野球においてナックルボールと聞くと、投げるのが難しく、ゆらゆらと揺れるような軌道を描いて
キャッチャーの元にたどりつく魔球のような球をイメージする人が多いのではないでしょうか?
今回は、そんなナックルボールについて
- ナックルボールの軌道と原理
- ナックルボールの投げ方
- ナックルボールを得意としている野球選手
を調査しましたので是非最後までご覧ください!
ナックルボールの軌道と仕組みについて
そもそも野球において、球を投げる際、ナックルボール以外の球種には回転がかかっており、マグヌス効果という現象が影響しています。
マグヌス効果は、球が回転しながら、粘性をもった流体の中を一定速度で移動するときに起こります!
原理としては、球の表面に接する流体(空気)が流体(空気)の粘性によって回転運動に引きずられることにより発生します。
回転速度と流体の粘性に対して(空気)循環が周りに発生し、移動方向に対して垂直の力が発生するからです!
野球の球種はこのマグヌス効果を利用するために球に回転をかけてピッチングすることにより実現しております!
「マグヌス効果」で浮かぶコップ。
回転しながら進む物体に垂直方向の力が働く現象。
野球の変化球などが代表例。pic.twitter.com/ZJcPDhZiMt— いっちー@バーチャル精神科医 (@ichiipsy) August 21, 2021
ところが、このナックルボールは別で、回転がほとんどかかっていないため、マグヌス効果による揚力がほとんど働きません!
ゆらゆらと揺れて動いて見えたり、急にボールが伸びてきたり、フォークのように急に球が落ちたりと、多彩な変化が起こります!
もし、球が完全に無回転であった場合は落下するだけですが、ピッチャーが球を投げてからホームベースまでに4分の1から1回転と非常に少ない回転になると話は別!
空気にぶつかる球の縫い目の位置が不規則に変化し続け、球の縫い目と空気抵抗で後流の変化が不規則になり、不規則な球の軌道につながります。
また、ナックルは左右の変化が多いですが、縫い目の効果は上下にも作用し、さらには縫い目の位置によって後流の大きさも変化します。
そのため、減速効果も変化してボールの速度も乱れ、左右だけでなく、上下や前後とあらゆる方向に不規則な変化をすることが可能となるわけです。
ちなみに、仮にもし完全に無回転な球を投げたとしても、空気と球の縫い目が最初にぶつかることで球は緩やかに回転を始めるそうです。
これらの原理からナックルボールの要となるのは、非常に少ない回転と縫い目の向きだと言えますね!
ナックルボールの投げ方
握り方
ナックルボールを投げる際の球の基本的な握り方としては、親指と小指で球を横から挟んで、残りの3本の指を上から突き立てます。
他にも、人差し指と中指を突き立てた2本指で握る方法や、指をすべて寝かせて握る方法、球の縫い目に指を付けたりなど、人によってさまざまな投法があります。
自分に合った握りをするのが重要で、最終的になるべく無回転で投げれればどの握り方でも構いません!
ただし、投げるときに少しでも指が残ってしまうと回転がかかってしまいただのスローボールになってしまうので注意しましょう!
投げ方
ナックルボールを投げる際は他の球種のように下半身を使わず、リリースを安定させるようにして投げます!
もし、そうしなければ、球に回転がかかってしまい、うまくナックルボールを投げることができません。
そんな投げ方ではナックルボールが来ると打者にばれてしまうと思ってしまう方も多いと思いますよね?
しかし、ナックルボールは予測不能な変化をするため、わかっていてもなかなか打てない球種ですので問題ありません。
このような特徴からナックルボーラー(ナックルボールを得意とする投手)は他の球種と織り交ぜて扱うことが難しいです。
そのため、ナックルボール以外の球種を投げることはほとんどありません。
ナックルボールを得意とする選手について
ナックルボールを得意としているプロ野球選手は日本にはほとんどおりません。
外国人選手ですと、
- ジーン・マーティン・バッキー
- 佐野大河
- 吉田えり選手が有名どころとしてあげられます!
ジーン・マーティン・バッキー
ジーン・マーティン・バッキーは1960年代に阪神タイガースで活躍した選手で、高身長の長い手足を鞭
また、ナックルボール以外にもスライダーやシュートも得意な球種だったそうですよ!
初めて沢村栄治賞を受賞したNPBの外国人選手で、その高い実力が伺えますが、腰を痛めてしまいその後球威も戻らず、
現役引退を余儀なくされてしまいました。
佐野大河
佐野大河は火の国サラマンダーズの投手です。
アーム式のオーバースローから投げるストレートの球速は最高130キロと速くはないですが、、ナックルボールは最高112キロと、速めのナックルボールが武器です!
ナックルボーラーとしてメジャーリーガーになることを目標にしている彼の今後に期待したいですね!
また、火の国サラマンダーズは2021年3月にできたばかりのプロ野球チームですので、これからどんどん注目を浴びる選手なのではないでしょうか?
吉田えり選手
また、女子野球選手ですと、吉田えり選手が”ナックル姫”という愛称で有名です。
こちらはナックル姫こと吉田えり選手がナックルボールの投げ方を伝授している動画です。
ナックルボールを極めたい人はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、彼女はナックル以外にもスライダーやカーブ、シュートも投げることができます!
一時はフルタイムナックルボーラーだったものの、最近は様々な球種を織り交ぜてピッチングをしています。
このことから、必ずしもフルタイムでナックルボールを投げなくてもいいということがわかりますね!
まとめ
- ナックルボールは空気抵抗と球の縫い目が関係している
- ナックルボールの投げ方は多彩で、いかに無回転で投げるかが大事
- ナックルボールを得意とする野球選手は少ない
今回はナックルボールについてでした!
打者から見ると軌道が読みづらく打ちづらい球ですが、周りの観戦している方々からすると変化があまりわからずスローボールに感じてしまいますよね!
でも実は打者からすると、とても打ちづらく、投げる側も大変技術のいる球種である言えます!
興味がある方や憧れがある方は是非練習してみてはいかがでしょうか?
最後まで閲覧いただきありがとうございました。