野村克也氏は選手として数々の記録を残しただけでなく、監督としても平成の時代の最多勝利数を誇る名将として活躍しました。
ノムさんの愛称でもおなじみで、ぶつぶつ呟くようなボヤキもファンを楽しませてくれました。
野村克也氏といえば、インタビューでの発言も注目された人物です。
野村氏の名言の中には、野球だけでなく、人生にも通じる格言も数多くあります。
今回は、野村克也氏が生前に発言された名言の中から特に有名で心に残るものを9つ選びました。
名言1 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
野村氏がよく利用したこの名言ですが、実は本人の創作ではなく、
江戸時代の剣術の達人である松浦静山の剣術書「剣談」から引用したものです。
剣道で試合後の反省に使われるこの言葉を野村氏もよく用いていました。
負けるときは必ず負けにつながる要因はあるのに対して、勝つときにはなぜ勝てたのか、
その要因が見当たらない不思議な勝利があるというものです。
試合に勝つには、負けにつながる要因を打ち消していくことの重要性を説いています。
また、勝ち試合であっても負けにつながる要因が含まれていることがあり、単純に喜んではいけないという意味もこめられています。
人生においても何か失敗したときには、その原因を見つけだして、次に生かしていくことが必要です。野球界以外にも通用する名言です。
名言2 人生の最大の敵、それは「鈍感」である
日頃から考える野球を目指していたのが野村氏です。
鈍感な人は考えることができません。周りの状況を理解できず、自分が今置かれている状況を把握しにくくなります。
人を観察して、自分が次に何をすればいいかを考えるためにも、鈍感ではダメであるということを説明した発言です。
鈍感は最大の敵ということを、人生の教訓として常に意識しておきたい名言です。
名言3 「失敗」と書いて、「成長」と読む
人は誰でも失敗をします。ただ、失敗はその後の成長にもつながるものです。
野村氏も失敗を責めるのではなく、失敗を糧にして次回に生かし、成長していくことが大事であると言っています。
生きていく中で失敗することは多々ありますが、失敗して落ち込むのではなく、次に挽回しようと精進していくことが重要です。
名言4 うまくいっているときは、周りに人がたくさん集まる。だが、一番大切なのは、どん底のとき、誰がそばにいてくれたかだ。
人生はいつも思い通りになるとは限りません。人生がうまくいっているときには、多くの人が周囲に集まってきてくれます。
でも人生でどん底のときには、たくさんいたはずの人が去っていきます。でも、そんなどん底のときにも支えてくれる人がいます。
野村氏は、最悪のときに支えてくれる人が本当に大事な人であり、どん底のときに誰かがそばにいてくれるよう自分を磨いていくことの必要性を理解していました。
うまくいっているからといって調子に乗らず、周囲の人に感謝しながら生きていくことが重要ですね。
名言5 人間は「無視、称賛、非難」の順で試される
野村氏は現役時代、南海ホークスに所属し、鶴岡一人監督に育てられてきました。
その影響を大きく受け、この無視、称賛、非難を監督として実践します。
まず、実力が足りず、下手すぎて話にならないという選手に対しては無視します。無視することでその選手を奮起させようとします。
次に、もう少しでレギュラーを取れそうな選手は称賛します。褒めることで伸ばそうとするのです。
ただ、レギュラーに定着している選手に対しては、非難します。通常であれば褒められる選手であっても容赦せず叱ります。
野村氏からすれば、褒めているときはまだ一人前でなく、叱るようになって初めて一流と認めたことになります。
選手からすれば叱られるのは嫌かもしれないですが、叱られることで甘えを取り除き、天狗になることを防げます。
野村氏は監督として人心掌握術にも長けていた人です。選手によって対応を使い分けることで、それぞれの立場の選手を伸ばそうとしていたのです。
名言6 マー君、神の子、不思議の子
野村氏は先ほどの無視、称賛、非難をモットーに選手を育ててきましたが、超一流の選手には異なるアプローチもとっています。
球界を代表するエースや4番になるような選手は天性の才能が必要であり、育てようと思ってできるものでないと野村氏は考えます。
楽天イーグルスの監督時代に入団してきたのが田中将大選手です。その将来性を見込んだ野村監督は、高卒の新人を1年目から1軍で抜擢します。
2007年8月3日、この日は1年目の田中投手が先発の試合でした。この日の田中投手は調子が悪く、4回までに5失点を奪われます。
通常なら負け試合となりそうですが、打線が爆発して逆転に成功し、田中投手は勝利投手になります。
田中投手が何点取られるか試しに投げさせてみたところ、なぜか勝ち投手となりました。
このことから、野村氏は田中投手を人とは違う特別な何かを持っている選手だと認識して、この発言につながります。
田中投手は、その後球界を代表する選手へと成長し、メジャーリーグでも活躍します。
2013年には24勝0敗という神がかり的な成績を残して優勝に貢献しました。
野村氏の「神の子」という発言も間違いではなかったかもしれませんね。
名言7 先入観は悪である
野村氏は監督時代にID野球を取り入れ、データを活用した監督でもありました。
その一方で固定観念を持ってしまうと間違いにつながりやすいとも考えていました。
野村氏は監督時代に、選手が述べた「こう思っていたが違っていた」という発言を聞き、先入観が罪であると感じたのです。
人間はどうしても先に入った情報を正しいと認識してしまいがちです。固定観念に縛られてしまうと、柔軟な発想はできません。
人生においても固定観念を信じるのではなくて、目の前の出来事に柔軟に対応するのが大切だということを教えてくれます。
名言8 配球も人生も大事なのは緩急
野村氏は選手時代、名捕手として名を馳せました。キャッチャーは毎試合投手の投げる球を1球1球決めていきます。
その配球で重要なのがスピードの緩急です。野村氏はこの緩急は配球だけでなく、人生においても重要なことだと考えていました。
真面目な人は、何事にも全力でぶつかっていきます。ただ、全ての事柄に全力を尽くすのは大変で、途中で心が折れてしまうこともあります。
そこで、少し遊び心も持ってリラックスしておくことも大事です。
野球でも全力投球だけでなく、少し遊び心を持っている投手の方が良い成績を残します。
人生においても疲れを残さないように遊び心を持ちながら過ごしていくことが大事です。
名言9 良書は表現力を豊かにする
プロ野球選手、監督として活躍した野村氏は読書家でもありました。
これまでに挙げたような名言を残すことができたのも読書することで言葉を磨いてきたからだと野村氏は考えます。
良い本を読むことで、表現力が豊かになり、自分の言葉で発言できるようになります。
人生においても良い本との出会いが自分の運命を変えます。表現力を鍛えるためにも、ぜひ読書していきたいですね。
まとめ
野村氏は多くのファンに愛されました。選手・監督としての力量はもちろんですが、発せられる言葉に魅了された人がたくさんいます。
人生にも役に立つ名言ばかりなので、野村氏の名言を心にとどめて生きていきたいですね。