野球のバッティングフォームって、どんな種類があるかご存知でしょうか。
プロ野球選手を見ても、バッティングフォームがたくさん種類があって、
野球に詳しくなかったり、初心者だと、どんな違いがあるのかわからないですよね。
この記事では、バッティングフォームの種類やポイントを解説します。
バッティングフォームのポイント
バッティングは、「構え」~「バックスイング」~「トップ」~「スイング」という流れです。
「構え」は、バッターボックスに入って、ピッチャーの投球を待っている状態です。
そこから、「バックスイング」に入り、「トップ」の形を作ります。
トップは、次のスイングが始まるときの手のポジションのことです。
トップの位置でボールを待ってから、「スイング」を行ってボールをとらえるというのが、バッティングの一連の流れです。
バッティングフォームは、この一連の流れのなかに様々な種類がありますので、順番に解説します。
構え
リラックスすることが重要
バッティングにおける「構え」とは、スイングを開始するための準備段階です。
「構え」のポイントは、しっかりと力の入るスイングをするために、リラックスすることです。
構えの段階から力が入って体が固まってしまった状態では、良いスイングができません。
結論から言って、リラックスした構え方は、人それぞれということになります。
実際、プロ野球選手も、いろんなフォームになっていますよね。
まずは以下のような基本的な種類の構えを試しながら、自分に合ったフォームを見つけることが重要です。
スクエアスタンス
スクエアスタンスは、バッターボックスと平行に両足を置く構え方で、最も一般的な足の置き方です。
メリットは、いろんなボールに対応するうえで無難なスタンスであることです。
インコースやアウトコースといったコースへの対応、速球や変化球といった緩急への対応について、特に欠点なく対応しやすいスタンスです。
オープンスタンス
オープンスタンスは、踏み込む側の足を軸足に対して外側に開くように置く構え方です。
メリットは、インコースのボールに対応しやすくなることが挙げられます。
また、足を外側に開くことにより、からだが少しピッチャー側を向くことになるので、ボールを見やすくなるメリットがあります。
デメリットは、アウトコースのボールに対応しにくくなることが挙げられます。
インコースに対応しやすい反面、アウトコースに速いストレートがくる場合など対応が遅れがちになります。
また、大きなデメリットとして、スイングでからだが開きやすくなってしまうことに注意が必要です。
スイングで体が開くと、からだの回転の力をうまく引き出すことができず、強いボールを打つことができません。
スイングへの影響を理解しておく必要があるため、少年野球のように基本が重要な場面では、あまりお勧めできないフォームです。
クローズドスタンス
クローズドスタンスは、踏み込む側の足を軸足に対してホームベース側に置く構え方のことです。
メリットは、アウトコースのボールに対して踏み込んで対応しやすいことが挙げられます。
また、からだの開きを抑えることができるため、からだの回転の力を逃げることなくボールに伝えることができます。
デメリットは、インコースのボールに対応しにくくなることが挙げられます。
また、からだがピッチャーに対して内側を向くことになるので、ボールが見にくくなったり、スイングが窮屈になったりすることにも注意が必要です。
クローズドスタンスはメジャーリーガーに多く見られるスタンスです。
スタンスの幅
構えでは、スタンスの幅も重要です。
スイングで腰をスムーズに回転させるには、肩幅程度に開くのが良いフォームです。
基本となる肩幅よりも広くすると、体重移動がしにくい分、目線のブレを少なくできます。
その代わり、強いボールを打つには力が必要となります。
逆に肩幅よりも狭くすると、体重移動がしやすく強く振れますが、目線がブレてしまう原因になります。
これらの基本を押さえておき、あとはリラックスして立てる幅を見つけてください。
グリップの位置
構えにおけるグリップの位置は、肩の高さ程度が基本です。
バックスイングからトップの位置を作っていくために、構えたときからある程度の高さにグリップを置いておいたほうがスムーズです。
これに対して、グリップの位置が低い構え方もあります。
グリップの位置を低く構えるメリットは、肩や腕をリラックスさせて構えられることが挙げられます。
一方でデメリットとして、トップに入るまでの動作が多くなってしまうので、スイングの準備が遅れてしまったり、
スイングにブレが生じやすくなったりすることに注意が必要です。
バックスイング~トップ
