野球の魅力的なシーンの1つであるホームラン。
豪快なスイングで大きな放物線を描きながら打球をスタンドまで飛ばし、
ダイヤモンドをゆっくりと一周する姿は野球をやっている人なら誰しも憧れたことがあるでしょう。
また、最低で1点、最高で4点をいっきにとることができるため、一発で試合展開や試合のムード、
スタジアムの雰囲気などを一変させることができます。
そんなホームランですが、簡単に打てるのかといわれればそうではありません。
この記事ではホームランをよく打つバッターの特徴やホームランを打つためにはなにが必要なのかについて紹介します。
ホームランバッターの特徴
ホームランバッターの特徴といえばどのような選手を思い浮かべるでしょうか。
身長が高い選手、体重がある選手、どちらも兼ね備えた恵まれた体型の選手などを想像されている人も多いかもしれません。
しかし体が大きくなくてもホームランを量産する選手はたくさんいます。
通算ホームラン数868本で現在世界記録保持者である王貞治さん。
現役選手では打率3割、30本塁打、30盗塁以上をシーズンに達成するトリプルスリーを
3度達成しているヤクルトスワローズの山田哲人選手などは体が大きくなくてもホームランバッターです。
ここからはホームランバッターに共通する特徴とは一体どういったところがあるのかを紹介します。
スイングスピードが早い
まずはスイングスピードが早い選手がホームランをよく打っています。
スイングスピードは平均として
- 高校生 100〜120km/h
- 大学生 115〜130km/h
- 社会人 135〜145km/h
- プロ野球 140~150km/h
といわれています。
しかしホームランバッターのスイングスピードはこれらの平均を上回っていることが多いです。
2009年ヤンキースでアジア人初のワールドシリーズMVPを受賞した松井秀喜さんは現役時代159km/hを記録。
現役選手では2015年に史上初となるトリプルスリーと首位打者を獲得した
ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手は163km/hとどちらも平均を大きく上回っています。
その他の選手でもホームランバッターは150km/h後半のスイングスピードの選手が多く、
スイングスピードが早ければボールを遠くまで飛ばすことが可能であることがわかります。
ボールにスピンをかけるのがうまい
ボールはバックスピンがかかることで打球の飛距離が伸び、ホームランが出やすくなります。
しかしボールにバックスピンをかけようとしてスイングしてしまうとポップフライに。
また、スピンがかかりすぎてしまい、飛距離が伸びないなどホームランにならずにアウトになってしまいます。
現在、プロ野球選手が行う練習の1つとしてバックスピンをかける練習を取り入れている選手がいます。
ティーバッティングはボールをティーに置いて打つ練習ですが、逆にボールをティーに吊るして打つことでボールのやや下を打つことができ、
バックスピンをかける練習になります。
2021年9月現在メジャーリーグでホームラン王争いを繰り広げるエンゼルスの大谷翔平選手は
スイングするときに意図的にバックスピンがかかるように打ち、打球を飛ばす意識しています。
メジャーリーグではフライボール革命が流行しています。
これはフライを意図的にを打ち上げる方がヒットやホームランになりやすいという考え方が主流になっており、
年々メジャーリーグの合計ホームラン数が増えています。
ホームランを打つために必要なこと
ホームランを打つことができれば1打で試合展開を盛り上げることやその試合のヒーローになれるなど注目を浴びること間違いなしです。
またホームランを打つことで相手チームから警戒され、ボール球が増えて出塁率が高くなり、チャンスを広げやすくなります。
ではホームランを打つためにはどういったことが必要となるでしょうか。
ここからはホームランを打つためにはなにが必要かを紹介します。
筋力
ホームランをたくさん打つためにはボールを力強く捉えるために筋力が必要となります。
2020年ドラフト1位で阪神タイガースに入団し2021年9月現在23本のホームランを記録する佐藤輝明選手。
佐藤選手は、高校2年生時に78kgであった体重をジムのトレーニングでたった3ヶ月の期間で20kg増量し98kgになり、
ベンチプレスでも135kgを記録しています。
また、身長173cmと小柄でありながらも2015年にオリックス入団以降、3度20本塁打以上を記録。
2020年には首位打者を獲得した吉田正尚選手は大学入学時には69kgしかなかった体重が85kgまで増量しています。
体格に恵まれていないとホームランバッターになることができないという印象があるかもしれませんが、
筋力があればホームランバッターになることができるということがわかります。
体重移動
バッティングはスイングする際に足を踏み込んで腰を回転させ、バットをボールに当てることによって飛んでいきます。
体重移動のときに体のバランスが崩れてしまうことで、体全体をしっかり使うことができず、打球の飛距離も伸びなく、凡退してしまうことがあります。
打つときに体全体の体重をしっかりと移動させてスイングすることができれば体重の力がしっかりとボールに伝わり、飛距離が伸びてホームランになりやすくなります。
フルスイング
全力でスイングするフルスイング。
フルスイングすることで力強いバッティングができる反面、目線や体がブレやすく、しっかりと球を捉えることができずらくなってしまうなどのデメリットがあります。
しかし、現役時代ミスターフルスイングと称され、通算ホームラン数404本を記録した中村紀洋さん。
現役では3度の30本塁打超えを記録しているソフトバンクホークスの柳田悠岐選手がフルスイングして豪快なホームランを打つ印象があります。
フルスイングししっかりとボールを捉えることができれば大きく飛距離を伸ばすことができるようになります。
バットの角度
昔の野球の教えではアッパースイングになるとフライが上がりやすくなってしまうため、しっかりと上から下に振り下ろすダウンスイングで教わることが大半でした。
しかし現在のプロ野球選手は少しアッパースイング気味でバットを振り上げることでホームランを打つ選手が増えてきています。
最近では打球角度30~35度くらいで上がればホームランが出やすいといわれています。
バットの角度もそれに合わせて少し下から上へ出やすくなるように振り上げてスイングし、しっかりとボールをバットの芯で捉えることでボールの回転も相まってホームランが打ちやすくなるでしょう。
まとめ
ここまでホームランバッターの特徴、ホームランを打つために必要なことについて紹介してきました。
ホームランバッターは選手によって弾道や打球速度などがさまざまで、ホームランバッターの定義はその人の考え方次第で異なり、どんなホームランがきれいかも人によって変わってくるでしょう。
また、プロ野球選手は選手独自で自分にあった練習法や打ち方を毎日研究しているため、人に教わったものの、自分には合わなかったと言っている選手もいます。
ホームランを打ちたいという人は今回紹介したホームランを打つために必要なことを参考に練習してみてください。