」
この一言の背景にはどんなものがあるのか、想像できるものではありませんが幾つか候補は上げられるかもしれません。
- 「試合に出ることができない」
- 「友達ができない」
- 「顧問の先生が厳しすぎる」
- 「先輩たちが怖い」
- 「野球よりもやりたいことがある」
- 「いじめられている」
- 「朝練などで朝起きるのが辛い」
上記のような類かと思います。
では上記を2つの要因に分類してみます。
外的要因と内的要因
外的要因…何か起こった事象の要因を推測する際の【外部】に求められる要因で、環境や状況に基づく。
内的要因…何か起こった事象の要因を推測する際の【内部】に求められる要因で、精神状態や本人の思いに基づく。
野球部を辞めたいと思う事象に当てはめてみると、
要因 | 外的要因 | 内的要因 |
試合に出ることができない | 〇 | |
友達ができない | 〇 | |
顧問の先生が厳しすぎる | 〇 | |
先輩たちが怖い | 〇 | |
野球よりもやりたいことがある | 〇 | |
いじめられている | 〇 | |
朝練など早起きが辛い | 〇 |
といったように分類できます。
自分本位の問題であり、解決できるかどうかも自分にかかっていることは「内的要因」。
周囲の環境に問題があり、解決できるかどうかは周囲の人間関係や環境にかかっていることが「外的要因」となります。
野球を辞めたい要因がどちらに当てはまるのかによって、解決方法も変わってきますからしっかり現状と向き合うことが大切です。
「野球部を辞めたい」と相談されたら…?
辞めたいという本人はどういう背景なのかを知る必要がありますが、両者の立場から物事を第三者として考える必要があります。
例えば、自分の息子が野球部を辞めたいと言ってきたとします。
何故かと理由を問うと、先輩たちが怖いと言いました。
ここで物事を判断し、「世の中そういうものだからもう少し頑張ってみなさい」と伝えると状況は悪化するだけです。
「何もわかってくれない」と息子はまたふさぎ込んでしまうでしょう。
それを防ぐためには何故先輩が怖いと思ったのか、他に辞めたいと思う要因はないのか、聞いてあげることが大事です。
息子が試合でエラーをしてしまい、先輩から怒られてしまった為にもう行きたくないと思った場合、確かに先輩が怖いからという理由が妥当です。
しかし、先輩は怒ったつもりではなかったとするとどうでしょうか。
「なにやってるんだ!」
という指摘と
「今のエラーはしっかりボールを見ていれば防げたはず。もっとしっかりボールを見るように!」
という指摘では、後者の方が本人の為を思って助言してくれているように聞こえます。
子どもは被害者になりがちです。
自分を最も大事にしている時期だからこそ、当事者目線で物事を有利にとらえすぎることがあります。
だからこそ、親である大人が何故そうなってしまったのか、そう思ったのかの背景を聞いてあげることで、子ども自身も状況を理解できます。
理解できればそれに対する回避策を考えることができ始めるのです。
「楽しい」と思えることが長続きの秘訣
楽しいという感情が芽生える出来事は人それぞれ違います。
試合で勝ってそう思う人もいれば、友人と一緒に帰る毎日、そのチームのメンバーといるだけでいい。
だからこそ、何をもって楽しいと思っているのかを把握することも大事です。
社会人経験がある方なら、「好きを仕事にする」というワードに惹かれたことが1度はあるはずです。
好きを仕事にできれば毎日楽しく生活ができる。
誰しもが憧れる日常であり、SNS等を見ているとそういう著名人についつい夢見てしまいます。
人は楽しいと思わなければ何も続きません。
【 楽しくない=辛い=辞めたい 】
このサイクルはどの世界でも起こりえることですので、辞めたいと言い始めた時は楽しいと思えたことはないのかと聞いてみることも1つの手段です。
野球部を辞めてはいけない理由は?
辞めたいと言ったのに、親や顧問からダメだと言われた時、本人が1番に思うことは「どうして野球部を辞めてはいけないのか?」でしょう。
- 「今ここで辞めても次なにするの?」
- 「あと少し頑張ってみなさい」
- 「あなたが悪いんじゃないの?」
- 「そのくらい大人になっても沢山あるよ」
このようなことを言われても本人は全く納得できません。
自分が言われた立場でも納得できかねるはずです。
親や顧問は本人の為を思って話しているものの、その本心を伝えなければ意味がないのです。
そこで当の本人を納得させられるような提案をいくつか考えてみました。
著名人の本を薦める
同じ境遇を乗り越えた先に何が待っているのかを本は教えてくれます。
テレビで活躍している選手も自分と同じような思いを持っていたんだと知ると共感し、また頑張ってみようと一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。
ここで1つ注意しなければならないのは、1つだけを薦めないことです。
野球部だからといって野球選手の本でなければならないわけではありません。
本選びの際にも辞めたいと思っている要因を元にして選定すると、本人にとって解決の糸口となる何かがあるかもしれません。
そしてより多くの本を薦めれば本人の視野を広げる手伝いにもなるでしょう。
時間を共有する
孤独感を感じているのであれば一緒に時間を共有することも重要です。
一緒に朝練をしたり、ジョギングをしたり、スポーツ観戦をしたり。
時間を共有することで本人が興味を示していることも明確になりますし、自分自身の健康管理にも役立ちますから一石二鳥です。
一緒に共有した時間が多ければ多いほど帰属意識が芽生えるきっかけにもなりますから、有効策といえます。
まとめ
子供が「野球部を辞めたい」といってきた時こそ家族の絆を深める機会とも言えます。
今は会社勤めでも安定していないといわれる時代ですから、スポーツ選手は尚更です。
最も安定した人生を歩んでほしいのであれば、楽しいと思う仕事を見つけてもらうことが一番の近道といえるでしょう。