皆さんは野球の守備シフトについてご存じでしょうか。
おそらく、シフトについての認知度は人それぞれだと思います。
「野手は外野に3人内野に5人守ってるやつやん」
「前進守備とかあるやろ」
「プロ野球やったら個人的なシフトもあるねんで」という風に。
ということで、今回は基本的な守備シフトから
「こんなシフトもあるの?」というシフトまで様々なシフトを分かりやすく解説していきます。
野球の基本的な守備体形
まずは、あまり野球に詳しくない人のために基本的な守備体形から話していきますね。
「そんなん知ってるわ」という人も多くいらっしゃると思うので、知っている人は飛ばしていただいても大丈夫です!
野球は1チーム9人で行います。
外野はレフト、センター、ライトの3人で、内野はファースト、セカンド、ショート、サード、ピッチャー、キャッチャーの6人です。
ほとんど名前からわかると思いますが、この中で名前から1番分かりにくいのがショートだと思います。
ショートはセカンドとサードの間を守る人のことです。
主に、ショートとセカンドはよくボールが飛んでくるので、守備がうまい人がなることが多いです。
ファーストも守備の中では重要です。
なぜならファーストは、守備陣のどんなボールも1塁から体を離さずに取らないといけないからです。
よって、ファーストは体が柔らかい人がよくばってきされます。
基本的なの守備シフト
ここまでの話でおおまかに守備についての基本的な知識は分かったと思います。
そもそも、なんで変わった守備シフトを取るのかと疑問を持った方もいるでしょう。
理由は、少しでも点が入らないようにしたり、少しでもアウトになる確率を上げるためです。
よって、シフトが裏目に出て
「普通の守備体形やったらアウトやん」という場合も当然あります。
ということで、いよいよ本題の場面に応じた守備シフトについて、有名なものから順番に解説していきます。
前進守備
ランナーが得点圏にいるときに使う守備シフトです。
得点圏とは、ランナーが2塁もしくは3塁にいるときのことです。
主に、ランナーが2塁の時は外野のみの前進守備で、3塁の時は内野が前進守備になることが多いです。
前進守備は、文字通り普段の守備位置よりも少し前に守ることで、もしヒットを打たれてもワンヒットでの2塁もしくは3塁ランナーがホームに帰って
くるのを防ぐシフトです。
特にランナーが3塁にいるときでは内野ゴロでも、定位置の守備では足の速いランナーだとホームに帰られてしまうので、内野も前進守備を敷きます。
前進守備は、試合の序盤に使われることは少なく、試合の終盤になって1点の失点も許されない場合に使われることが多いです。
なぜなら、前進守備は普段の位置なら普通に取れる平凡なフライでも、前に守っているので長打になってしまうことがあります。
なので、得点圏にランナーがいるときに必ず使うというわけではありません。
ゲッツーシフト
ゲッツーは併殺打ともよく言われています。
ゲッツーとは、1塁ランナーがいる状態でゴロを打つと2塁で1塁ランナーをアウトにして、1塁でバッターランナーをアウトに取り
1度に2つアウトを取ることです。
上記の方法以外にも、1塁と3塁で2アウト取ったり、ホームと1塁で2アウト取ったりと方法はいくつかあります。
基本的には1塁と2塁でのゲッツーが多くなります。
ゲッツシフトの守備位置はというと、まず外野は変わりません。
内野はサードとファーストは定位置のままで、セカンドとショートが2塁に寄ったシフトです。
このシフトを敷くことで、ゴロを打たれたときにセカンド、ショートがどちらでも2塁に入れるので、ゲッツーを取りやすくなります。
しかしデメリットもあり、ショートとセカンドが2塁に寄ることで1、2塁間と3、遊間が空いてしまうので、ヒットになる確率も少し上がります。
どれだけ2塁に寄るかも重要になってきますね。
バントシフト
主に、ランナーが1塁もしくは2塁にいるときに敷くシフトです。
先ほど話したように、攻撃側はランナーが1塁の時は特にゲッツーになりたくないので、バントで2塁に送ろうとすることがあります。
2塁に送るとゲッツーになりにくいですし、得点圏にランナーを進めることが出来るので、次の点もとりやすくなります。
その代わり、送りバントはアウトが1つ増えますが。
こういう場面で使うのがバントシフトです。
今回はランナーが1塁の時のケースを解説します。
バントは、打球の勢いを殺して球を転がす方法なので
主に、ファーストとサードが前進してボールを処理することになります。
そのため、ファーストとサードは前進する準備をします。
すると、1塁がが空いてしまうので、1塁にはセカンドがカバーに入り、ショートは2塁に入ります。
上手いバントをされたときにはそのまま1塁に投げて1アウト取り、もし、ピッチャー正面とかこれは2塁も刺せるという時には
2塁に投げてから1塁に投げ、ゲッツーをとれる時のもあります。
これは、守備陣の判断次第になります。
以上が主に代表的な守備シフトです。
他にも、前進守備とまでいかない中間守備や、引っ張りが多い選手には引っ張り警戒など
シフトには様々なシフトがあります。
プロ野球選手の特別な守備シフト
ここからは、プロ野球の少し変わった守備シフトを紹介します。
プロ野球では、強打者や抑えるのが難しい好打者のためにできたシフトがあります。
今回は現役の2選手の守備シフトを紹介します。
柳田シフト
ソフトバンクの柳田選手は引っ張りが多いというデータから、セカンドが外野と内野の真ん中ぐらいの深い位置に守り
2塁ベースの後ろにショートが守るというシフトです。
このシフトがはまると普通一二塁間を抜けるヒットも、セカンドゴロに取ることが出来ます。
吉田シフト
オリックスの吉田選手も柳田選手同様に、引っ張りが得意なバッターで、柳田選手と同じようなシフトを取られます。
決定的に違う点は吉田シフトの場合は、サードが1,2塁間に守るという点です。
下に吉田シフトの動画があるのでぜひ見てください!
記録はサードゴロになります。 #bs2019 #lovefighters pic.twitter.com/aRWenTlHK3
— パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV【公式】 (@PacificleagueTV) April 18, 2019
動画を見てもらった方は分かると思うのですが、こんなシフトを敷いてたら誰もいないところに転がしたらええやんと思いますよね。
実際にマーティンというロッテの選手が極端なシフトを敷かれて、誰もいないところにセーフティーバントを決めたということもありました。
こんな風に、極端な守備シフトは普通ならアウトの打球もセーフになってしまうので
ピッチャーからすると少し動揺してしまい、流れをもっていかれてしまうこともあります。
そりゃピッチャーからすれば、アウトに取ろうとして投げて注文通り打ち取ったと思ったのに
転がったところに誰もいなくてセーフとか、精神的なダメージは受けますよね。
実際プロ野球界のOBの方々は様々な自論を展開していて、極端な守備シフトについて賛否両論が飛び交っています。
まとめ
野球にはポイントや場面に応じた守備シフトがいくつかあります。
今回は代表的な守備シフトと、おまけでプロ野球の極端な守備シフトをご紹介しました。
今回取り上げなかったあまり使われないシフトもあるので、今回の記事で興味を持った方は調べてみるといいかもしれませんね!
守備のシフトを知ると野球中継を見ているときに、バントシフトを敷いてたけどバントしてこなかったな~
という風な試合の中の駆け引きが分かるようになり、今までの野球観戦と比べて格段に面白くなります。
これから野球に詳しくなり、より一層野球を楽しみましょう!