しっかりとしたトップが重要
トップは、自分のタイミングでボールを呼び込み、バットを出していくために重要な動作です。
トップがきちんと作れないと、以下のような欠点が生じます。
- ボールの見極めができない
- 変化球に対応できない
- 力のあるスイングができない
- スイングで体が前に突っ込んでしまう
バックスイングからトップを作る動作では、足のステップが重要です。
足のステップ
バックスイングからトップにかけては、グリップを後ろ側へ引き、軸足に重心を持ってきます。
このときの足の動作をステップと呼びます。
ステップでどれくらい足を上げるかは好みによります。
基本的には、足を上げすぎない方が、からだの軸が安定しやすく、タイミングも取りやすくなります。
ステップの幅の考え方は、基本的にスタンスの幅と同様です。
狭いほど、からだがブレやすくなりますが、強いスイングができます。
逆に、幅が広いと軸が安定してブレにくい分、からだの回転が使いにくいので、強いスイングがしにくくなります。
スイング
スイングの形は3種類
バットを振る動作である「スイング」は、バットの軌道によって「レベルスイング」、「ダウンスイング」、「アッパースイング」、の3種類に分けられます。
また、力強いスイングをするためには、腕の力に頼るのではなく、腰の回転を利用してバットを振ることが重要です。
レベルスイングが基本
レベルスイングは、バットの軌道が水平になるスイングです。
レベルスイングは基本的なフォームであるとともに、最もボールをとらえやすいスイングとされています。
その理由は、ピッチャーの投げるボールに、スイング軌道を合わせることにより、ミートポイントが広くなるからです。
向かってくるボールをバットが線でとらえるイメージになります。
ダウンスイング
ダウンスイングは、バットの軌道が上から下になるスイングです。
トップの位置からボールのインパクトまで一直線にバットを出せるため、最短距離でバットを出す軌道といわれています。
また、バットが上から下の軌道なので、ゴロを打ちやすいという特徴があります。
ただし、ピッチャーの投げるボールの軌道に対して、バットの軌道が合わないので、点のミートとなってしまってボールをとらえるのが難しいといえます。
アッパースイング
アッパースイングは、バットの軌道が下から上になるスイングです。
アッパースイングは、低いボールに強く、力強いボールを打つことができるというメリットがあります。
特にスイングスピードを出せる選手の場合は、アッパー気味のスイングのほうがヒットが出やすいとされています。
大谷翔平選手、柳田悠岐選手といったトップ選手がアッパー気味の豪快なスイングで、素晴らしい成績をおさめていますね。
ただし、ダウンスイングと同様に、ボールに対して点のミートとなってしまう難しさがあります。
独特なバッティングフォームの例
バスター打法
バスターの構えからトップを作ってスイングするというフォームです。
スイングまでの動作が大きく余裕がなくなるため、最短距離でバットを出すことが必要になります。
あえてそういう状況にすることで、無駄な動きをせずにスムーズにバットを出すようにするというものです。
神主(かんぬし)打法
神主打法は、からだをリラックスさせた状態でバットを立てグリップをへその前に置くフォームです。
前に書いたように、グリップの位置を低くすると、スイングが遅れるといったデメリットもありますが、
十分にリラックスした状態から強いスイングをすることで長打力を発揮することができます。
プロ野球では、落合博満選手、清原和博選手や小笠原道大選手といった強打者が採用したフォームです。
振り子打法
振り子打法は、イチロー選手と当時オリックス二軍打撃コーチだった河村健一郎氏が二人三脚で作りあげたフォームです。
からだをピッチャー側にスライドさせながら踏み込んでスイングするという打ち方で、重心移動の勢いを使って強いボールを打つことができます。
また、ボールをギリギリまで見極める、からだのスライドするため打った後が速く内野安打になりやすい、といったメリットがあります。
ただし、からだをスライドさせながら、ボールを見極めて、ブレずにバットを出すというのは至難の業で、非常に高度な技術が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「バッティングフォームの種類」について解説しました。
これで、バッティングフォームの種類やポイントをおさえることができたと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。