野球のピッチャーが投げる前に、白い粉が入った袋を持って、指につけているのをご存知でしょうか。
同じような例として、野球以外でも体操選手が演技の前に手に白い粉をつけていますよね。
あの白い粉の袋は、ロジンバッグというものですが、
野球に詳しくなかったり、初心者だと、どんな効果があるのかわからないですよね。
この記事では、ロジンバッグの効果や使用時のルールについて解説します。
ロジンバッグとは
ロジンバッグは滑り止めとして使う
ロジンバッグは、ロジン(白い粉)がバッグ(袋)に入ったものです。
ピッチャーがこれを使って指に白い粉をつけることによって、投球時に指が滑らないようにしています。
また、バッターもグリップの滑り止めとして使っていますね。
ロジンとは
ロジンとは、マツ科マツ属の木から分泌される天然樹脂である松ヤニのことです。
松ヤニは、滑り止めとしてさまざまなスポーツで使われています。
ただし、そのままの状態だと、粘り気が強すぎて使い勝手が悪いので、炭酸マグネシウムと混合したものが滑り止めとして使われています。
具体的な配合は、炭酸マグネシウム約80%、松ヤニ約15%、石油樹脂約5%となっています。
炭酸マグネシウムが使われる理由は、炭酸マグネシウムが吸水性に優れ、汗などを吸収してくれる効果があるので、滑り止めとして松ヤニとの相性が良いためです。
ロジンバッグの効果
投球時の滑り止め
ロジンバッグは、投球時にボールが滑って、意図しないコースにいかないように、滑り止めとして使用します。
ボールが滑る理由は、雨や汗で水滴が指につく、指が乾燥する、使っているボールの状態が滑りやすくなっている、といったことが挙げられます。
こういったときに、指とボールにロジンを馴染ませることで、滑りにくい状態にすることができます。
特に、雨の日の場合は、ボールの状態が常に濡れていて滑りやすくなっているので、ロジンを使って滑りにくくすることが有効です。
雨の日は、ロジンをポケットに入れることが認められていますので、積極的に使いたいですね。
同じ感覚で投げることができる
ロジンの効果として、常に同じ感覚でボールを投げることができる、というのも重要な効果です。
ピッチャーは、指先の感覚を非常に重要視しているので、乾燥具合やボールの状態によって投げる感覚が乱されるのを嫌います。
指とボールにロジンを馴染ませることによって、投球のたびに感覚が変化するのを防ぐことができ、調子を乱されることを防ぐことができます。
実際のところ、ロジンをつけずに投げても悪いボールがいくわけではないですが、違和感や心配は感じるものです。
また、滑らないようにしないといけないと意識してしまい、指先に余計な力が入ってしまうと、リリースに微妙なズレが出てしまいます。
一回のズレが投球フォームやリズムを崩すきっかけになってしまうこともあるので、こういった余計な心配をしないことは重要です。
投球ルーティン・一息入れる
どんなスポーツにおいても自分なりのルーティンは重要ですよね。
ピッチャーによっては、ロジンをつけて、ボールと指が馴染むようにボールをクルクルと回して、プレートに入っていくという一連のルーティンにしています。
そういった選手は、ロジンバッグがないと違和感があったり、自分のリズムに乗れなかったりするでしょう。
また、少し気持ちを落ち着かせたいときに、プレートを外して、ロジンバッグを持って、といったように間を設けるのに使うこともあります。
1球で勝負がつく重要な局面で、自分を落ち着かせるために一息つくのは、ピッチャーにとって非常に重要ではないでしょうか。
ロジンバッグQ&A
軟式野球でも必要か?
軟式野球だとボールの表面がゴムで滑らないのでロジンバッグは不要ではないか?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、表面が革の硬式用ボールのほうが滑りやすいのは間違いないでしょう。
ただし、ゴムであっても表面に土や砂が付けば滑りますし、
アマチュアの軟式野球の場合は、試合の中で数球のボールを使いまわすので状態が良くありません。
また、上述のとおり同じ感覚で投げたり、ルーティンとして使ったりするためにも、ロジンバッグが必要だといえるでしょう。
からだへの影響は?
ロジンバッグを大量に使ったり、たまに舐めてしまう選手も見かけますが、からだへの影響はないのでしょうか?
主成分である炭酸マグネシウムは、医薬品としても使われるものなので、基本的には無害のようです。
ただし、基本的に摂取するものではないので、大量に舐めるのはやめましょう。
あと、粉なので気管が弱い方は注意が必要かもしれません。
ロジンバッグに関係するルール
ルール
野球においてロジンバッグの使用には、以下のようなルールが定められています。
- ピッチャーが持参するのではなく、審判員が準備した1個を両チームのピッチャーが使う
- グランドに置く場所は、プレートより後方
(雨天の場合は、腰のポケットに入れる) - ボールがロジンバッグに当たってしまった場合でもインプレ―
- ロジンバッグは素手にのみ使用可能で、グラブやユニホームにつけてはならない
ちなみに、打者については特にルールがなく、スプレータイプも含めていろんな滑り止めを使うことができます。
打者用のロジンバッグもありますね。
松ヤニ使用問題
メジャーリーグでもロジンバッグの使用が認められています。
一方で、ボールに異物をつけることが禁止されており、松ヤニを使うことは禁止されています。
そういった状況のなか、メジャーリーグでは、松ヤニを使う投手がいることが問題になっています。
実際にボールを回収したり、ボールの回転数を測定したりすると、松ヤニのような禁止物質の使用が疑われる調査結果であったようです。
一度、マリナーズの菊池雄星投手が、帽子のつばに松ヤニをつけているのではないかと疑われてしまったこともありました。
それくらいメジャーリーグでは敏感になっています。
なぜ、ロジンバッグではなく松ヤニを使うのでしょうか。
その理由としては、松ヤニを使うとロジンバッグよりもボールのグリップが良くなり、変化球のキレが良くなる効果があるためです。
特にメジャーリーグのボールは、日本のプロ野球よりも滑りやすいボールを使用しているため、松ヤニ使用のニーズがあるのです。
これに対してメジャーリーグは、取り締まり強化を図っていて、投手のグラブ、帽子、ユニホームをチェックすることになっています。
違反した選手には、10日間の出場停止処分が科されます。
まとめ
今回は、「ロジンバッグの効果」について解説しました。
これで、ロジンバッグの効果、使う意味や使用時のルールをおさえることが、できたと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。